データ比較表(診断士 vs 社労士)
| 項目 | 診断士 | 社労士 |
|---|---|---|
| 難易度スコア | 59.1 | 76.0 |
| 偏差値(難易度スコア換算) | 54.4 | 68.8 |
| 難易度順位(スコア算出76資格中) | 21位 | 2位 |
| 直近合格率の平均 | 26.9% | 6.3% |
| 勉強時間の目安 | 約1,000時間 | 800〜1,000時間 |
| 受験資格 | 受験資格なし(誰でも受験可) | 受験資格あり(学歴・養成課程・前提資格など) |
| 受験料 | 17,200円 | 15,000円 |
| 試験日程 | 年1回。1次試験は8月上旬の2日間(令和8年度は8月1日・2日)、2次筆記試験は10月(令和8年度は10月25日) | 年1回・8月下旬(第58回・令和8年度は8月23日(日)) |
| 実施機関 | 中小企業診断士協会連合会(指定試験機関) | 全国社会保険労務士会連合会 試験センター |
合格率の年度別の推移・出典URLは各資格の個別ページ( 診断士・ 社労士)に全て掲載しています。
合格率の母集団に関する注意
- 診断士: 合格率は第1次試験の値です(合格率=試験合格者数÷欠席科目のない受験者数)。第2次試験は別統計で、令和7年度は筆記受験7,044人・合格1,240人・合格率17.6%(出典: https://www.jf-cmca.jp/attach/test/r07/r7_2ji_toukei.pdf)。資格取得には1次・2次の両方の合格が必要。令和8年度から受験手数料改定などの制度変更あり
母集団や試験段階が異なる合格率は、数字の見た目より意味の差が大きくなります。この違いを吸収するため、当サイトは合格率単体ではなく3要素合成の難易度スコアで比較しています。
どちらを受けるか(データから言えること)
1. 法律で認められる仕事がどう違うか
- 診断士: 業務独占・名称独占・必置のいずれの規定も現行条文で確認できませんでした。中小企業支援法11条は経営診断業務に従事する者の登録制度を定めていますが、無登録者の業務や「中小企業診断士」の名称使用を禁止する規定は同法に置かれていません。名称独占と紹介されることの多い資格ですが、法律上の明文規定は確認できませんでした。
業務独占の規定があるのは社労士だけです。社労士では労働社会保険諸法令に基づく申請書等の作成・提出代行等が資格を持つ人に限られます。一方で診断士には業務独占・名称独占・必置のいずれの規定も現行条文で確認できませんでした。資格がないと就けない仕事に進みたいなら、この差はスコア差より重く効きます。
2. そもそも受けられるか(受験の前提条件)
- 診断士: 第1次試験は年齢・学歴などの制限なし(誰でも受験可)。第2次試験は第1次試験合格が前提(2次のみで見ればtier40相当)
- 社労士: 受験資格あり。学歴(大学・短大・高専卒業、大学62単位以上修得等)/実務経験(労働社会保険関連業務に通算3年以上)/他の国家試験合格(行政書士等)のいずれか1つが必要。多くの受験者は学歴要件で満たせるため、実務経験必須のtier70ではなくtier40と判定
診断士は誰でも受けられますが、社労士には受験の前提条件があります。条件を満たしていない場合、社労士は「受けるかどうか」の前に「受けられるか」を確認するところから始まります。
3. 勉強時間の差は、カレンダーだと何ヶ月か
| 1日の勉強時間 | 診断士 | 社労士 |
|---|---|---|
| 1時間 | 約32.9ヶ月(1000日) | 26.3〜32.9ヶ月(800〜1000日) |
| 2時間 | 約16.4ヶ月(500日) | 13.2〜16.4ヶ月(400〜500日) |
| 3時間 | 約11.0ヶ月(334日) | 8.8〜11.0ヶ月(267〜334日) |
目安の下限どうし・上限どうしで引き算すると、診断士のほうが0〜200時間多く必要です。1日2時間のペースなら0.0〜3.2ヶ月の差になります。難易度スコアの差を「自分のカレンダー上で何ヶ月ぶんか」に置き換えると、こうなります。出典は診断士がアガルートアカデミー(通信講座公表値・1次2次合計)、社労士がTAC(予備校公表値・独学の場合)で、いずれも幅のある目安です。
この比較で扱っていないこと
ここまでが当サイトのデータで言えることです。年収・求人数・就職のしやすさは一次データを持っていないため比較していません(出典を示せない数字は載せない方針です)。収入で選びたい場合は、上の「できる仕事の違い」で見た業務の求人を実際に検索して確かめてください。
どちらも合格だけでは名乗れない。社労士は実務2年、診断士は実務15日と5年ごとの更新
社会保険労務士法第3条は「次の各号の一に該当する者であつて、労働社会保険諸法令に関する厚生労働省令で定める事務に従事した期間が通算して二年以上になるもの又は厚生労働大臣がこれと同等以上の経験を有すると認めるもの」が社会保険労務士となる資格を有すると定め、第1号に社会保険労務士試験の合格者を挙げています(出典: e-Gov法令検索/2026-08-06確認)。合格に実務2年、またはそれと同等以上と認められることが重なって初めて資格になります。同法第14条の2の登録に有効期間の定めはなく、更新の規定もありません。
診断士は量が軽い代わりに期限があります。中小企業診断士の登録等及び試験に関する規則第1条第1項は、登録の申請日前3年以内に試験に合格し、かつ合格の日から申請日までに実務に従事した日数または実務補習を受講した日数の合計が15日以上であることを条件としています。そして第8条第1項は登録の有効期間を5年とし、第9条・第10条は更新登録の要件を、前回の登録日から申請日までに定められた事項を合計5回以上行い点数の合計を30点以上とすることと定めています(出典: 同)。入るのは軽く、居続けるのに手間がかかる設計です。
つながりは片方向です。同規則第41条第1項が第1次試験の科目免除の対象として挙げるのは、経済学の教授・准教授経験者や博士、公認会計士試験の経済学合格者、不動産鑑定士、公認会計士、税理士、弁護士、情報工学部門の技術士、ITストラテジスト試験・応用情報技術者試験などの合格者です。社会保険労務士はこの列挙にありません(出典: 同)。反対に、社会保険労務士法第8条第10号は「厚生労働大臣が前各号に掲げる者と同等以上の知識及び能力を有すると認める者」を受験資格に置いており、試験センターが公表する「厚生労働大臣が認めた国家試験」の一覧の(50)に中小企業診断士試験が挙がっています(出典: 社会保険労務士試験オフィシャルサイト/2026-08-06確認)。診断士に合格すれば社労士試験の受験資格が手に入りますが、社労士に合格しても診断士の科目は1つも減りません。
上乗せの仕組みは社労士側にあります。社会保険労務士法第2条第2項は、紛争解決手続代理業務を「紛争解決手続代理業務試験に合格し、かつ、第十四条の十一の三第一項の規定による付記を受けた社会保険労務士(特定社会保険労務士)」に限ると定めています。同条第1項第1号の6が対象とする民間紛争解決手続では、紛争の目的の価額が120万円を超える場合は弁護士が同一の依頼者から受任しているものに限られます(出典: 同)。診断士にこの種の上乗せ試験はありません。
編集部の見解
長く持ち続けるなら社労士。取ったあと動き続けられるなら診断士
資格を一度取って長く持ちたいなら社労士です。登録に有効期間がなく、更新の規定もありません。入るときに実務2年という重い条件がありますが、そこを越えれば維持のコストはかかりません。診断士は逆で、実務15日で入れる代わりに5年ごとの更新があり、その間に決められた活動を5回以上・30点以上そろえる必要があります。取ったあと使い続けるつもりがないなら、診断士は5年後に消えます。
会社に勤め続けるつもりなら診断士のほうが噛み合います。更新の材料は、経営に関わる仕事をしていれば日常のなかから出てきます。しかも登録は合格から3年以内でよく、実務補習という制度も用意されています。社労士は労働社会保険諸法令の事務に2年従事することが要るので、いま人事や労務の仕事をしていない人にとっては、試験に受かってからの距離が長くなります。自分の職務がその2年に当たるかどうかを、受験を決める前に確認してください。
両方を狙うなら、順番は診断士が先です。診断士試験は厚生労働大臣が認めた国家試験の一覧に入っているので、合格すればそれ自体が社労士試験の受験資格になります。大学を出ていない人にとっては、これが社労士への入口になります。逆に社労士に合格しても、診断士の科目免除の列挙に社会保険労務士は入っていないので、1科目も減りません。ただし2つ持つと、社労士の実務2年と診断士の5年ごとの更新という性質の違う継続コストを両方抱えることになります。学歴要件の回避が目的でないなら、ひとつに絞って深くしたほうが仕事になります。
争いごとに関わりたいなら社労士です。紛争解決手続代理業務試験に合格して付記を受ければ、個別労働関係紛争のあっせんや調停で当事者を代理できます。金額が120万円を超える民間紛争解決手続は弁護士との共同受任が条件になりますが、それでも当事者の隣に立てます。診断士の仕事は経営の診断と助言で、紛争の代理はできません。労使のトラブルに向き合う仕事がしたいなら、選ぶのは社労士です。
この見解が寄りかかっているデータ
- 「長く持つなら社労士」の根拠は、社会保険労務士法第14条の2に登録の有効期間の定めがないことと、中小企業診断士の登録等及び試験に関する規則第8条〜第10条の5年更新(上の出典一覧)
- 「合格からの距離」の根拠は、社労士法第3条の実務2年(または同等以上の経験の認定)と、同規則第1条第1項の実務15日以上・合格から3年以内
- 「順番は診断士が先」の根拠は、社労士法第8条第10号に対応する「厚生労働大臣が認めた国家試験」の一覧(50)に中小企業診断士試験が入っていることと、同規則第41条第1項の免除対象の列挙に社会保険労務士が入っていないこと
- 「争いごと」の根拠は、社労士法第2条第1項第1号の4〜第1号の6と第2項(特定社会保険労務士)
- 学習量の差は、上の難易度スコアと勉強時間の表(各資格ページの一次データから算出)
この比較の算出方法
両資格とも同一の式(合格率0.45・勉強時間0.35・受験資格0.20の加重)に一次データを入れて機械的に比較しています。重みの根拠と偏差値換算の定義は算出式の公開ページ、ほかの資格との比較は資格難易度ランキングにあります。
よくある質問
診断士と社労士はどっちが難しいですか?
当サイトの難易度スコア(合格率・勉強時間・受験資格から算出し、式を公開)で比較すると、社会保険労務士(社労士)が76.0、中小企業診断士が59.1で、社労士の方が高難度です。偏差値換算では診断士54.4・社労士68.8です。
勉強時間はどのくらい違いますか?
中小企業診断士は約1,000時間(出典: アガルートアカデミー(通信講座公表値・1次2次合計))、社会保険労務士(社労士)は800〜1,000時間(出典: TAC(予備校公表値・独学の場合))が目安です。学習経験や環境で個人差があるため、幅で見てください。
合格率だけで比べてもいいですか?
合格率は受験資格や母集団の違いで意味が変わるため、単純比較には向きません。当サイトは合格率0.45・勉強時間0.35・受験資格0.20の重みで合成した難易度スコアで比較し、母集団に注意が必要な試験は本文に注記を出しています。
診断士と社労士では、できる仕事がどう違いますか?
業務独占の規定があるのは社労士だけです。社労士では労働社会保険諸法令に基づく申請書等の作成・提出代行等が資格を持つ人に限られます。一方で診断士には業務独占・名称独占・必置のいずれの規定も現行条文で確認できませんでした。資格がないと就けない仕事に進みたいなら、この差はスコア差より重く効きます。
出典
- 診断士 合格率(令和7年度(第1次試験))出典: 中小企業診断士協会連合会(指定試験機関)(確認日 )
- 診断士 合格率(令和6年度(第1次試験))出典: 中小企業診断士協会連合会(指定試験機関)(確認日 )
- 診断士 合格率(令和5年度(第1次試験))出典: 中小企業診断士協会連合会(指定試験機関)(確認日 )
- 診断士 勉強時間の目安 出典: アガルートアカデミー(通信講座公表値・1次2次合計)(確認日 )
- 診断士 受験料 出典: 中小企業診断士協会連合会(指定試験機関)(確認日 )
- 診断士 試験日程 出典: 中小企業診断士協会連合会(指定試験機関)(確認日 )
- 社労士 合格率(第57回(令和7年度))出典: 全国社会保険労務士会連合会 試験センター(確認日 )
- 社労士 合格率(第56回(令和6年度))出典: 全国社会保険労務士会連合会 試験センター(確認日 )
- 社労士 合格率(第55回(令和5年度))出典: 全国社会保険労務士会連合会 試験センター(確認日 )
- 社労士 勉強時間の目安 出典: TAC(予備校公表値・独学の場合)(確認日 )
- 社会保険労務士試験の概要(試験科目と配点/合格基準/受験手数料)出典: 社会保険労務士試験オフィシャルサイト(2026-08-06確認)
- 社労士 試験日程 出典: 全国社会保険労務士会連合会 試験センター(確認日 )
- 社会保険労務士法第2条(業務・特定社会保険労務士)・第3条(資格・実務2年)・第8条(受験資格)・第14条の2(登録)出典: e-Gov法令検索(2026-08-06確認)
- 中小企業診断士の登録等及び試験に関する規則 第1条(登録の条件)/第8条(有効期間5年)/第9条・第10条(更新登録)/第41条第1項(第一次試験の免除)出典: e-Gov法令検索(2026-08-06確認)
- 厚生労働大臣が認めた国家試験(受験資格コード06関係・(50)中小企業診断士試験)出典: 社会保険労務士試験オフィシャルサイト(2026-08-06確認)