メインコンテンツへスキップ
資格のものさし

行政書士と社労士はどっちが難しい?

行政書士と社労士の間では、難易度スコアの差は12.5、平均合格率の差は7.5ポイント、勉強時間の目安は中央値で150時間ひらいています。実施機関は行政書士試験研究センターと全国社会保険労務士会連合会 試験センターで別々です。片方だけの合格率の推移・受験資格・試験日程を見るなら、 行政書士の難易度と 社労士の難易度に、 それぞれ単独のデータページがあります。

データ比較表(行政書士 vs 社労士)

項目 行政書士 社労士
難易度スコア 60.4 72.9
偏差値(難易度スコア換算) 58.0 67.4
難易度順位(スコア算出77資格中) 15位 4位
直近合格率の平均 13.8% 6.3%
勉強時間の目安 500〜1,000時間 800〜1,000時間
受験資格 受験資格なし(誰でも受験可) 受験資格あり(学歴・養成課程・前提資格など)
受験料 10,400円 15,000円
試験日程 年1回・11月(令和8年度は11月8日(日)) 年1回・8月下旬(第58回・令和8年度は8月23日(日))
実施機関 行政書士試験研究センター 全国社会保険労務士会連合会 試験センター

年度別の推移と出典URLは、 行政書士の難易度と 社労士の難易度の各ページにあります。

平均に使った回
  • 行政書士: 令和7年度/令和6年度/令和5年度
  • 社労士: 第57回(令和7年度)/第56回(令和6年度)/第55回(令和5年度)

どちらを受けるか(データから言えること)

1. 法律で認められる仕事がどう違うか

資格 分類 対象 根拠条文
行政書士 業務独占 官公署提出書類の作成等 行政書士法第19条第1項
行政書士 名称独占 行政書士の名称 行政書士法第19条の2第1項
社労士 業務独占 労働社会保険諸法令に基づく申請書等の作成・提出代行等 社会保険労務士法第27条
社労士 名称独占 社会保険労務士の名称 社会保険労務士法第26条第1項

どちらも業務独占資格です。行政書士は官公署提出書類の作成等、社労士は労働社会保険諸法令に基づく申請書等の作成・提出代行等が、それぞれ資格を持つ人にしかできないと法律で定められています。

根拠になる法律が行政書士法と社会保険労務士法で分かれています。就きたい仕事が上の表のどちらに入るかを先に見てください。

根拠条文は上の表の4本で、引用した文がe-Gov法令検索の条文本文に実在することを機械照合しています(確認日 2026-07-26)。同じ基準の一覧は業務独占資格の一覧にあります。

2. そもそも受けられるか(受験の前提条件)

  • 行政書士: 受験資格なし。年齢・学歴・国籍等に関係なく誰でも受験可
  • 社労士: 受験資格あり。学歴(大学・短大・高専卒業、大学62単位以上修得等)/実務経験(労働社会保険関連業務に通算3年以上)/他の国家試験合格(行政書士等)のいずれか1つが必要。多くの受験者は学歴要件で満たせるため、実務経験必須のtier70ではなくtier40と判定

行政書士は誰でも受けられますが、社労士には受験資格が置かれています(中身は上の実文のとおり)。条件を満たしていなければ、社労士は「受けるかどうか」の前に「受けられるか」を確かめるところから始まります。行政書士のほうは受験料10,400円を払えばその年に受けられます。

行政書士も社労士も分野は法務です。同じ分野のほかの選択肢は、分野別のデータ表の 法務 の表を見てください。

3. 勉強時間の差は、カレンダーだと何ヶ月か

1日の勉強時間 行政書士 社労士 差(社労士が長い)
1時間 16.4〜32.9ヶ月(500〜1000日) 26.3〜32.9ヶ月(800〜1000日) 下限で9.9ヶ月
2時間 8.2〜16.4ヶ月(250〜500日) 13.2〜16.4ヶ月(400〜500日) 下限で5.0ヶ月
3時間 5.5〜11.0ヶ月(167〜334日) 8.8〜11.0ヶ月(267〜334日) 下限で3.3ヶ月

目安の上限はどちらも1,000時間で同じです。下限どうしで引き算すると社労士のほうが300時間多く、1日2時間のペースなら5.0ヶ月の差になります。

目安の上限まで見ると差は消えるので、学習量の違いは「最低ライン」にだけ出ます。

どちらも幅のある目安です。出典は行政書士がユーキャン、社労士がTACです(注記はページ末尾の出典一覧)。

上の表は毎日休まず進めた場合の単純計算です。行政書士・社労士それぞれの開始日と1日の時間を入れて完了予定日を出すなら、勉強時間シミュレーターがあります。

この比較で扱っていないこと

  • 持っているデータ: 行政書士試験研究センターと全国社会保険労務士会連合会 試験センターが出している合格率・受験料・試験日程。勉強時間の目安は行政書士がユーキャン(通信講座公表値)、社労士がTAC(予備校公表値・独学の場合)の公表値
  • 合格率の範囲: どちらも直近3回分の平均。それより前の回は入っていません
  • 載せていないもの: 年収と求人数(行政書士・社労士とも一次データが無いため)

行政書士に合格すると社労士を受けられる。逆向きの通路はない

行政書士に合格すると、学歴がなくても社労士試験を受けられます。社会保険労務士法第8条第6号が「行政書士となる資格を有する者」を受験資格に挙げているためです(出典: e-Gov法令検索)。

同条のほかの入口は、大学・短期大学・高等専門学校の卒業等、司法試験予備試験の合格、公務員として行政事務に3年以上などです。社労士や弁護士の業務補助、労働組合や法人の役員も同じ年数で入口になります。

逆向きは通っていません。行政書士法第2条が挙げるのは行政書士試験の合格者、弁護士・弁理士・公認会計士・税理士となる資格を有する者、通算20年以上(高等学校卒業者等は17年以上)の行政事務の経験者です。

社会保険労務士はこの列挙にありません(出典: 同)。社労士に合格しても、行政書士試験は受け直しになります。

社労士の合格ラインは、試験のあとに何本も引かれます。オフィシャルサイトは「合格基準点は、選択式試験及び択一式試験のそれぞれの総得点と、それぞれの科目ごとに定めます」と説明しています。

各成績のいずれかが合格基準点に達しなければ不合格で、基準点は合格発表日に公表されます(出典: 社会保険労務士試験オフィシャルサイト「試験の概要」)。

試験科目は選択式が計8科目8問(40点)、択一式が計7科目70問(70点)です。総得点2つと科目ごとの基準が並ぶので、越えるべき線が十数本あります。

行政書士は基準が先に決まっています。令和7年度の合否判定基準は、法令等・基礎知識・全体の3要件をすべて満たすことでした(出典: 行政書士試験研究センター)。

3要件の点数は、法令等が122点以上、基礎知識が24点以上、全体が300点満点中180点以上です。

受験手数料は行政書士が10,400円、社労士が15,000円です(出典: 両機関)。

編集部の見解

学歴の要件を満たしていないなら、行政書士から入るのが唯一の近道

大学や短期大学、高等専門学校を出ていない人が社労士を目指すなら、行政書士を先に取ってください。社労士法第8条の入口のうち、自分の意思だけで最短で作れるのは第6号です。

ほかの入口は3年以上の実務経験か学歴で、今日から始めて短縮できるものではありません。行政書士試験には受験資格がないので、勉強を始めた年に受けられます。

学歴要件を満たしているなら、行政書士を経由する意味はありません。合格しても社労士試験の科目は1問も減らないからです。社労士を狙うと決めているなら、最初から社労士の教材で始めてください。

逆に社労士に合格しても行政書士は受け直しなので、順番を逆にして得することもありません。

学習の詰め方は、社労士のほうが厳しい設計です。選択式8科目と択一式7科目にそれぞれ基準点が置かれ、加えて2つの総得点にも基準があります。しかもその位置は合格発表日にならないと分かりません。

得意な科目で点を稼いで苦手を埋める、が構造的にできない試験です。特に選択式は1科目5点しかないので、1つの科目でつまずくとその年が終わります。捨て科目を作らない前提で計画してください。

行政書士は基準が事前に分かるうえ、法令等の配点のなかで組み替えられます。

どちらを本業にするかで選ぶなら、扱う相手が違います。行政書士は官公署に出す書類を作る仕事で、許認可が中心です。社労士は労働・社会保険の手続と相談が中心で、顧客は継続的に人を雇う事業所になります。

単発の依頼を数多くこなす形が行政書士、顧問として毎月関わる形が社労士です。安定した売上を作りやすいのは後者ですが、そのぶん受験の入口も学習の関門も重くなっています。

この見解が寄りかかっているデータ
  • 「行政書士から入る」の根拠は、社会保険労務士法第8条第6号が「行政書士となる資格を有する者」を受験資格に挙げていることと、行政書士試験に受験資格がないこと(上の出典一覧)
  • 「逆向きに得はない」の根拠は、行政書士法第2条の列挙に社会保険労務士が入っていないこと
  • 「捨て科目を作らない」の根拠は、社会保険労務士試験オフィシャルサイトが公表する合格基準(総得点と科目ごとに基準点を定め、いずれかに達しないと不合格)と、選択式の科目あたり配点が5点であること
  • 「基準が事前に分かる」の対比は、行政書士試験研究センターの令和7年度合否判定基準と、社労士の合格基準点が合格発表日に公表されること
  • 学習量の差は、上の難易度スコアと勉強時間の表(各資格ページの一次データから算出)

ここまでは出典にもとづく事実で、この枠の中は資格のものさし編集部の評価と推奨です(編集方針)。

この比較の算出方法

スコア60.4と72.9は、上の比較表にある合格率・勉強時間の目安・受験資格を、同じ式に入れた値です。

式の重みは合格率0.45・勉強時間0.35・受験資格0.20で、根拠は算出式のページに、ほかの資格との比較はランキングにあります。

よくある質問

行政書士と社労士はどっちが難しいですか?

社労士の方が難しい試験です。難易度スコアは社会保険労務士(社労士)が72.9、行政書士が60.4で、偏差値換算と合格率は本文の比較表にあります。

勉強時間はどのくらい違いますか?

幅の中央値どうしで割ると社労士の方が約1.2倍です。目安は行政書士が500〜1,000時間、社労士が800〜1,000時間(出典はページ末尾の一覧)。出典が違えば数字も動くので、幅のまま見てください。

行政書士の平均合格率13.8%と社労士の平均合格率6.3%は、そのまま比べられますか?

そのままは比べられません。行政書士は受験資格なし、社労士は受験資格ありで、受験までにふるいに掛かる人数が違うからです。このページは合格率単体で順位を付けず、勉強時間と受験資格も合成した難易度スコアで比べています(年度ごとの推移は各資格のページ)。

行政書士と社労士では、できる仕事がどう違いますか?

行政書士は官公署提出書類の作成等が業務独占、行政書士の名称が名称独占、社労士は労働社会保険諸法令に基づく申請書等の作成・提出代行等が業務独占、社会保険労務士の名称が名称独占です。条文の実文と確認日は本文の表にあります。

出典

  1. 行政書士 合格率(令和5年度)出典: 行政書士試験研究センター(確認日 )
  2. 行政書士 勉強時間の目安 出典: ユーキャン(通信講座公表値)(確認日 )
  3. 行政書士 試験日程 出典: 行政書士試験研究センター(確認日 )
  4. 社労士 合格率(第57回(令和7年度))出典: 全国社会保険労務士会連合会 試験センター(確認日 )
  5. 社労士 合格率(第56回(令和6年度))出典: 全国社会保険労務士会連合会 試験センター(確認日 )
  6. 社労士 合格率(第55回(令和5年度))出典: 全国社会保険労務士会連合会 試験センター(確認日 )
  7. 社労士 勉強時間の目安 出典: TAC(予備校公表値・独学の場合)(確認日 )
  8. 社会保険労務士試験の概要(試験科目と配点/合格基準/受験手数料15,000円)出典: 社会保険労務士試験オフィシャルサイト(2026-08-06確認)
  9. 社労士 試験日程 出典: 全国社会保険労務士会連合会 試験センター(確認日 )
  10. 社会保険労務士法第8条(受験資格・第6号「行政書士となる資格を有する者」)出典: e-Gov法令検索(2026-08-06確認)
  11. 行政書士法第2条(資格)出典: e-Gov法令検索(2026-08-06確認)
  12. 令和7年度行政書士試験合否判定基準(配点300点・法令等122点/基礎知識24点/全体180点)出典: 行政書士試験研究センター(2026-08-06確認)
  13. 行政書士試験の概要(受験資格なし・受験手数料10,400円)出典: 行政書士試験研究センター(2026-08-06確認)