独学の勉強時間が足りないときの選択肢として、 社会保険労務士(社労士)の通信講座を出している3社 を、講座名と公式ページだけ並べたページにまとめています(料金は各社の改定が頻繁なため載せていません)。
社労士の偏差値(難易度スコア換算)
社会保険労務士(社労士)の偏差値は67.4です(スコアを算出できる77資格中4位)。母集団の定義と換算式は算出式ページに。
図|社労士の難易度スコアの作り方(3要素の加重合成)
- 合格率(重み0.45)
- 勉強時間(重み0.35)
- 受験資格(重み0.20)
社労士の独占業務・設置義務(根拠条文)
社会保険労務士(社労士)について、資格を持つ人に業務や名称を限定する規定、事業者に設置を義務づける規定を現行条文から拾いました(e-Gov法令検索の本文と機械照合・確認日 2026-07-26)。
| 分類 | 対象 | 根拠条文 |
|---|---|---|
| 業務独占 | 労働社会保険諸法令に基づく申請書等の作成・提出代行等 | 社会保険労務士法第27条 |
| 名称独占 | 社会保険労務士の名称 | 社会保険労務士法第26条第1項 |
- 社会保険労務士法第27条: 報酬を得て業として行う場合の禁止。政令で定める業務に付随して行う場合等の除外あり。
法改正で規定は変わるので、業務の可否はリンク先の現行条文で確かめてください。収録98資格を同じ基準で分類した一覧は業務独占資格の一覧(根拠条文つき)にあります。
社労士を動画で学ぶ(YouTube)
当サイトのYouTubeチャンネル「@shikaku-monosashi」で公開している社労士の動画は6本(ショート6本)です。
合格率の推移
直近3回の合格率の平均は6.3%。受かるのはおよそ16人に1人です。回ごとの値は下の表に。
図|社労士の平均合格率は、収録資格の分布のどこか
| 年度・回 | 合格率 |
|---|---|
| 第57回(令和7年度) | 5.5% |
| 第56回(令和6年度) | 6.9% |
| 第55回(令和5年度) | 6.4% |
図|社労士の合格率のレンジ(帯=最小〜最大・縦線=平均)
合格基準点(合格ライン)
直近の令和7年度(第57回)は42点(70点満点の約6割)が合格ラインでした。択一式の総得点に加えて科目ごとの足切りがあり、選択式でも別に基準を満たす必要があります。
合格ラインは実施のたびに決まります。収録10回では満点の60〜64.3%のあいだで動きました。
図|社労士の合格基準点の推移(択一式・総得点(70点)・収録10回)
図の詳しい読み方
縦軸は41〜46点に拡大しているので、傾きをそのまま難しさの変化と読まないでください。
科目ごとの基準点と、基準が動いた回
社労士は選択式(40点)と択一式(70点)の両方で総得点の基準を満たす必要があります。ここは配点の大きい択一式です。
科目ごとの最低点は択一式が原則4点、選択式が原則3点で、1科目でも下回れば総得点が基準を超えていても不合格です。この科目最低点は毎年のように引き下げ(いわゆる救済)が入ります。
厚生労働省は基準について「試験の難易度に差が生じたことから、昨年度試験の合格基準を補正したもの」と説明しています。
- 続けて実施された回のあいだで最も大きく動いたのは、平成28年度(第48回)から平成29年度(第49回)への3点。
- 令和7年度(第57回)・総得点 42点以上: 雇用保険法の科目最低点が4点から3点へ引き下げ
- 令和5年度(第55回)・総得点 45点以上: 収録した10回で唯一、選択式・択一式とも科目最低点の引き下げがなかった回
- 令和3年度(第53回)・総得点 45点以上: 現行サイトから削除済みのため、Internet Archiveに保存された厚生労働省の公表PDF原本を出典にしている
- 令和2年度(第52回)・総得点 44点以上: 現行サイトから削除済みのため、Internet Archiveに保存された厚生労働省の公表PDF原本を出典にしている
- 令和元年度(第51回)・総得点 43点以上: 現行サイトから削除済みのため、Internet Archiveに保存された厚生労働省の公表PDF原本を出典にしている
- 平成30年度(第50回)・総得点 45点以上: 現行サイトから削除済みのため、Internet Archiveに保存された厚生労働省の公表PDF原本を出典にしている
- 平成29年度(第49回)・総得点 45点以上: 厚生年金保険法の科目最低点が4点から3点へ引き下げ
- 平成28年度(第48回)・総得点 42点以上: 現行サイトから削除済みのため、Internet Archiveに保存された厚生労働省の公表PDF原本を出典にしている
出典: 厚生労働省「社会保険労務士試験の合格基準について」。回ごとの出典URLと他の試験との比較は 合格点の推移に。
勉強時間の目安
目安は800〜1,000時間です。
図|社労士の勉強時間の目安をものさしに置くと
図の詳しい読み方
目安が取れた77資格の幾何平均を短いほうから数えると63番目で、中央値は245時間、最小は37時間、最大は5,477時間です。
1日2時間なら13〜16か月かかります。1日に取れる時間ごとの期間は下の表のとおりです。
| 1日の勉強時間 | かかる期間 | 日数 |
|---|---|---|
| 1時間 | 26.3〜32.9ヶ月 | 800〜1,000日 |
| 2時間 | 13.2〜16.4ヶ月 | 400〜500日 |
| 3時間 | 8.8〜11.0ヶ月 | 267〜334日 |
出典: TAC(予備校公表値・独学の場合)(確認日 )。
換算の前提は算出式ページに、開始日から完了予定日そのものを出す道具は勉強時間シミュレーターにあります(社労士が選ばれた状態で開きます)。
社労士の試験の形式(一次出典)
選択式80分と択一式210分を同じ日に分けて実施します。合格基準点は総得点と科目ごとの両方に設けられています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 出題形式 | 選択式8問(40点)と択一式70問(70点) |
| 試験時間 | 選択式は10時30分〜11時50分(80分)、択一式は13時20分〜16時50分(210分) |
| 試験科目 | 選択式は計8科目、択一式は計7科目(労働基準法及び労働安全衛生法、労災保険法、雇用保険法、労働一般常識、社会保険一般常識、健康保険法、厚生年金保険法、国民年金法) |
| 合格基準 | 選択式・択一式それぞれの総得点と、それぞれの科目ごとに合格基準点を定め、いずれかが達しない場合は不合格 |
| 免除・特例 | 免除科目がある受験者は、免除された問題数に応じて試験時間が短縮される |
択一式の労災保険法と雇用保険法は、各10問のうち末尾の3問ずつ、合わせて6問が労働保険徴収法から出ます。選択式には徴収法からの出題がありません。科目ごとの基準点があるため、総得点が足りていても1科目の取りこぼしで不合格になります。
出典: 全国社会保険労務士会連合会試験センター「第58回社会保険労務士試験 受験案内」 (確認日 )。
出題形式・科目構成・免除の条件は年度で変わります。申込の前に、実施団体の最新の受験案内で確認してください。
受験資格
受験資格あり。学歴(大学・短大・高専卒業、大学62単位以上修得等)/実務経験(労働社会保険関連業務に通算3年以上)/他の国家試験合格(行政書士等)のいずれか1つが必要。(区分: 学歴・養成課程・前提資格のいずれかが必要)
多くの受験者は学歴要件で満たせるため、実務経験必須のtier70ではなくtier40と判定
同じ法務分野には9件を収録していて、うち6件は受験資格の制限がありません。 合格率・勉強時間の目安・受験料を縦に並べて見比べるなら法務分野のデータ表が早く着きます。
社労士は入口と本番のどちらで絞る試験か
社会保険労務士(社労士)は「入口も本番も絞る」型です。
スコアに合成する前の2軸、本番の重さ(合格率スコア93.7)と入口の重さ(受験資格スコア40)で位置を決めています。 2軸としきい値の決め方は算出式ページに。
図|社労士の位置(横軸=本番の重さ/縦軸=入口の重さ)
試験日程
年1回・8月下旬
第58回・令和8年度は8月23日(日)
同じ時期のほかの試験は、資格試験の日程カレンダー(例年8月に試験がある資格の一覧)で見られます。
受験料
15,000円
非課税。払込手数料は受験申込者負担
独学 vs 通信講座
独学が向いている人
- 800〜1,000時間を1年単位で配分できる、長期の自己管理に実績がある
- 法改正の多い分野の情報を自分で追い続けることが苦にならない
- 法律系試験の合格経験があり、学習の型がすでにできている
通信講座が向いている人
- 合格率5〜6%台・年1回の試験に、独学の試行錯誤で年数を重ねたくない
- 広い試験範囲の優先順位付けを教材設計に任せたい
- 学習ペースの崩れを、スケジュール管理の仕組みで立て直したい
社労士は難易度スコア4位(スコアを算出できる77資格中)の長期戦なので、学習手段の選択そのものが計画に響きます。まず受験資格の確認を済ませてから決めてください。
編集部の見解
社労士の重さは勉強量ではなく落選率。1回で仕上げる前提で計画を組む
ページ上部のスコア内訳バーを見てください。社労士を4位まで押し上げているのは合格率の寄与で、勉強時間の寄与ではありません。勉強時間の目安だけで並べ直せば、社労士より上に来る資格がいくつもあります(上のランキング参照)。
社労士は、時間を積めば順番に届く試験ではありません。同じくらい積んだ人のなかから落とす試験です。ここを取り違えると、努力の方向が総学習時間を増やすことにだけ向かい、点の取りこぼしを潰す作業が後回しになります。
スコアにはもうひとつ、受験資格の加点が乗っています。これは試験そのものの難しさに対する点ではありません。受けられるかどうかの区分に対する点です。すでに学歴要件を満たしている人にとっては、体感の難易度はスコアが示す位置よりわずかに下だと考えてください。ただし、その加点を外して合格率と勉強時間の2要素だけで並べ直しても、社労士は上位帯に残ります。区分の分を割り引いても軽い試験にはなりません。
試験は年1回・8月です。合格率が一桁の帯で推移している試験を、「毎年受けながら少しずつ仕上げる」計画で走らせないでください。落ちた年の学習は、そのまま次の1回に積み上がるだけです。
順番はこうします。まず受験資格を満たしているかを確認する。次に、次の8月までの残り日数を数える。最後に、上の期間表で間に合う行があるかを見る。間に合う行がなければ、狙う年を1年先へ倒したほうが安く済みます。「とりあえず今年も出願する」が一番時間を溶かします。
受験資格を満たしていない人は、入口の作り方まで先に決めてください。社労士は学歴・実務経験・他の国家試験合格のいずれかが要ります。このうち自分の意思だけで今年から作れるのは、行政書士に合格する道だけです(行政書士試験には受験資格がありません)。
逆に、学歴要件で足りている人が行政書士を経由しても、社労士の試験科目は1問も減りません。回り道になるので、最初から社労士の教材で始めてください。条文の根拠は、下にある行政書士との比較ページに置いています。
取ったあとの効き方も、宅建や簿記とは別の型です。上の表のとおり、社労士は業務独占と名称独占の両方が条文にあります。手続の代行そのものが囲われているので、勤め先の評価に加えて、独立して看板を出す選択肢が実際に残ります。長い準備期間を正当化できるかは、この出口を使うつもりがあるかどうかで決まります。使わないなら、同じ時間で入口の軽い資格を複数取ったほうが投じた時間は回収しやすい。
この見解が寄りかかっているデータ
- 「勉強量ではなく落選率」の根拠は、上のスコア内訳における合格率の寄与と勉強時間の寄与の差と、勉強時間の目安だけで並べたときの位置(目安の出典: TAC公表値)
- 「受験資格の加点が乗っている」の根拠は、当サイトの算出式(受験資格0.20の加重・算出式ページで公開)と、上の受験資格の区分
- 「加点を外しても上位帯」の根拠は、合格率0.45・勉強時間0.35の2要素だけで並べ直した位置(同じ算出式と同じデータで計算)
- 「1回で仕上げる」の根拠は、上の試験日程(年1回・8月下旬/出典: 全国社会保険労務士会連合会 試験センター)と、上の合格率の推移表(出典: 厚生労働省発表)
- 「行政書士が唯一自分で作れる入口」の根拠は、上の受験資格の欄(他の国家試験合格)と、行政書士試験に受験資格がないこと(条文の根拠は行政書士との比較ページの出典一覧)
- 「独立の看板になる」の根拠は、上の独占業務・名称独占の表(社会保険労務士法第27条・第26条第1項/条文本文と機械照合済み)
よくある質問
社労士試験は誰でも受けられますか?
受験資格があります。学歴(大学・短大・高専卒業、大学62単位以上修得等)、実務経験(労働社会保険関連業務に通算3年以上)、他の国家試験合格(行政書士等)のいずれか1つを満たす必要があります(出典: 全国社会保険労務士会連合会 試験センター・公式)。多くの受験者は学歴要件で満たせます。
合格率はどのくらい低いのですか?
直近の回は5.5%=受験者の20人に1人しか通っていません(出典: 厚生労働省発表)。この合格率の低さは77資格中5番目で、難易度スコア72.9を押し上げている最大の要因です。
試験は年に何回ありますか?CBTで受けられますか?
年1回・8月下旬の一発試験のみです(出典: 試験センター・公式)。随時受験できるCBT方式はなく、不合格なら次の機会は翌年8月です。この機会の少なさも学習計画に織り込む必要があります。次回の日付は上の試験日程の欄にあります。
行政書士に合格していれば受験資格になりますか?
なります。「他の国家試験合格(行政書士等)」が受験資格の1つとして認められています(出典: 試験センター・公式)。学歴要件を満たさない場合の受験ルートとして使われる組み合わせです。
難易度スコア72.9はどのくらい突出していますか?
スコアを算出できる77資格中4位です。すぐ上が税理士(74.6)、すぐ下が一級建築士(72.0)です。合格率5〜6%台と勉強時間の目安800〜1,000時間(出典: TAC公表値)の両方がスコアを押し上げています。
社労士の偏差値はいくつですか?
当サイトの統計換算では偏差値67.4です(難易度スコア72.9・スコアを算出できる77資格中4位)。換算式と母集団は算出式ページで公開しています。
社労士にしかできない仕事はありますか?
あります。労働社会保険諸法令に基づく申請書等の作成・提出代行等(社会保険労務士法第27条)が、資格を持つ人に限られると法律で定められています。名称についても社会保険労務士法第26条第1項で使用が制限されています。引用した条文はe-Gov法令検索の本文と照合しています(確認日 2026-07-26)。
社労士と他の資格の難易度比較
出典