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資格のものさし

診断士と社労士はどっちが難しい?

診断士と社労士の間では、難易度スコアの差は16.7、勉強時間の目安は中央値で100時間ひらいています。実施機関は中小企業診断士協会連合会(指定試験機関)と全国社会保険労務士会連合会 試験センターで別々です。片方だけの合格率の推移・受験資格・試験日程を見るなら、 診断士の難易度と 社労士の難易度に、 それぞれ単独のデータページがあります。

データ比較表(診断士 vs 社労士)

項目 診断士 社労士
難易度スコア 56.2 72.9
偏差値(難易度スコア換算) 54.9 67.4
難易度順位(スコア算出77資格中) 22位 4位
直近合格率の平均 26.9%第1次試験 6.3%
勉強時間の目安 約1,000時間 800〜1,000時間
受験資格 受験資格なし(誰でも受験可) 受験資格あり(学歴・養成課程・前提資格など)
受験料 17,200円 15,000円
試験日程 年1回。1次試験は8月上旬の2日間(令和8年度は8月1日・2日)、2次筆記試験は10月(令和8年度は10月25日) 年1回・8月下旬(第58回・令和8年度は8月23日(日))
実施機関 中小企業診断士協会連合会(指定試験機関) 全国社会保険労務士会連合会 試験センター

年度別の推移と出典URLは、 診断士の難易度と 社労士の難易度の各ページにあります。

平均に使った回
  • 診断士: 令和7年度(第1次試験)/令和6年度(第1次試験)/令和5年度(第1次試験)
  • 社労士: 第57回(令和7年度)/第56回(令和6年度)/第55回(令和5年度)

合格率の母集団に関する注意

  • 診断士: 合格率は第1次試験の値です(合格率=試験合格者数÷欠席科目のない受験者数)。第2次試験は別統計で、令和7年度は筆記受験7,044人・合格1,240人・合格率17.6%(出典: https://www.jf-cmca.jp/attach/test/r07/r7_2ji_toukei.pdf)。資格取得には1次・2次の両方の合格が必要。令和8年度から受験手数料改定などの制度変更あり

診断士の平均第1次試験合格率26.9%はこの注記がついた数字で、社労士の平均合格率6.3%とは数え方の前提が違います。合格率単体で順位を付けず、勉強時間と受験資格も合成した難易度スコアで比べているのはこのためです。

どちらを受けるか(データから言えること)

1. 法律で認められる仕事がどう違うか

資格 分類 対象 根拠条文
社労士 業務独占 労働社会保険諸法令に基づく申請書等の作成・提出代行等 社会保険労務士法第27条
社労士 名称独占 社会保険労務士の名称 社会保険労務士法第26条第1項
  • 診断士: 業務独占・名称独占・必置のいずれの規定も現行条文で確認できませんでした。中小企業支援法11条は経営診断業務に従事する者の登録制度を定めていますが、無登録者の業務や「中小企業診断士」の名称使用を禁止する規定は同法に置かれていません。名称独占と紹介されることの多い資格ですが、法律上の明文規定は確認できませんでした。

業務独占の規定があるのは社労士だけです。社労士では労働社会保険諸法令に基づく申請書等の作成・提出代行等が社会保険労務士法により資格を持つ人に限られます。

一方で診断士には業務独占・名称独占・必置のいずれの規定も現行条文で確認できませんでした。

資格がないと就けない仕事に進みたいなら、社労士側の入口(受験資格あり)を先に確認してください。

根拠条文は上の表の2本で、引用した文がe-Gov法令検索の条文本文に実在することを機械照合しています(確認日 2026-07-26)。同じ基準の一覧は業務独占資格の一覧にあります。

2. そもそも受けられるか(受験の前提条件)

  • 診断士: 第1次試験は年齢・学歴などの制限なし(誰でも受験可)。第2次試験は第1次試験合格が前提(2次のみで見ればtier40相当)
  • 社労士: 受験資格あり。学歴(大学・短大・高専卒業、大学62単位以上修得等)/実務経験(労働社会保険関連業務に通算3年以上)/他の国家試験合格(行政書士等)のいずれか1つが必要。多くの受験者は学歴要件で満たせるため、実務経験必須のtier70ではなくtier40と判定

診断士は誰でも受けられますが、社労士には受験資格が置かれています(中身は上の実文のとおり)。条件を満たしていなければ、社労士は「受けるかどうか」の前に「受けられるか」を確かめるところから始まります。診断士のほうは受験料17,200円を払えばその年に受けられます。

診断士の分野は「その他」、社労士は法務で、並ぶ相手が変わります。どちらの分野から選び直すかを決めるなら、分野別のデータ表の その他 と法務 の表を見てください。

3. 勉強時間の差は、カレンダーだと何ヶ月か

1日の勉強時間 診断士 社労士 差(診断士が長い)
1時間 約32.9ヶ月(1000日) 26.3〜32.9ヶ月(800〜1000日) 下限で6.6ヶ月
2時間 約16.4ヶ月(500日) 13.2〜16.4ヶ月(400〜500日) 下限で3.2ヶ月
3時間 約11.0ヶ月(334日) 8.8〜11.0ヶ月(267〜334日) 下限で2.2ヶ月

目安の上限はどちらも1,000時間で同じです。下限どうしで引き算すると診断士のほうが200時間多く、1日2時間のペースなら3.2ヶ月の差になります。

目安の上限まで見ると差は消えるので、学習量の違いは「最低ライン」にだけ出ます。

診断士の目安は幅ではなく単一値です。出典は診断士がアガルートアカデミー、社労士がTACです(注記はページ末尾の出典一覧)。

上の表は毎日休まず進めた場合の単純計算です。診断士・社労士それぞれの開始日と1日の時間を入れて完了予定日を出すなら、勉強時間シミュレーターがあります。

この比較で扱っていないこと

  • 持っているデータ: 中小企業診断士協会連合会(指定試験機関)と全国社会保険労務士会連合会 試験センターが出している合格率・受験料・試験日程。勉強時間の目安は診断士がアガルートアカデミー(通信講座公表値・1次2次合計)、社労士がTAC(予備校公表値・独学の場合)の公表値
  • 合格率の範囲: どちらも直近3回分の平均。それより前の回は入っていません
  • 載せていないもの: 年収と求人数(診断士・社労士とも一次データが無いため)

どちらも合格だけでは名乗れない。社労士は実務2年、診断士は実務15日と5年ごとの更新

社労士は、合格に実務2年が重なって初めて資格になります。社会保険労務士法第3条は、労働社会保険諸法令に関する事務に通算して二年以上従事した者、または厚生労働大臣が同等以上の経験を有すると認める者に限っています。

同条第1号が社会保険労務士試験の合格者です(出典: e-Gov法令検索)。同法第14条の2の登録に有効期間の定めはなく、更新の規定もありません。

診断士は量が軽い代わりに期限があります。中小企業診断士の登録等及び試験に関する規則第1条第1項は、申請日前3年以内の合格と、実務従事または実務補習の日数の合計が15日以上であることを登録の条件にしています。

第8条第1項は登録の有効期間を5年としています。

第9条・第10条は更新の要件を、定められた事項を合計5回以上行い点数の合計を30点以上とすることと定めています(出典: 同)。入るのは軽く、居続けるのに手間がかかる設計です。

つながりは片方向で、診断士に合格すると社労士試験の受験資格が手に入ります。社会保険労務士法第8条第10号の「厚生労働大臣が認める者」として、試験センターの一覧の(50)に中小企業診断士試験が挙がっています。

逆に、社労士に合格しても診断士の科目は1つも減りません。同規則第41条第1項の科目免除の列挙は、公認会計士、税理士、弁護士、不動産鑑定士、情報工学部門の技術士、ITストラテジスト試験などの合格者で、社会保険労務士は入っていません(出典: 同)。

上乗せの仕組みは社労士側にあります。社会保険労務士法第2条第2項は、紛争解決手続代理業務を、紛争解決手続代理業務試験に合格し付記を受けた社会保険労務士(特定社会保険労務士)に限っています。

同条第1項第1号の6が対象とする民間紛争解決手続では、紛争の目的の価額が120万円を超える場合は弁護士が同一の依頼者から受任しているものに限られます(出典: 同)。診断士にこの種の上乗せ試験はありません。

編集部の見解

長く持ち続けるなら社労士。取ったあと動き続けられるなら診断士

資格を一度取って長く持ちたいなら社労士です。登録に有効期間がなく、更新の規定もありません。入るときに実務2年という重い条件がありますが、そこを越えれば維持のコストはかかりません。

診断士は逆で、実務15日で入れる代わりに5年ごとの更新があり、その間に決められた活動を5回以上・30点以上そろえる必要があります。取ったあと使い続けるつもりがないなら、診断士は5年後に消えます。

会社に勤め続けるつもりなら診断士のほうが噛み合います。更新の材料は、経営に関わる仕事をしていれば日常のなかから出てきます。登録は合格から3年以内でよく、実務補習という制度も用意されています。

社労士は労働社会保険諸法令の事務に2年従事することが要るので、いま人事や労務の仕事をしていない人には、試験に受かってからの距離が長くなります。自分の職務がその2年に当たるかを、受験を決める前に確認してください。

両方を狙うなら、順番は診断士が先です。診断士試験は厚生労働大臣が認めた国家試験の一覧に入っているので、合格すればそれ自体が社労士試験の受験資格になります。大学を出ていない人には、これが社労士への入口です。

逆に社労士に合格しても、診断士の科目免除の列挙に社会保険労務士は入っていないので、1科目も減りません。

ただし2つ持つと、社労士の実務2年と診断士の5年ごとの更新という、性質の違う継続コストを両方抱えることになります。学歴要件の回避が目的でないなら、ひとつに絞って深くしたほうが仕事になります。

争いごとに関わりたいなら社労士です。紛争解決手続代理業務試験に合格して付記を受ければ、個別労働関係紛争のあっせんや調停で当事者を代理できます。

金額が120万円を超える民間紛争解決手続は弁護士との共同受任が条件になりますが、それでも当事者の隣に立てます。診断士の仕事は経営の診断と助言で、紛争の代理はできません。

この見解が寄りかかっているデータ
  • 「長く持つなら社労士」の根拠は、社会保険労務士法第14条の2に登録の有効期間の定めがないことと、中小企業診断士の登録等及び試験に関する規則第8条〜第10条の5年更新(上の出典一覧)
  • 「合格からの距離」の根拠は、社労士法第3条の実務2年(または同等以上の経験の認定)と、同規則第1条第1項の実務15日以上・合格から3年以内
  • 「順番は診断士が先」の根拠は、社労士法第8条第10号に対応する「厚生労働大臣が認めた国家試験」の一覧(50)に中小企業診断士試験が入っていることと、同規則第41条第1項の免除対象の列挙に社会保険労務士が入っていないこと
  • 「争いごと」の根拠は、社労士法第2条第1項第1号の4〜第1号の6と第2項(特定社会保険労務士)
  • 学習量の差は、上の難易度スコアと勉強時間の表(各資格ページの一次データから算出)

ここまでは出典にもとづく事実で、この枠の中は資格のものさし編集部の評価と推奨です(編集方針)。

この比較の算出方法

スコア56.2と72.9は、上の比較表にある合格率・勉強時間の目安・受験資格を、同じ式に入れた値です。

式の重みは合格率0.45・勉強時間0.35・受験資格0.20で、根拠は算出式のページに、ほかの資格との比較はランキングにあります。

よくある質問

診断士と社労士はどっちが難しいですか?

社労士の方が難しい試験です。難易度スコアは社会保険労務士(社労士)が72.9、中小企業診断士が56.2で、偏差値換算と合格率は本文の比較表にあります。

勉強時間はどのくらい違いますか?

幅の中央値どうしで割ると診断士の方が約1.1倍です。目安は診断士が約1,000時間、社労士が800〜1,000時間(出典はページ末尾の一覧)。出典が違えば数字も動くので、幅のまま見てください。

診断士の平均第1次試験合格率26.9%と社労士の平均合格率6.3%は、そのまま比べられますか?

そのままは比べられません。診断士は受験資格なし、社労士は受験資格ありで、受験までにふるいに掛かる人数が違うからです。診断士の数字には、本文の「合格率の母集団に関する注意」がついています。このページは合格率単体で順位を付けず、勉強時間と受験資格も合成した難易度スコアで比べています(年度ごとの推移は各資格のページ)。

診断士と社労士では、できる仕事がどう違いますか?

診断士にはそうした規定がありません、社労士は労働社会保険諸法令に基づく申請書等の作成・提出代行等が業務独占、社会保険労務士の名称が名称独占です。条文の実文と確認日は本文の表にあります。

出典

  1. 診断士 合格率(令和7年度(第1次試験))出典: 中小企業診断士協会連合会(指定試験機関)(確認日 )
  2. 診断士 合格率(令和6年度(第1次試験))出典: 中小企業診断士協会連合会(指定試験機関)(確認日 )
  3. 診断士 合格率(令和5年度(第1次試験))出典: 中小企業診断士協会連合会(指定試験機関)(確認日 )
  4. 診断士 勉強時間の目安 出典: アガルートアカデミー(通信講座公表値・1次2次合計)(確認日 )
  5. 診断士 受験料 出典: 中小企業診断士協会連合会(指定試験機関)(確認日 )
  6. 診断士 試験日程 出典: 中小企業診断士協会連合会(指定試験機関)(確認日 )
  7. 社労士 合格率(第57回(令和7年度))出典: 全国社会保険労務士会連合会 試験センター(確認日 )
  8. 社労士 合格率(第56回(令和6年度))出典: 全国社会保険労務士会連合会 試験センター(確認日 )
  9. 社労士 合格率(第55回(令和5年度))出典: 全国社会保険労務士会連合会 試験センター(確認日 )
  10. 社労士 勉強時間の目安 出典: TAC(予備校公表値・独学の場合)(確認日 )
  11. 社会保険労務士試験の概要(試験科目と配点/合格基準/受験手数料)出典: 社会保険労務士試験オフィシャルサイト(2026-08-06確認)
  12. 社労士 試験日程 出典: 全国社会保険労務士会連合会 試験センター(確認日 )
  13. 社会保険労務士法第2条(業務・特定社会保険労務士)・第3条(資格・実務2年)・第8条(受験資格)・第14条の2(登録)出典: e-Gov法令検索(2026-08-06確認)
  14. 中小企業診断士の登録等及び試験に関する規則 第1条(登録の条件)/第8条(有効期間5年)/第9条・第10条(更新登録)/第41条第1項(第一次試験の免除)出典: e-Gov法令検索(2026-08-06確認)
  15. 厚生労働大臣が認めた国家試験(受験資格コード06関係・(50)中小企業診断士試験)出典: 社会保険労務士試験オフィシャルサイト(2026-08-06確認)