データ比較表(土地家屋調査士 vs 司法書士)
| 項目 | 土地家屋調査士 | 司法書士 |
|---|---|---|
| 難易度スコア | 64.2 | 71.3 |
| 偏差値(難易度スコア換算) | 60.9 | 66.2 |
| 難易度順位(スコア算出77資格中) | 12位 | 7位 |
| 直近合格率の平均 | 10.3% | 5.2% |
| 勉強時間の目安 | 1,000〜1,200時間 | 2,500〜3,200時間 |
| 受験資格 | 受験資格なし(誰でも受験可) | 受験資格なし(誰でも受験可) |
| 受験料 | 8,300円 | 8,000円 |
| 試験日程 | 年1回・2段階。筆記試験は例年10月中旬の日曜(令和8年度は令和8年10月18日。午前の部9:30〜11:30・午後の部13:00〜15:30)、口述試験は翌年1月(令和8年度は令和9年1月21日)。受験申請受付は令和8年7月27日〜8月7日。筆記結果発表は令和9年1月6日、最終合格者発表は令和9年2月15日 | 年1回。筆記試験は7月(令和7年度は7月6日)、口述試験は10月(同10月14日) |
| 実施機関 | 法務省 | 法務省 |
年度別の推移と出典URLは、 土地家屋調査士の難易度と 司法書士の難易度の各ページにあります。
平均に使った回
- 土地家屋調査士: 令和7年度/令和6年度/令和5年度
- 司法書士: 令和7年度/令和6年度/令和5年度
合格率の母集団に関する注意
- 土地家屋調査士: 合格率は法務省公表の受験者数・合格者数から当サイトが算出した値(最終合格者÷筆記受験者。法務省は合格率そのものを公表していない)。筆記(午前・午後)→口述の多段階試験で、各部に基準点(足切り)がある
- 司法書士: 合格率は最終合格者数÷筆記試験受験者数。筆記合格者はほぼ全員が口述試験に合格するため、最終合格率は筆記合格率とほぼ一致する。合格は成績上位者からの相対評価で、合格率は例年5%前後に収れんする(令和7年度5.2%・令和6年度5.3%・令和5年度5.2%)
土地家屋調査士の平均合格率10.3%と司法書士の平均合格率5.2%は、どちらもこの注記がついた数字です。母集団の作り方が違うまま並べても同じ意味にならないので、このページは合格率単体ではなく、勉強時間と受験資格も合成した難易度スコアで比べています。
どちらを受けるか(データから言えること)
1. 法律で認められる仕事がどう違うか
| 資格 | 分類 | 対象 | 根拠条文 |
|---|---|---|---|
| 土地家屋調査士 | 業務独占 | 不動産の表示に関する登記の調査・測量・申請代理等 | 土地家屋調査士法第68条第1項 |
| 土地家屋調査士 | 名称独占 | 土地家屋調査士の名称 | 土地家屋調査士法第68条第3項 |
| 司法書士 | 業務独占 | 登記・供託手続の代理等 | 司法書士法第73条第1項 |
| 司法書士 | 名称独占 | 司法書士の名称 | 司法書士法第73条第3項 |
どちらも業務独占資格です。土地家屋調査士は不動産の表示に関する登記の調査・測量・申請代理等、司法書士は登記・供託手続の代理等が、それぞれ資格を持つ人にしかできないと法律で定められています。
根拠になる法律が土地家屋調査士法と司法書士法で分かれています。就きたい仕事が上の表のどちらに入るかを先に見てください。
2. そもそも受けられるか(受験の前提条件)
- 土地家屋調査士: 受験資格なし(誰でも受験可)。測量士・測量士補・一級/二級建築士は申請により午前の部の試験が免除される
- 司法書士: 受験資格なし。年齢・学歴・国籍を問わず誰でも受験でき、受験回数の制限もない(出典: 法務省・司法書士試験)
土地家屋調査士(受験料8,300円)も司法書士(8,000円)も、上の実文のとおり受験の前提条件が置かれていません。どちらから始めるかを分けるのは、法務省が公表する日程と、払う受験料のほうです。
3. 勉強時間の差は、カレンダーだと何ヶ月か
| 1日の勉強時間 | 土地家屋調査士 | 司法書士 | 差(司法書士が長い) |
|---|---|---|---|
| 1時間 | 32.9〜39.5ヶ月(1000〜1200日) | 82.2〜105.3ヶ月(2500〜3200日) | 49.3〜65.8ヶ月 |
| 2時間 | 16.4〜19.7ヶ月(500〜600日) | 41.1〜52.6ヶ月(1250〜1600日) | 24.7〜32.9ヶ月 |
| 3時間 | 11.0〜13.2ヶ月(334〜400日) | 27.4〜35.1ヶ月(834〜1067日) | 16.4〜21.9ヶ月 |
目安の下限どうし・上限どうしで引き算すると、司法書士のほうが1,500〜2,000時間多く必要です。1日2時間のペースなら24.7〜32.9ヶ月の差になります。
この比較で扱っていないこと
- 持っているデータ: 法務省が出している合格率・受験料・試験日程。勉強時間の目安は土地家屋調査士がアガルートアカデミー(午後の部約1,000時間+午前免除資格なしの場合は午前の部+200時間で計1,200時間。令和7年度合格者アンケート150名では800〜2,000時間超に分布し最多帯は800〜1,000時間)、司法書士がアガルートアカデミー(通信講座利用で2,500時間前後・独学は3,200時間以上)の公表値
- 合格率の範囲: どちらも直近3回分の平均。それより前の回は入っていません
- 載せていないもの: 年収と求人数(土地家屋調査士・司法書士とも一次データが無いため)
筆界特定では両方が動けるが、調査士に金額の枠がなく、司法書士には枠がある
同じ不動産登記でも担当が分かれています。土地家屋調査士法第3条第1項第1号は業務の筆頭に「不動産の表示に関する登記について必要な土地又は家屋に関する調査又は測量」を、第2号にその登記の申請手続の代理を挙げています。
司法書士法第3条第1項第1号は「登記又は供託に関する手続について代理すること」で、こちらは権利に関する登記が中心です(出典: e-Gov法令検索)。
土地を分けたり建物を新築したりすると表示の登記が先に必要になり、そのあと所有権や抵当権の登記が続きます。同じ案件のなかで、順番に出番が来る関係です。
重なる領域が1つあります。筆界特定です。調査士は金額の枠なく代理でき、司法書士には枠があります。
土地家屋調査士法第3条第1項第4号は「筆界特定の手続についての代理」を、第5号はその手続で法務局等に提出する書類の作成を挙げていて、金額による制限がありません。
司法書士法第3条第1項第8号も筆界特定の手続の相談と代理を挙げていますが、対象土地の価額から算定される額が「裁判所法第三十三条第一項第一号に定める額」を超えないものに限られます。この額は同号の「訴訟の目的の価額が百四十万円を超えない請求」に対応します。
しかも同法第3条第2項により、これを行えるのは法務大臣が指定する研修を修了し、法務大臣の認定を受け、司法書士会の会員である司法書士に限られます(出典: 同)。
試験の免除も違います。土地家屋調査士法第6条第5項第1号は、測量士・測量士補・一級建築士・二級建築士となる資格を有する者について、申請により午前の部にあたる筆記試験を免除します。
同項第2号は、筆記試験に合格した者について次回の筆記試験と、その後に行われる試験における午前の部の筆記試験を免除します。司法書士法第6条第3項の免除は、次回の筆記試験1回だけです(出典: 同)。
基準点の置き方も別です。どちらも筆記試験の合格点のほかに択一式・記述式それぞれの基準点があり、1つでも下回ればそれだけで不合格です(出典: 法務省)。
令和7年度の土地家屋調査士試験は、合格点が午前の部100点中70.0点以上かつ午後の部100点中76.0点以上でした。
基準点は、午前の部が多肢択一式60点中30.0点・記述式40点中32.0点です。
午後の部は多肢択一式50点中37.5点・記述式50点中32.5点です。
令和7年度司法書士試験は、筆記の合格点が満点350点中255.0点以上でした。
基準点は午前の多肢択一式105点中78点・午後の多肢択一式105点中72点・記述式140点中70.0点で、達しなければそれだけで不合格です。
どちらも記述式に重い基準が置かれています。
編集部の見解
測量士補を持っているなら調査士、法律の勉強を積んできたなら司法書士
手持ちの資格で決めてしまってかまいません。測量士補・測量士・一級建築士・二級建築士のいずれかを持っているなら、土地家屋調査士は午前の部が丸ごと消えます。
これは学習量にして相当な差で、上の勉強時間の表の見え方が変わります。司法書士にこの種の経歴免除はないので、同じ経歴を持っていても負担は1問も減りません。持っていないなら、この差は関係ないので次の段落へ進んでください。
仕事の場所で選ぶなら、外に出るかどうかです。調査士は現地に出て測り、図面を作り、境界の話に立ち会います。司法書士は書類と登記簿を相手にする時間が長く、案件の中心は権利の移転です。
同じ不動産でも、扱っているのが「形」か「権利」かで分かれます。境界をめぐる話に興味があるなら調査士、相続や売買の権利関係を整理する仕事に惹かれるなら司法書士です。
境界の争いに関わりたい人へ、はっきりした差があります。筆界特定の代理は、調査士なら金額の枠なくできます。司法書士は認定を受けたうえで、算定額が140万円を超えないものに限られます。この分野を本業にするなら、迷わず調査士です。
逆に、簡易裁判所で140万円までの民事事件そのものを代理したいなら、それができるのは認定を受けた司法書士のほうです。境界だけを扱うか、争いごと全般に入るかで選び分けてください。
両方取るのは、順番を守れば意味があります。表示の登記と権利の登記は同じ案件で続けて発生するので、片方で受けた相談をもう片方に渡さずに済みます。
ただし制度上のつながりはなく、どちらから始めても相手の試験は軽くなりません。先に取るのは、上の勉強時間の表で自分にとって短いほうにしてください。免除の効く資格を持っているなら、それはたいてい調査士です。
この見解が寄りかかっているデータ
- 「測量士補を持っているなら調査士」の根拠は、土地家屋調査士法第6条第5項第1号の免除対象の列挙と、司法書士法に経歴による科目免除がないこと(上の出典一覧)
- 筆界特定の枠の差は、土地家屋調査士法第3条第1項第4号(金額の制限なし)と司法書士法第3条第1項第8号・第2項、および裁判所法第33条第1項第1号
- 「争いごと全般」の根拠は、司法書士法第3条第1項第6号〜第7号の簡裁訴訟代理等関係業務
- 仕事の場所の違いは、土地家屋調査士法第3条第1項第1号と司法書士法第3条第1項第1号の業務の定め、および上の「法律で認められる仕事がどう違うか」の表
- 学習量の差は、上の難易度スコアと勉強時間の表(各資格ページの一次データから算出)
この比較の算出方法
スコア64.2と71.3は、上の比較表にある合格率・勉強時間の目安・受験資格を、同じ式に入れた値です。
よくある質問
土地家屋調査士と司法書士はどっちが難しいですか?
司法書士の方が難しい試験です。難易度スコアは司法書士が71.3、土地家屋調査士が64.2で、偏差値換算と合格率は本文の比較表にあります。
勉強時間はどのくらい違いますか?
幅の中央値どうしで割ると司法書士の方が約2.6倍です。目安は土地家屋調査士が1,000〜1,200時間、司法書士が2,500〜3,200時間(出典はページ末尾の一覧)。出典が違えば数字も動くので、幅のまま見てください。
土地家屋調査士の平均合格率10.3%と司法書士の平均合格率5.2%は、そのまま比べられますか?
そのままは比べられません。受験資格は同じ(受験資格なし)ですが、同じ法務省の試験でも受験する人の層も試験形式も別だからです。土地家屋調査士と司法書士の数字には、本文の「合格率の母集団に関する注意」がついています。このページは合格率単体で順位を付けず、勉強時間と受験資格も合成した難易度スコアで比べています(年度ごとの推移は各資格のページ)。
土地家屋調査士と司法書士では、できる仕事がどう違いますか?
土地家屋調査士は不動産の表示に関する登記の調査・測量・申請代理等が業務独占、土地家屋調査士の名称が名称独占、司法書士は登記・供託手続の代理等が業務独占、司法書士の名称が名称独占です。条文の実文と確認日は本文の表にあります。
出典
- 土地家屋調査士 合格率(令和7年度(受験4,824/合格489))出典: 法務省(確認日 )
- 土地家屋調査士 合格率(令和6年度(受験4,589/合格505))出典: 法務省(確認日 )
- 土地家屋調査士 合格率(令和5年度(受験4,429/合格428))出典: 法務省(確認日 )
- 土地家屋調査士 勉強時間の目安 出典: アガルートアカデミー(午後の部約1,000時間+午前免除資格なしの場合は午前の部+200時間で計1,200時間。令和7年度合格者アンケート150名では800〜2,000時間超に分布し最多帯は800〜1,000時間)(確認日 )
- 土地家屋調査士 受験料 出典: 法務省(確認日 )
- 土地家屋調査士 試験日程 出典: 法務省(確認日 )
- 令和7年度司法書士試験の最終結果について(筆記試験合格点と各基準点)出典: 法務省(2026-08-06確認)
- 司法書士 合格率(令和6年度(筆記受験13,960/最終合格737))出典: 法務省(確認日 )
- 司法書士 合格率(令和5年度(筆記受験13,372/最終合格695))出典: 法務省(確認日 )
- 司法書士 勉強時間の目安 出典: アガルートアカデミー(通信講座利用で2,500時間前後・独学は3,200時間以上)(確認日 )
- 司法書士 受験料 出典: 法務省(確認日 )
- 土地家屋調査士法第3条第1項(業務・筆界特定の代理)・第6条第5項(試験の免除)出典: e-Gov法令検索(2026-08-06確認)
- 司法書士法第3条第1項第1号・第8号/第2項(認定の要件)・第6条第3項(次回免除)出典: e-Gov法令検索(2026-08-06確認)
- 裁判所法第33条第1項第1号(訴訟の目的の価額が140万円を超えない請求)出典: e-Gov法令検索(2026-08-06確認)
- 令和7年度土地家屋調査士試験の最終結果について(筆記試験合格点と各基準点)出典: 法務省(2026-08-06確認)