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資格のものさし

行政書士と社労士はどっちが難しい?

データ比較表(行政書士 vs 社労士)

項目 行政書士 社労士
難易度スコア 63.7 76.0
偏差値(難易度スコア換算) 58.3 68.8
難易度順位(スコア算出76資格中) 15位 2位
直近合格率の平均 13.8% 6.3%
勉強時間の目安 500〜1,000時間 800〜1,000時間
受験資格 受験資格なし(誰でも受験可) 受験資格あり(学歴・養成課程・前提資格など)
受験料 10,400円 15,000円
試験日程 年1回・11月(令和8年度は11月8日(日)) 年1回・8月下旬(第58回・令和8年度は8月23日(日))
実施機関 行政書士試験研究センター 全国社会保険労務士会連合会 試験センター

合格率の年度別の推移・出典URLは各資格の個別ページ( 行政書士社労士)に全て掲載しています。

どちらを受けるか(データから言えること)

1. 法律で認められる仕事がどう違うか

資格 分類 対象 根拠条文
行政書士 業務独占 官公署提出書類の作成等 行政書士法第19条第1項
行政書士 名称独占 行政書士の名称 行政書士法第19条の2第1項
社労士 業務独占 労働社会保険諸法令に基づく申請書等の作成・提出代行等 社会保険労務士法第27条
社労士 名称独占 社会保険労務士の名称 社会保険労務士法第26条第1項

どちらも業務独占資格です。行政書士は官公署提出書類の作成等、社労士は労働社会保険諸法令に基づく申請書等の作成・提出代行等が、それぞれ資格を持つ人にしかできないと法律で定められています。守っている仕事が別なので、難易度の前にこの違いで選べます。取ったあとに就きたい仕事が上の表のどちらに入るかを先に見てください。

分類の根拠はe-Gov法令検索の条文本文で、引用した文が本文に実在することを機械照合しています(確認日 2026-07-26)。収録資格を同じ基準で分類した一覧は業務独占資格の一覧(根拠条文つき)にあります。

2. そもそも受けられるか(受験の前提条件)

  • 行政書士: 受験資格なし。年齢・学歴・国籍等に関係なく誰でも受験可
  • 社労士: 受験資格あり。学歴(大学・短大・高専卒業、大学62単位以上修得等)/実務経験(労働社会保険関連業務に通算3年以上)/他の国家試験合格(行政書士等)のいずれか1つが必要。多くの受験者は学歴要件で満たせるため、実務経験必須のtier70ではなくtier40と判定

行政書士は誰でも受けられますが、社労士には受験の前提条件があります。条件を満たしていない場合、社労士は「受けるかどうか」の前に「受けられるか」を確認するところから始まります。

この2つ以外も候補に入れ直すなら、分野別のデータ表で受験資格の制限がない資格が各分野の先頭に並びます。

3. 勉強時間の差は、カレンダーだと何ヶ月か

1日の勉強時間 行政書士 社労士
1時間 16.4〜32.9ヶ月(500〜1000日) 26.3〜32.9ヶ月(800〜1000日)
2時間 8.2〜16.4ヶ月(250〜500日) 13.2〜16.4ヶ月(400〜500日)
3時間 5.5〜11.0ヶ月(167〜334日) 8.8〜11.0ヶ月(267〜334日)

目安の下限どうし・上限どうしで引き算すると、社労士のほうが0〜300時間多く必要です。1日2時間のペースなら0.0〜5.0ヶ月の差になります。難易度スコアの差を「自分のカレンダー上で何ヶ月ぶんか」に置き換えると、こうなります。出典は行政書士がユーキャン(通信講座公表値)、社労士がTAC(予備校公表値・独学の場合)で、いずれも幅のある目安です。

1日の時間・開始日を自分の数字で入れて完了予定日を出すなら勉強時間シミュレーターを使ってください。上の表は毎日休まず進めた場合の単純計算です。

この比較で扱っていないこと

ここまでが当サイトのデータで言えることです。年収・求人数・就職のしやすさは一次データを持っていないため比較していません(出典を示せない数字は載せない方針です)。収入で選びたい場合は、上の「できる仕事の違い」で見た業務の求人を実際に検索して確かめてください。

行政書士に合格すると社労士を受けられる。逆向きの通路はない

社会保険労務士法第8条は社会保険労務士試験の受験資格を列挙しており、その第6号が「行政書士となる資格を有する者」です(出典: e-Gov法令検索/2026-08-06確認)。行政書士試験に合格すれば行政書士となる資格を有する者にあたるので、大学卒業などの学歴要件を満たしていなくても社労士試験の受験資格が手に入ります。同条が挙げるほかの入口は、大学・短期大学・高等専門学校の卒業等、司法試験予備試験の合格、公務員として行政事務に3年以上、社労士や弁護士の業務補助に3年以上、労働組合の役員や法人の役員として3年以上などです。

逆向きは通っていません。行政書士となる資格を定める行政書士法第2条が挙げるのは、行政書士試験の合格者、弁護士・弁理士・公認会計士・税理士となる資格を有する者、通算20年以上(高等学校卒業者等は17年以上)の行政事務の経験者です。社会保険労務士はこの列挙にありません(出典: 同)。社労士に合格しても行政書士試験は受け直しになります。

合格ラインの決まり方も違います。社会保険労務士試験オフィシャルサイトは「合格基準点は、選択式試験及び択一式試験のそれぞれの総得点と、それぞれの科目ごとに定めます。各成績のいずれかが合格基準点に達しない場合は不合格となります」と説明し、合格基準点は合格発表日に公表されるとしています。試験科目は選択式が計8科目8問(40点)、択一式が計7科目70問(70点)です(出典: 社会保険労務士試験オフィシャルサイト「試験の概要」/2026-08-06確認)。総得点2つと科目ごとの基準が並ぶので、越えるべき線が十数本あり、その位置が試験のあとに決まります。

行政書士試験は基準が先に決まっています。令和7年度の合否判定基準は、法令等244点・基礎知識56点の計300点満点に対して、法令等が122点以上、基礎知識が24点以上、全体が180点以上の3要件をすべて満たすことでした(出典: 行政書士試験研究センター/2026-08-06確認)。受験手数料は行政書士が10,400円、社労士が15,000円です(出典: 両機関)。

編集部の見解

学歴の要件を満たしていないなら、行政書士から入るのが唯一の近道

大学や短期大学、高等専門学校を出ていない人が社労士を目指すなら、行政書士を先に取ってください。社労士法第8条の入口のうち、自分の意思だけで最短で作れるのは第6号です。ほかの入口は3年以上の実務経験か学歴で、どちらも今日から始めて短縮できるものではありません。行政書士試験には受験資格がないので、勉強を始めた年に受けられます。学歴要件を満たしている人には関係のない話ですが、満たしていない人にとっては、これが制度上ほとんど唯一の道です。

学歴要件を満たしているなら、行政書士を経由する意味はありません。合格しても社労士試験の科目は1問も減らないからです。回り道でしかないので、社労士を狙うと決めているなら最初から社労士の教材で始めてください。逆に社労士に合格しても行政書士は受け直しなので、順番を逆にして得することもありません。

学習の詰め方は、社労士のほうが厳しい設計です。選択式8科目と択一式7科目にそれぞれ基準点が置かれ、加えて2つの総得点にも基準があります。しかもその位置は合格発表日にならないと分かりません。得意な科目で点を稼いで苦手を埋める、が構造的にできない試験です。特に選択式は1科目5点しかないので、1つの科目でつまずくとその年が終わります。社労士を受けるなら、捨て科目を作らない前提で計画してください。行政書士は基準が事前に分かるうえ、法令等244点のなかで配分を組み替えられます。

どちらを本業にするかで選ぶなら、扱う相手が違います。行政書士は官公署に出す書類を作る仕事で、許認可が中心です。社労士は労働・社会保険の手続と、その周辺の相談が中心で、顧客は継続的に人を雇う事業所になります。単発の依頼を数多くこなす形が行政書士、顧問として毎月関わる形が社労士です。安定した売上を作りやすいのは後者ですが、そのぶん受験の入口も学習の関門も重くなっています。

この見解が寄りかかっているデータ
  • 「行政書士から入る」の根拠は、社会保険労務士法第8条第6号が「行政書士となる資格を有する者」を受験資格に挙げていることと、行政書士試験に受験資格がないこと(上の出典一覧)
  • 「逆向きに得はない」の根拠は、行政書士法第2条の列挙に社会保険労務士が入っていないこと
  • 「捨て科目を作らない」の根拠は、社会保険労務士試験オフィシャルサイトが公表する合格基準(総得点と科目ごとに基準点を定め、いずれかに達しないと不合格)と、選択式の科目あたり配点が5点であること
  • 「基準が事前に分かる」の対比は、行政書士試験研究センターの令和7年度合否判定基準と、社労士の合格基準点が合格発表日に公表されること
  • 学習量の差は、上の難易度スコアと勉強時間の表(各資格ページの一次データから算出)

上のデータ表・条文の分類・勉強時間の算術は出典にもとづく事実の提示で、この枠の中は資格のものさし編集部の評価と推奨です。判断の分かれ方は編集方針に書いています。

この比較の算出方法

両資格とも同一の式(合格率0.45・勉強時間0.35・受験資格0.20の加重)に一次データを入れて機械的に比較しています。重みの根拠と偏差値換算の定義は算出式の公開ページ、ほかの資格との比較は資格難易度ランキングにあります。

よくある質問

行政書士と社労士はどっちが難しいですか?

当サイトの難易度スコア(合格率・勉強時間・受験資格から算出し、式を公開)で比較すると、社会保険労務士(社労士)が76.0、行政書士が63.7で、社労士の方が高難度です。偏差値換算では行政書士58.3・社労士68.8です。

勉強時間はどのくらい違いますか?

行政書士は500〜1,000時間(出典: ユーキャン(通信講座公表値))、社会保険労務士(社労士)は800〜1,000時間(出典: TAC(予備校公表値・独学の場合))が目安です。学習経験や環境で個人差があるため、幅で見てください。

合格率だけで比べてもいいですか?

合格率は受験資格や母集団の違いで意味が変わるため、単純比較には向きません。当サイトは合格率0.45・勉強時間0.35・受験資格0.20の重みで合成した難易度スコアで比較し、母集団に注意が必要な試験は本文に注記を出しています。

行政書士と社労士では、できる仕事がどう違いますか?

どちらも業務独占資格です。行政書士は官公署提出書類の作成等、社労士は労働社会保険諸法令に基づく申請書等の作成・提出代行等が、それぞれ資格を持つ人にしかできないと法律で定められています。守っている仕事が別なので、難易度の前にこの違いで選べます。取ったあとに就きたい仕事が上の表のどちらに入るかを先に見てください。

出典

  1. 行政書士 合格率(令和5年度)出典: 行政書士試験研究センター(確認日
  2. 行政書士 勉強時間の目安 出典: ユーキャン(通信講座公表値)(確認日
  3. 行政書士 試験日程 出典: 行政書士試験研究センター(確認日
  4. 社労士 合格率(第57回(令和7年度))出典: 全国社会保険労務士会連合会 試験センター(確認日
  5. 社労士 合格率(第56回(令和6年度))出典: 全国社会保険労務士会連合会 試験センター(確認日
  6. 社労士 合格率(第55回(令和5年度))出典: 全国社会保険労務士会連合会 試験センター(確認日
  7. 社労士 勉強時間の目安 出典: TAC(予備校公表値・独学の場合)(確認日
  8. 社会保険労務士試験の概要(試験科目と配点/合格基準/受験手数料15,000円)出典: 社会保険労務士試験オフィシャルサイト(2026-08-06確認)
  9. 社労士 試験日程 出典: 全国社会保険労務士会連合会 試験センター(確認日
  10. 社会保険労務士法第8条(受験資格・第6号「行政書士となる資格を有する者」)出典: e-Gov法令検索(2026-08-06確認)
  11. 行政書士法第2条(資格)出典: e-Gov法令検索(2026-08-06確認)
  12. 令和7年度行政書士試験合否判定基準(配点300点・法令等122点/基礎知識24点/全体180点)出典: 行政書士試験研究センター(2026-08-06確認)
  13. 行政書士試験の概要(受験資格なし・受験手数料10,400円)出典: 行政書士試験研究センター(2026-08-06確認)