データ比較表(社労士 vs 司法書士)
| 項目 | 社労士 | 司法書士 |
|---|---|---|
| 難易度スコア | 72.9 | 71.3 |
| 偏差値(難易度スコア換算) | 67.4 | 66.2 |
| 難易度順位(スコア算出77資格中) | 4位 | 7位 |
| 直近合格率の平均 | 6.3% | 5.2% |
| 勉強時間の目安 | 800〜1,000時間 | 2,500〜3,200時間 |
| 受験資格 | 受験資格あり(学歴・養成課程・前提資格など) | 受験資格なし(誰でも受験可) |
| 受験料 | 15,000円 | 8,000円 |
| 試験日程 | 年1回・8月下旬(第58回・令和8年度は8月23日(日)) | 年1回。筆記試験は7月(令和7年度は7月6日)、口述試験は10月(同10月14日) |
| 実施機関 | 全国社会保険労務士会連合会 試験センター | 法務省 |
年度別の推移と出典URLは、 社労士の難易度と 司法書士の難易度の各ページにあります。
平均に使った回
- 社労士: 第57回(令和7年度)/第56回(令和6年度)/第55回(令和5年度)
- 司法書士: 令和7年度/令和6年度/令和5年度
合格率の母集団に関する注意
- 司法書士: 合格率は最終合格者数÷筆記試験受験者数。筆記合格者はほぼ全員が口述試験に合格するため、最終合格率は筆記合格率とほぼ一致する。合格は成績上位者からの相対評価で、合格率は例年5%前後に収れんする(令和7年度5.2%・令和6年度5.3%・令和5年度5.2%)
司法書士の平均合格率5.2%はこの注記がついた数字で、社労士の平均合格率6.3%とは数え方の前提が違います。合格率単体で順位を付けず、勉強時間と受験資格も合成した難易度スコアで比べているのはこのためです。
どちらを受けるか(データから言えること)
1. 法律で認められる仕事がどう違うか
| 資格 | 分類 | 対象 | 根拠条文 |
|---|---|---|---|
| 社労士 | 業務独占 | 労働社会保険諸法令に基づく申請書等の作成・提出代行等 | 社会保険労務士法第27条 |
| 社労士 | 名称独占 | 社会保険労務士の名称 | 社会保険労務士法第26条第1項 |
| 司法書士 | 業務独占 | 登記・供託手続の代理等 | 司法書士法第73条第1項 |
| 司法書士 | 名称独占 | 司法書士の名称 | 司法書士法第73条第3項 |
どちらも業務独占資格です。社労士は労働社会保険諸法令に基づく申請書等の作成・提出代行等、司法書士は登記・供託手続の代理等が、それぞれ資格を持つ人にしかできないと法律で定められています。
根拠になる法律が社会保険労務士法と司法書士法で分かれています。就きたい仕事が上の表のどちらに入るかを先に見てください。
2. そもそも受けられるか(受験の前提条件)
- 社労士: 受験資格あり。学歴(大学・短大・高専卒業、大学62単位以上修得等)/実務経験(労働社会保険関連業務に通算3年以上)/他の国家試験合格(行政書士等)のいずれか1つが必要。多くの受験者は学歴要件で満たせるため、実務経験必須のtier70ではなくtier40と判定
- 司法書士: 受験資格なし。年齢・学歴・国籍を問わず誰でも受験でき、受験回数の制限もない(出典: 法務省・司法書士試験)
司法書士は誰でも受けられますが、社労士には受験資格が置かれています(中身は上の実文のとおり)。条件を満たしていなければ、社労士は「受けるかどうか」の前に「受けられるか」を確かめるところから始まります。司法書士のほうは受験料8,000円を払えばその年に受けられます。
3. 勉強時間の差は、カレンダーだと何ヶ月か
| 1日の勉強時間 | 社労士 | 司法書士 | 差(司法書士が長い) |
|---|---|---|---|
| 1時間 | 26.3〜32.9ヶ月(800〜1000日) | 82.2〜105.3ヶ月(2500〜3200日) | 55.9〜72.4ヶ月 |
| 2時間 | 13.2〜16.4ヶ月(400〜500日) | 41.1〜52.6ヶ月(1250〜1600日) | 27.9〜36.2ヶ月 |
| 3時間 | 8.8〜11.0ヶ月(267〜334日) | 27.4〜35.1ヶ月(834〜1067日) | 18.6〜24.1ヶ月 |
目安の下限どうし・上限どうしで引き算すると、司法書士のほうが1,700〜2,200時間多く必要です。1日2時間のペースなら27.9〜36.2ヶ月の差になります。
この比較で扱っていないこと
- 持っているデータ: 全国社会保険労務士会連合会 試験センターと法務省が出している合格率・受験料・試験日程。勉強時間の目安は社労士がTAC(予備校公表値・独学の場合)、司法書士がアガルートアカデミー(通信講座利用で2,500時間前後・独学は3,200時間以上)の公表値
- 合格率の範囲: どちらも直近3回分の平均。それより前の回は入っていません
- 載せていないもの: 年収と求人数(社労士・司法書士とも一次データが無いため)
社労士の科目免除でもらえるのは平均点。得意科目を免除すると、かえって不利になる
社労士には実務経験による科目免除がありますが、免除でもらえるのは満点ではありません。試験センターが挙げる主な免除資格は、公務員として労働社会保険法令の施行事務に通算10年以上従事した方などです。
ほかに、厚生労働大臣が指定する団体の役員・従業者や社会保険労務士の補助者として通算15年以上従事し免除指定講習を修了した方、日本年金機構や全国健康保険協会に通算15年以上従事した方があります(出典: 社会保険労務士試験オフィシャルサイト「免除資格者」)。
免除科目の点は、総得点の合格基準点を按分して決まります。選択式は「総得点の合格基準点÷40点(満点)×免除となる科目の満点」、択一式は「総得点の合格基準点÷70点(満点)×免除となる科目の満点」です。
同サイトは、受験した科目で免除科目への配点以上の得点をしないと総得点の合格基準点に達しない場合があると注意しています(出典: 同「免除加算点」)。得点源になる科目を免除すると、合計点が下がることがあります。
司法書士試験にこの種の科目免除はありません。司法書士法第6条第3項が定めるのは、筆記試験の合格者に次回の筆記試験を免除するという次回1回の免除だけです(出典: e-Gov法令検索)。
実務経験で軽くなる部分がない代わりに、免除で損をする場面もありません。
入口の条件は逆向きです。社会保険労務士法第8条は受験資格を列挙しており、大学・短期大学・高等専門学校の卒業等、司法試験予備試験の合格、行政書士となる資格などのいずれかが要ります。司法書士試験に受験資格の制限はありません(出典: 同/法務省)。
ただし、司法書士に合格すれば社労士試験を受けられます。社労士法第8条第10号の「厚生労働大臣が認める者」として、試験センターの一覧の(47)に司法書士試験が挙がっています(出典: 同サイト「厚生労働大臣が認めた国家試験」)。
逆向きはありません。司法書士法第4条に社会保険労務士は出てこないので、社労士に合格しても司法書士試験が近づくことはありません。
合格ラインの形はどちらも多段です。社労士は選択式と択一式それぞれの総得点と科目ごとに合格基準点が定められ、いずれかに達しないと不合格になります(出典: 同サイト「試験の概要」)。
司法書士は筆記試験の合格点のほかに、午前の部の多肢択一式・午後の部の多肢択一式・記述式それぞれに基準点があり、1つでも下回ればそれだけで不合格です(出典: 法務省。令和7年度の点数は司法書士のページ)。
編集部の見解
免除資格を持っているなら社労士。持っていないなら、学習量の軽いほうから片づける
公務員として労働社会保険法令の事務に10年以上、あるいは指定団体や日本年金機構などで15年以上という経歴があるなら、社労士を選んでください。その経歴が試験の一部を消せるのは社労士だけです。
ただし免除する科目は選んでください。免除でもらえるのは総得点の合格基準点を按分した点で、満点ではありません。自分が9割取れる科目を免除に出すと、その差が合計点から消えます。
免除資格がないなら、まず受けられるかどうかを確認するところから始まります。社労士には受験資格があり、大学等の卒業や3年以上の実務経験などのいずれかに該当していないと申し込めません。
司法書士に受験資格の制限はないので、今日から始めて今年受けられます。学歴も実務経験も条件に当てはまらない人にとっては、これが最初の分かれ道です。
両方を視野に入れているなら、司法書士を先にしてください。合格すればそれ自体が社労士試験の受験資格になります。逆に社労士に合格しても司法書士試験は1問も減りません。
ただし勉強量の差は上の表のとおりなので、「受験資格のために司法書士を取る」のは現実的ではありません。もともと司法書士を狙っている人が、あとから社労士も欲しくなったときに効く順番です。
仕事の形で選ぶなら、続く関係を作りたいか、案件ごとに区切りたいかで分かれます。社労士は労働・社会保険の手続と相談で、人を雇い続ける事業所と月単位の関係になります。
司法書士は登記と裁判所提出書類が中心で、不動産の売買や相続のたびに依頼が来る形です。毎月の固定収入を作りたいなら社労士、1件ごとに完結する仕事を積み重ねたいなら司法書士を選んでください。
この見解が寄りかかっているデータ
- 「免除する科目を選ぶ」の根拠は、社会保険労務士試験オフィシャルサイトが公表する免除加算点の計算方法と申請前の注意(上の出典一覧)
- 「今日から始められるのは司法書士」の根拠は、社会保険労務士法第8条が受験資格を列挙していることと、司法書士試験に受験資格の制限がないこと
- 「司法書士を先に」の根拠は、社労士法第8条第10号に対応する「厚生労働大臣が認めた国家試験」の一覧(47)に司法書士試験が入っていることと、司法書士法第4条に社会保険労務士が入っていないこと
- 合格基準の形は、同サイトの合格基準の説明と、法務省が公表した令和7年度司法書士試験の基準点
- 学習量の差は、上の難易度スコアと勉強時間の表(各資格ページの一次データから算出)
この比較の算出方法
スコア72.9と71.3は、上の比較表にある合格率・勉強時間の目安・受験資格を、同じ式に入れた値です。
よくある質問
社労士と司法書士はどっちが難しいですか?
社労士の方が難しい試験です。難易度スコアは社会保険労務士(社労士)が72.9、司法書士が71.3で、偏差値換算と合格率は本文の比較表にあります。
勉強時間はどのくらい違いますか?
幅の中央値どうしで割ると司法書士の方が約3.2倍です。目安は社労士が800〜1,000時間、司法書士が2,500〜3,200時間(出典はページ末尾の一覧)。出典が違えば数字も動くので、幅のまま見てください。
社労士の平均合格率6.3%と司法書士の平均合格率5.2%は、そのまま比べられますか?
そのままは比べられません。社労士は受験資格あり、司法書士は受験資格なしで、受験までにふるいに掛かる人数が違うからです。司法書士の数字には、本文の「合格率の母集団に関する注意」がついています。このページは合格率単体で順位を付けず、勉強時間と受験資格も合成した難易度スコアで比べています(年度ごとの推移は各資格のページ)。
社労士と司法書士では、できる仕事がどう違いますか?
社労士は労働社会保険諸法令に基づく申請書等の作成・提出代行等が業務独占、社会保険労務士の名称が名称独占、司法書士は登記・供託手続の代理等が業務独占、司法書士の名称が名称独占です。条文の実文と確認日は本文の表にあります。
出典
- 社労士 合格率(第57回(令和7年度))出典: 全国社会保険労務士会連合会 試験センター(確認日 )
- 社労士 合格率(第56回(令和6年度))出典: 全国社会保険労務士会連合会 試験センター(確認日 )
- 社労士 合格率(第55回(令和5年度))出典: 全国社会保険労務士会連合会 試験センター(確認日 )
- 社労士 勉強時間の目安 出典: TAC(予備校公表値・独学の場合)(確認日 )
- 社会保険労務士試験の概要(試験科目と配点/合格基準/受験手数料)出典: 社会保険労務士試験オフィシャルサイト(2026-08-06確認)
- 社労士 試験日程 出典: 全国社会保険労務士会連合会 試験センター(確認日 )
- 令和7年度司法書士試験の最終結果について(筆記試験合格点と午前・午後・記述の基準点)出典: 法務省(2026-08-06確認)
- 司法書士 合格率(令和6年度(筆記受験13,960/最終合格737))出典: 法務省(確認日 )
- 司法書士 合格率(令和5年度(筆記受験13,372/最終合格695))出典: 法務省(確認日 )
- 司法書士 勉強時間の目安 出典: アガルートアカデミー(通信講座利用で2,500時間前後・独学は3,200時間以上)(確認日 )
- 司法書士 受験料 出典: 法務省(確認日 )
- 試験科目の一部免除(免除資格者の主な条件)出典: 社会保険労務士試験オフィシャルサイト(2026-08-06確認)
- 免除加算点(計算方法と配点例・申請時の注意)出典: 社会保険労務士試験オフィシャルサイト(2026-08-06確認)
- 社会保険労務士法第8条(受験資格・第10号の厚生労働大臣の認定)出典: e-Gov法令検索(2026-08-06確認)
- 厚生労働大臣が認めた国家試験(受験資格コード06関係・(47)司法書士試験)出典: 社会保険労務士試験オフィシャルサイト(2026-08-06確認)
- 受験資格について(学歴・実務経験・厚生労働大臣の認めた国家試験合格の3区分)出典: 社会保険労務士試験オフィシャルサイト(2026-08-06確認)
- 司法書士法第4条(資格)・第6条第3項(筆記試験合格者の次回免除)出典: e-Gov法令検索(2026-08-06確認)