データ比較表(社労士 vs 税理士)
| 項目 | 社労士 | 税理士 |
|---|---|---|
| 難易度スコア | 76.0 | 75.8 |
| 偏差値(難易度スコア換算) | 68.8 | 68.6 |
| 難易度順位(スコア算出76資格中) | 2位 | 3位 |
| 直近合格率の平均 | 6.3% | 19.1% |
| 勉強時間の目安 | 800〜1,000時間 | 3,000〜5,000時間 |
| 受験資格 | 受験資格あり(学歴・養成課程・前提資格など) | 受験資格あり(学歴・養成課程・前提資格など) |
| 受験料 | 15,000円 | 4,000円 |
| 試験日程 | 年1回・8月下旬(第58回・令和8年度は8月23日(日)) | 年1回・8月上旬(3日間)。会計学2科目+税法9科目から選んで受験する科目選択制 |
| 実施機関 | 全国社会保険労務士会連合会 試験センター | 国税庁 |
合格率の年度別の推移・出典URLは各資格の個別ページ( 社労士・ 税理士)に全て掲載しています。
合格率の母集団に関する注意
- 税理士: 科目合格制。合格率は国税庁公表の(5科目到達者+一部科目合格者)÷受験者。5科目すべてに合格して官報合格となるには通常複数年かかり、単年で5科目に到達したのは令和6年度で578人(受験者の約1.7%)にとどまる。一度合格した科目は生涯有効。passRatesは公式ページがShift-JISで機械取得困難な令和4年以前を除き直近2回を収録
母集団や試験段階が異なる合格率は、数字の見た目より意味の差が大きくなります。この違いを吸収するため、当サイトは合格率単体ではなく3要素合成の難易度スコアで比較しています。
どちらを受けるか(データから言えること)
1. 法律で認められる仕事がどう違うか
| 資格 | 分類 | 対象 | 根拠条文 |
|---|---|---|---|
| 社労士 | 業務独占 | 労働社会保険諸法令に基づく申請書等の作成・提出代行等 | 社会保険労務士法第27条 |
| 社労士 | 名称独占 | 社会保険労務士の名称 | 社会保険労務士法第26条第1項 |
| 税理士 | 業務独占 | 税理士業務 | 税理士法第52条 |
| 税理士 | 名称独占 | 税理士・税理士事務所の名称 | 税理士法第53条第1項 |
どちらも業務独占資格です。社労士は労働社会保険諸法令に基づく申請書等の作成・提出代行等、税理士は税理士業務が、それぞれ資格を持つ人にしかできないと法律で定められています。守っている仕事が別なので、難易度の前にこの違いで選べます。取ったあとに就きたい仕事が上の表のどちらに入るかを先に見てください。
2. そもそも受けられるか(受験の前提条件)
- 社労士: 受験資格あり。学歴(大学・短大・高専卒業、大学62単位以上修得等)/実務経験(労働社会保険関連業務に通算3年以上)/他の国家試験合格(行政書士等)のいずれか1つが必要。多くの受験者は学歴要件で満たせるため、実務経験必須のtier70ではなくtier40と判定
- 税理士: 税法科目は学識・資格・職歴のいずれかの受験資格要件が必要。会計学2科目(簿記論・財務諸表論)は令和5年度から受験資格の制限がなくなり誰でも受験できるが、5科目合格(官報合格)には税法科目が必須(出典: 国税庁)
どちらにも受験の前提条件があります。条件の中身が違うので、いま自分がどちらの条件を満たしているかで、受けられる側が先に決まることがあります。
3. 勉強時間の差は、カレンダーだと何ヶ月か
| 1日の勉強時間 | 社労士 | 税理士 |
|---|---|---|
| 1時間 | 26.3〜32.9ヶ月(800〜1000日) | 98.7〜164.5ヶ月(3000〜5000日) |
| 2時間 | 13.2〜16.4ヶ月(400〜500日) | 49.3〜82.2ヶ月(1500〜2500日) |
| 3時間 | 8.8〜11.0ヶ月(267〜334日) | 32.9〜54.8ヶ月(1000〜1667日) |
目安の下限どうし・上限どうしで引き算すると、税理士のほうが2,200〜4,000時間多く必要です。1日2時間のペースなら36.1〜65.8ヶ月の差になります。難易度スコアの差を「自分のカレンダー上で何ヶ月ぶんか」に置き換えると、こうなります。出典は社労士がTAC(予備校公表値・独学の場合)、税理士が資格の学校TAC/アガルート(5科目合計で約3,000〜5,000時間・複数年かけるのが一般的)で、いずれも幅のある目安です。
この比較で扱っていないこと
ここまでが当サイトのデータで言えることです。年収・求人数・就職のしやすさは一次データを持っていないため比較していません(出典を示せない数字は載せない方針です)。収入で選びたい場合は、上の「できる仕事の違い」で見た業務の求人を実際に検索して確かめてください。
税理士試験に合格すると社労士を受けられる。逆向きの経路はない
社会保険労務士法第8条第10号は「厚生労働大臣が前各号に掲げる者と同等以上の知識及び能力を有すると認める者」を受験資格に置いており、試験センターはこれを受験資格コード06「厚生労働大臣が認めた国家試験に合格した者」として案内しています。その一覧の(34)に税理士試験が挙がっています(出典: 社会保険労務士試験オフィシャルサイト「厚生労働大臣が認めた国家試験」/2026-08-06確認)。大学を出ていなくても、税理士試験に合格していれば社労士試験を受けられます。
逆向きはありません。国税庁が公表する税理士試験の受験資格のうち「資格による受験資格」に挙がっているのは日商簿記検定1級合格者と全経簿記検定上級合格者の2つで、社会保険労務士は入っていません。なお会計学に属する科目(簿記論・財務諸表論)は令和5年度から受験資格の制限がなくなり、誰でも受けられます(出典: 国税庁「税理士試験受験資格の概要」/2026-08-06確認)。税法に属する科目に進むには、学識・資格・職歴のいずれかが要ります。
資格になる条件は、どちらも「合格+実務2年」です。社会保険労務士法第3条は、社会保険労務士試験の合格者などであって「労働社会保険諸法令に関する厚生労働省令で定める事務に従事した期間が通算して二年以上になるもの又は厚生労働大臣がこれと同等以上の経験を有すると認めるもの」が資格を有すると定めています。税理士法第3条第1項は、税理士試験の合格者と全科目免除者について「租税に関する事務又は会計に関する事務で政令で定めるものに従事した期間が通算して二年以上あることを必要とする」と定めています(出典: e-Gov法令検索/2026-08-06確認)。どちらも試験に受かっただけでは名乗れません。
積み上げ方は正反対です。税理士法第7条第1項は「税理士試験において試験科目のうちの一部の科目について政令で定める基準以上の成績を得た者に対しては、その申請により、その後に行われる税理士試験において当該科目の試験を免除する」と定めていて、期間の制限がありません。同条第2項・第3項には、税法または会計学に関する研究で修士の学位を授与された者が該当科目のいずれか一科目で基準以上の成績を得て国税審議会の認定を受けた場合、残りの科目についても基準以上の成績を得たものとみなす仕組みがあります(出典: 同)。社労士試験に科目合格制はありません。合格基準点が選択式・択一式それぞれの総得点と科目ごとに定められ、いずれかに達しないとその年は不合格です(出典: 社会保険労務士試験オフィシャルサイト「試験の概要」)。
編集部の見解
働きながら少しずつなら税理士、1年で決着をつけるなら社労士
学習に使える時間が細切れなら税理士を選んでください。科目合格に期限がないので、今年は簿記論だけ、来年は財務諸表論、という進め方ができます。仕事が忙しい年に受験を見送っても、それまでに積んだ科目は残ります。社労士は科目合格制がなく、選択式・択一式の総得点と科目ごとの基準を同じ年に全部越える必要があります。途中で手が止まった年は、その年の学習がほぼ丸ごと積み上がりません。
逆に、1年集中して片づけたいなら社労士です。税理士は5科目そろえるまで何年もかかる設計で、しかも合格したあとに租税または会計の事務に2年従事することが要ります。社労士にも実務2年の条件がありますが、人事・労務の仕事をしている人なら、受験勉強と並行してその2年が進みます。いま自分がしている仕事が、どちらの2年に当たるかを先に確かめてください。合格までの期間より、そちらのほうが「いつ名乗れるか」を大きく左右します。
両方を狙うなら税理士が先です。税理士試験に合格すれば、それ自体が社労士試験の受験資格になります。学歴の要件を満たしていない人にとっては、これが社労士への入口です。逆に社労士に合格しても税理士試験の受験資格にはならず、国税庁が挙げる「資格による受験資格」は日商簿記1級と全経上級の2つだけです。順番を逆にすると、社労士のあとで税理士の受験資格をあらためて作ることになります。
大学院に行く選択肢があるなら、それは税理士だけに効きます。税法または会計学の研究で修士の学位を取り、該当分野の1科目で基準以上の成績を得て国税審議会の認定を受ければ、残りの科目も基準を満たしたものとみなされます。社労士にこの種の学位免除はありません。学び直しを考えているなら、進学先の研究分野が税法・会計学に当たるかどうかを、出願の前に確認してください。
この見解が寄りかかっているデータ
- 「税理士が先」の根拠は、社労士法第8条第10号に対応する「厚生労働大臣が認めた国家試験」の一覧(34)に税理士試験が入っていることと、国税庁が挙げる資格による受験資格に社会保険労務士がないこと(上の出典一覧)
- 「細切れなら税理士」の根拠は、税理士法第7条第1項の科目免除に期間の定めがないことと、社労士試験の合格基準が総得点と科目ごとの基準を同時に求めること
- 「いつ名乗れるか」の根拠は、社労士法第3条と税理士法第3条第1項がどちらも実務2年を求めていることと、その対象事務の違い
- 「大学院は税理士だけ」の根拠は、税理士法第7条第2項・第3項
- 学習量の差は、上の難易度スコアと勉強時間の表(各資格ページの一次データから算出)
この比較の算出方法
両資格とも同一の式(合格率0.45・勉強時間0.35・受験資格0.20の加重)に一次データを入れて機械的に比較しています。重みの根拠と偏差値換算の定義は算出式の公開ページ、ほかの資格との比較は資格難易度ランキングにあります。
よくある質問
社労士と税理士はどっちが難しいですか?
当サイトの難易度スコア(合格率・勉強時間・受験資格から算出し、式を公開)で比較すると、社会保険労務士(社労士)が76.0、税理士が75.8で、社労士の方が高難度です。偏差値換算では社労士68.8・税理士68.6です。
勉強時間はどのくらい違いますか?
社会保険労務士(社労士)は800〜1,000時間(出典: TAC(予備校公表値・独学の場合))、税理士は3,000〜5,000時間(出典: 資格の学校TAC/アガルート(5科目合計で約3,000〜5,000時間・複数年かけるのが一般的))が目安です。学習経験や環境で個人差があるため、幅で見てください。
合格率だけで比べてもいいですか?
合格率は受験資格や母集団の違いで意味が変わるため、単純比較には向きません。当サイトは合格率0.45・勉強時間0.35・受験資格0.20の重みで合成した難易度スコアで比較し、母集団に注意が必要な試験は本文に注記を出しています。
社労士と税理士では、できる仕事がどう違いますか?
どちらも業務独占資格です。社労士は労働社会保険諸法令に基づく申請書等の作成・提出代行等、税理士は税理士業務が、それぞれ資格を持つ人にしかできないと法律で定められています。守っている仕事が別なので、難易度の前にこの違いで選べます。取ったあとに就きたい仕事が上の表のどちらに入るかを先に見てください。
出典
- 社労士 合格率(第57回(令和7年度))出典: 全国社会保険労務士会連合会 試験センター(確認日 )
- 社労士 合格率(第56回(令和6年度))出典: 全国社会保険労務士会連合会 試験センター(確認日 )
- 社労士 合格率(第55回(令和5年度))出典: 全国社会保険労務士会連合会 試験センター(確認日 )
- 社労士 勉強時間の目安 出典: TAC(予備校公表値・独学の場合)(確認日 )
- 社会保険労務士試験の概要(試験科目と配点/合格基準)出典: 社会保険労務士試験オフィシャルサイト(2026-08-06確認)
- 社労士 試験日程 出典: 全国社会保険労務士会連合会 試験センター(確認日 )
- 税理士 合格率(令和5年度・第73回(受験32,893/合格7,125〈5科目到達600+一部科目合格6,525〉))出典: 国税庁(確認日 )
- 税理士 勉強時間の目安 出典: 資格の学校TAC/アガルート(5科目合計で約3,000〜5,000時間・複数年かけるのが一般的)(確認日 )
- 税理士 受験料 出典: 国税庁(確認日 )
- 税理士 試験日程 出典: 国税庁(確認日 )
- 厚生労働大臣が認めた国家試験(受験資格コード06関係・(34)税理士試験)出典: 社会保険労務士試験オフィシャルサイト(2026-08-06確認)
- 税理士試験受験資格の概要(会計学の科目は制限なし/資格による受験資格は日商簿記1級・全経上級)出典: 国税庁(2026-08-06確認)
- 社会保険労務士法第3条(資格・実務2年)・第8条(受験資格)出典: e-Gov法令検索(2026-08-06確認)
- 税理士法第3条第1項(資格・実務2年)・第6条(試験科目)・第7条(試験科目の一部の免除等・修士の学位)出典: e-Gov法令検索(2026-08-06確認)