データ比較表(社労士 vs 税理士)
| 項目 | 社労士 | 税理士 |
|---|---|---|
| 難易度スコア | 72.9 | 74.6 |
| 偏差値(難易度スコア換算) | 67.4 | 68.6 |
| 難易度順位(スコア算出77資格中) | 4位 | 3位 |
| 直近合格率の平均 | 6.3% | 19.1% |
| 勉強時間の目安 | 800〜1,000時間 | 3,000〜5,000時間 |
| 受験資格 | 受験資格あり(学歴・養成課程・前提資格など) | 受験資格あり(学歴・養成課程・前提資格など) |
| 受験料 | 15,000円 | 4,000円 |
| 試験日程 | 年1回・8月下旬(第58回・令和8年度は8月23日(日)) | 年1回・8月上旬(3日間)。会計学2科目+税法9科目から選んで受験する科目選択制 |
| 実施機関 | 全国社会保険労務士会連合会 試験センター | 国税庁 |
年度別の推移と出典URLは、 社労士の難易度と 税理士の難易度の各ページにあります。
平均に使った回
- 社労士: 第57回(令和7年度)/第56回(令和6年度)/第55回(令和5年度)
- 税理士: 令和6年度・第74回/令和5年度・第73回
合格率の母集団に関する注意
- 税理士: 科目合格制。合格率は国税庁公表の(5科目到達者+一部科目合格者)÷受験者。5科目すべてに合格して官報合格となるには通常複数年かかり、単年で5科目に到達したのは令和6年度で578人(受験者の約1.7%)にとどまる。一度合格した科目は生涯有効。passRatesは公式ページがShift-JISで機械取得困難な令和4年以前を除き直近2回を収録
税理士の平均合格率19.1%はこの注記がついた数字で、社労士の平均合格率6.3%とは数え方の前提が違います。合格率単体で順位を付けず、勉強時間と受験資格も合成した難易度スコアで比べているのはこのためです。
どちらを受けるか(データから言えること)
1. 法律で認められる仕事がどう違うか
| 資格 | 分類 | 対象 | 根拠条文 |
|---|---|---|---|
| 社労士 | 業務独占 | 労働社会保険諸法令に基づく申請書等の作成・提出代行等 | 社会保険労務士法第27条 |
| 社労士 | 名称独占 | 社会保険労務士の名称 | 社会保険労務士法第26条第1項 |
| 税理士 | 業務独占 | 税理士業務 | 税理士法第52条 |
| 税理士 | 名称独占 | 税理士・税理士事務所の名称 | 税理士法第53条第1項 |
どちらも業務独占資格です。社労士は労働社会保険諸法令に基づく申請書等の作成・提出代行等、税理士は税理士業務が、それぞれ資格を持つ人にしかできないと法律で定められています。
根拠になる法律が社会保険労務士法と税理士法で分かれています。就きたい仕事が上の表のどちらに入るかを先に見てください。
2. そもそも受けられるか(受験の前提条件)
- 社労士: 受験資格あり。学歴(大学・短大・高専卒業、大学62単位以上修得等)/実務経験(労働社会保険関連業務に通算3年以上)/他の国家試験合格(行政書士等)のいずれか1つが必要。多くの受験者は学歴要件で満たせるため、実務経験必須のtier70ではなくtier40と判定
- 税理士: 税法科目は学識・資格・職歴のいずれかの受験資格要件が必要。会計学2科目(簿記論・財務諸表論)は令和5年度から受験資格の制限がなくなり誰でも受験できるが、5科目合格(官報合格)には税法科目が必須(出典: 国税庁)
社労士にも税理士にも受験の前提条件があります。受験料は社労士が15,000円、税理士が4,000円ですが、その前に上の実文を両方読んで、いま自分が満たしているのはどちらかを確かめてください。満たしている側が、先に受けられる側です。
3. 勉強時間の差は、カレンダーだと何ヶ月か
| 1日の勉強時間 | 社労士 | 税理士 | 差(税理士が長い) |
|---|---|---|---|
| 1時間 | 26.3〜32.9ヶ月(800〜1000日) | 98.7〜164.5ヶ月(3000〜5000日) | 72.4〜131.6ヶ月 |
| 2時間 | 13.2〜16.4ヶ月(400〜500日) | 49.3〜82.2ヶ月(1500〜2500日) | 36.1〜65.8ヶ月 |
| 3時間 | 8.8〜11.0ヶ月(267〜334日) | 32.9〜54.8ヶ月(1000〜1667日) | 24.1〜43.8ヶ月 |
目安の下限どうし・上限どうしで引き算すると、税理士のほうが2,200〜4,000時間多く必要です。1日2時間のペースなら36.1〜65.8ヶ月の差になります。
この比較で扱っていないこと
- 持っているデータ: 全国社会保険労務士会連合会 試験センターと国税庁が出している合格率・受験料・試験日程。勉強時間の目安は社労士がTAC(予備校公表値・独学の場合)、税理士が資格の学校TAC/アガルート(5科目合計で約3,000〜5,000時間・複数年かけるのが一般的)の公表値
- 合格率の範囲: 社労士は直近3回分の平均、税理士は直近2回分の平均。それより前の回は入っていません
- 載せていないもの: 年収と求人数(社労士・税理士とも一次データが無いため)
税理士試験に合格すると社労士を受けられる。逆向きの経路はない
税理士試験に合格すると、大学を出ていなくても社労士試験を受けられます。社労士法第8条第10号の「厚生労働大臣が認める者」として、試験センターの一覧の(34)に税理士試験が挙がっています。
試験センターはこれを受験資格コード06「厚生労働大臣が認めた国家試験に合格した者」として案内しています(出典: 社会保険労務士試験オフィシャルサイト「厚生労働大臣が認めた国家試験」)。
逆向きはありません。国税庁が挙げる「資格による受験資格」は日商簿記検定1級合格者と全経簿記検定上級合格者の2つで、社会保険労務士は入っていません(出典: 国税庁「税理士試験受験資格の概要」)。
会計学に属する科目(簿記論・財務諸表論)は令和5年度から受験資格の制限がなくなり、誰でも受けられます。税法に属する科目に進むには、学識・資格・職歴のいずれかが要ります。
資格になる条件は、どちらも「合格+実務2年」です。社会保険労務士法第3条は、労働社会保険諸法令に関する事務に通算して二年以上従事することを求めています。
税理士法第3条第1項は、税理士試験の合格者と全科目免除者について、租税または会計に関する事務に従事した期間が通算して二年以上あることを必要としています(出典: e-Gov法令検索)。どちらも試験に受かっただけでは名乗れません。
積み上げ方は正反対です。税理士法第7条第1項は、一部の科目で基準以上の成績を得た者にその後の試験で当該科目を免除すると定めていて、期間の制限がありません。
同条第2項・第3項には、税法または会計学の研究で修士の学位を得た者が該当科目の一科目で基準以上の成績を得て国税審議会の認定を受けた場合、残りの科目も基準を満たしたとみなす仕組みがあります(出典: 同)。
社労士試験に科目合格制はありません。合格基準点が選択式・択一式それぞれの総得点と科目ごとに定められ、いずれかに達しないとその年は不合格です(出典: 社会保険労務士試験オフィシャルサイト「試験の概要」)。
編集部の見解
働きながら少しずつなら税理士、1年で決着をつけるなら社労士
学習に使える時間が細切れなら税理士を選んでください。科目合格に期限がないので、今年は簿記論だけ、来年は財務諸表論、という進め方ができます。仕事が忙しい年に見送っても、積んだ科目は残ります。
社労士は科目合格制がなく、選択式・択一式の総得点と科目ごとの基準を同じ年に全部越える必要があります。途中で手が止まった年は、その年の学習がほぼ丸ごと積み上がりません。
逆に、1年集中して片づけたいなら社労士です。税理士は5科目そろえるまで何年もかかる設計で、合格したあとに租税または会計の事務に2年従事することも要ります。
社労士にも実務2年の条件がありますが、人事・労務の仕事をしている人なら、受験勉強と並行してその2年が進みます。いまの仕事がどちらの2年に当たるかを先に確かめてください。
合格までの期間より、そちらのほうが「いつ名乗れるか」を大きく左右します。
両方を狙うなら税理士が先です。税理士試験に合格すれば、それ自体が社労士試験の受験資格になります。学歴の要件を満たしていない人にとっては、これが社労士への入口です。
逆に社労士に合格しても税理士試験の受験資格にはならず、国税庁が挙げる「資格による受験資格」は日商簿記1級と全経上級の2つだけです。順番を逆にすると、受験資格をあらためて作ることになります。
大学院に行く選択肢があるなら、それは税理士だけに効きます。税法または会計学の研究で修士の学位を取り、該当分野の1科目で基準以上の成績を得て国税審議会の認定を受ければ、残りの科目も基準を満たしたものとみなされます。
社労士にこの種の学位免除はありません。学び直しを考えているなら、進学先の研究分野が税法・会計学に当たるかどうかを、出願の前に確認してください。
この見解が寄りかかっているデータ
- 「税理士が先」の根拠は、社労士法第8条第10号に対応する「厚生労働大臣が認めた国家試験」の一覧(34)に税理士試験が入っていることと、国税庁が挙げる資格による受験資格に社会保険労務士がないこと(上の出典一覧)
- 「細切れなら税理士」の根拠は、税理士法第7条第1項の科目免除に期間の定めがないことと、社労士試験の合格基準が総得点と科目ごとの基準を同時に求めること
- 「いつ名乗れるか」の根拠は、社労士法第3条と税理士法第3条第1項がどちらも実務2年を求めていることと、その対象事務の違い
- 「大学院は税理士だけ」の根拠は、税理士法第7条第2項・第3項
- 学習量の差は、上の難易度スコアと勉強時間の表(各資格ページの一次データから算出)
この比較の算出方法
スコア72.9と74.6は、上の比較表にある合格率・勉強時間の目安・受験資格を、同じ式に入れた値です。
よくある質問
社労士と税理士はどっちが難しいですか?
税理士の方が難しい試験です。難易度スコアは税理士が74.6、社会保険労務士(社労士)が72.9で、偏差値換算と合格率は本文の比較表にあります。
勉強時間はどのくらい違いますか?
幅の中央値どうしで割ると税理士の方が約4.4倍です。目安は社労士が800〜1,000時間、税理士が3,000〜5,000時間(出典はページ末尾の一覧)。出典が違えば数字も動くので、幅のまま見てください。
社労士の平均合格率6.3%と税理士の平均合格率19.1%は、そのまま比べられますか?
そのままは比べられません。受験資格は同じ(受験資格あり)ですが、実施機関が全国社会保険労務士会連合会 試験センターと国税庁で違い、受験する人の層も試験形式も別だからです。税理士の数字には、本文の「合格率の母集団に関する注意」がついています。このページは合格率単体で順位を付けず、勉強時間と受験資格も合成した難易度スコアで比べています(年度ごとの推移は各資格のページ)。
社労士と税理士では、できる仕事がどう違いますか?
社労士は労働社会保険諸法令に基づく申請書等の作成・提出代行等が業務独占、社会保険労務士の名称が名称独占、税理士は税理士業務が業務独占、税理士・税理士事務所の名称が名称独占です。条文の実文と確認日は本文の表にあります。
出典
- 社労士 合格率(第57回(令和7年度))出典: 全国社会保険労務士会連合会 試験センター(確認日 )
- 社労士 合格率(第56回(令和6年度))出典: 全国社会保険労務士会連合会 試験センター(確認日 )
- 社労士 合格率(第55回(令和5年度))出典: 全国社会保険労務士会連合会 試験センター(確認日 )
- 社労士 勉強時間の目安 出典: TAC(予備校公表値・独学の場合)(確認日 )
- 社会保険労務士試験の概要(試験科目と配点/合格基準)出典: 社会保険労務士試験オフィシャルサイト(2026-08-06確認)
- 社労士 試験日程 出典: 全国社会保険労務士会連合会 試験センター(確認日 )
- 税理士 合格率(令和5年度・第73回(受験32,893/合格7,125〈5科目到達600+一部科目合格6,525〉))出典: 国税庁(確認日 )
- 税理士 勉強時間の目安 出典: 資格の学校TAC/アガルート(5科目合計で約3,000〜5,000時間・複数年かけるのが一般的)(確認日 )
- 税理士 受験料 出典: 国税庁(確認日 )
- 税理士 試験日程 出典: 国税庁(確認日 )
- 厚生労働大臣が認めた国家試験(受験資格コード06関係・(34)税理士試験)出典: 社会保険労務士試験オフィシャルサイト(2026-08-06確認)
- 税理士試験受験資格の概要(会計学の科目は制限なし/資格による受験資格は日商簿記1級・全経上級)出典: 国税庁(2026-08-06確認)
- 社会保険労務士法第3条(資格・実務2年)・第8条(受験資格)出典: e-Gov法令検索(2026-08-06確認)
- 税理士法第3条第1項(資格・実務2年)・第6条(試験科目)・第7条(試験科目の一部の免除等・修士の学位)出典: e-Gov法令検索(2026-08-06確認)