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資格のものさし

土地家屋調査士と行政書士はどっちが難しい?

土地家屋調査士と行政書士の間では、難易度スコアの差は3.8、平均合格率の差は3.5ポイント、勉強時間の目安は中央値で350時間ひらいています。実施機関は法務省と行政書士試験研究センターで別々です。片方だけの合格率の推移・受験資格・試験日程を見るなら、 土地家屋調査士の難易度と 行政書士の難易度に、 それぞれ単独のデータページがあります。

データ比較表(土地家屋調査士 vs 行政書士)

項目 土地家屋調査士 行政書士
難易度スコア 64.2 60.4
偏差値(難易度スコア換算) 60.9 58.0
難易度順位(スコア算出77資格中) 12位 15位
直近合格率の平均 10.3% 13.8%
勉強時間の目安 1,000〜1,200時間 500〜1,000時間
受験資格 受験資格なし(誰でも受験可) 受験資格なし(誰でも受験可)
受験料 8,300円 10,400円
試験日程 年1回・2段階。筆記試験は例年10月中旬の日曜(令和8年度は令和8年10月18日。午前の部9:30〜11:30・午後の部13:00〜15:30)、口述試験は翌年1月(令和8年度は令和9年1月21日)。受験申請受付は令和8年7月27日〜8月7日。筆記結果発表は令和9年1月6日、最終合格者発表は令和9年2月15日 年1回・11月(令和8年度は11月8日(日))
実施機関 法務省 行政書士試験研究センター

年度別の推移と出典URLは、 土地家屋調査士の難易度と 行政書士の難易度の各ページにあります。

平均に使った回
  • 土地家屋調査士: 令和7年度/令和6年度/令和5年度
  • 行政書士: 令和7年度/令和6年度/令和5年度

合格率の母集団に関する注意

  • 土地家屋調査士: 合格率は法務省公表の受験者数・合格者数から当サイトが算出した値(最終合格者÷筆記受験者。法務省は合格率そのものを公表していない)。筆記(午前・午後)→口述の多段階試験で、各部に基準点(足切り)がある

土地家屋調査士の平均合格率10.3%はこの注記がついた数字で、行政書士の平均合格率13.8%とは数え方の前提が違います。合格率単体で順位を付けず、勉強時間と受験資格も合成した難易度スコアで比べているのはこのためです。

どちらを受けるか(データから言えること)

1. 法律で認められる仕事がどう違うか

資格 分類 対象 根拠条文
土地家屋調査士 業務独占 不動産の表示に関する登記の調査・測量・申請代理等 土地家屋調査士法第68条第1項
土地家屋調査士 名称独占 土地家屋調査士の名称 土地家屋調査士法第68条第3項
行政書士 業務独占 官公署提出書類の作成等 行政書士法第19条第1項
行政書士 名称独占 行政書士の名称 行政書士法第19条の2第1項

どちらも業務独占資格です。土地家屋調査士は不動産の表示に関する登記の調査・測量・申請代理等、行政書士は官公署提出書類の作成等が、それぞれ資格を持つ人にしかできないと法律で定められています。

根拠になる法律が土地家屋調査士法と行政書士法で分かれています。就きたい仕事が上の表のどちらに入るかを先に見てください。

根拠条文は上の表の4本で、引用した文がe-Gov法令検索の条文本文に実在することを機械照合しています(確認日 2026-07-26)。同じ基準の一覧は業務独占資格の一覧にあります。

2. そもそも受けられるか(受験の前提条件)

  • 土地家屋調査士: 受験資格なし(誰でも受験可)。測量士・測量士補・一級/二級建築士は申請により午前の部の試験が免除される
  • 行政書士: 受験資格なし。年齢・学歴・国籍等に関係なく誰でも受験可

土地家屋調査士(受験料8,300円)も行政書士(10,400円)も、上の実文のとおり受験の前提条件が置かれていません。どちらから始めるかを分けるのは、法務省と行政書士試験研究センターが公表する日程と、払う受験料のほうです。

土地家屋調査士の分野は不動産、行政書士は法務で、並ぶ相手が変わります。どちらの分野から選び直すかを決めるなら、分野別のデータ表の 不動産 と法務 の表を見てください。

3. 勉強時間の差は、カレンダーだと何ヶ月か

1日の勉強時間 土地家屋調査士 行政書士 差(土地家屋調査士が長い)
1時間 32.9〜39.5ヶ月(1000〜1200日) 16.4〜32.9ヶ月(500〜1000日) 6.6〜16.5ヶ月
2時間 16.4〜19.7ヶ月(500〜600日) 8.2〜16.4ヶ月(250〜500日) 3.3〜8.2ヶ月
3時間 11.0〜13.2ヶ月(334〜400日) 5.5〜11.0ヶ月(167〜334日) 2.2〜5.5ヶ月

目安の下限どうし・上限どうしで引き算すると、土地家屋調査士のほうが200〜500時間多く必要です。1日2時間のペースなら3.3〜8.2ヶ月の差になります。

1日に取れる時間で開きは伸び縮みします(表の「差」の列)。

どちらも幅のある目安です。出典は土地家屋調査士がアガルートアカデミー、行政書士がユーキャンです(注記はページ末尾の出典一覧)。

上の表は毎日休まず進めた場合の単純計算です。土地家屋調査士・行政書士それぞれの開始日と1日の時間を入れて完了予定日を出すなら、勉強時間シミュレーターがあります。

この比較で扱っていないこと

  • 持っているデータ: 法務省と行政書士試験研究センターが出している合格率・受験料・試験日程。勉強時間の目安は土地家屋調査士がアガルートアカデミー(午後の部約1,000時間+午前免除資格なしの場合は午前の部+200時間で計1,200時間。令和7年度合格者アンケート150名では800〜2,000時間超に分布し最多帯は800〜1,000時間)、行政書士がユーキャン(通信講座公表値)の公表値
  • 合格率の範囲: どちらも直近3回分の平均。それより前の回は入っていません
  • 載せていないもの: 年収と求人数(土地家屋調査士・行政書士とも一次データが無いため)

土地家屋調査士には午前の部の免除がある。ただし行政書士はその対象に入っていない

土地家屋調査士には午前の部の免除がありますが、行政書士はその対象に入っていません。土地家屋調査士法第6条第5項第1号が免除の対象に挙げるのは「測量士若しくは測量士補又は一級建築士若しくは二級建築士となる資格を有する者」です(出典: e-Gov法令検索)。

同条第3項は、筆記試験を「土地及び家屋の調査及び測量」(午前の部)と「申請手続及び審査請求の手続」(午後の部)の2つの事項について行うと定めています。行政書士の資格を持っていても、午前・午後の両方を受けることになります。

一度届いたときの残り方も違います。同項第2号は、筆記試験に合格した者について、次回の試験の筆記試験と、その後に行われる試験における午前の部の筆記試験を免除すると定めています。条文に期間の定めはありません。

口述で届かなかった場合や、翌年以降にもう一度受ける場合の負担が軽くなる設計です。行政書士試験に、こうした部分合格の持ち越しはありません。

合格ラインは記述式に重い基準が置かれています。法務省の令和7年度の結果では、午前の部・午後の部それぞれの合格点のほかに、午前・午後の多肢択一式と記述式の4つに基準点があり、達しない場合はそれだけで不合格でした。

令和7年度の合格点は午前の部100点中70.0点以上かつ午後の部100点中76.0点以上でした(出典: 法務省「令和7年度土地家屋調査士試験の最終結果について」)。

午前の部の基準点は多肢択一式が60点中30.0点、記述式が40点中32.0点です。

午後の部の基準点は多肢択一式が50点中37.5点、記述式が50点中32.5点です。

試験の段取りも違います。片方は計算して図を描く試験、もう片方は読んで選び記述する試験です。

土地家屋調査士は令和7年度が筆記10月19日・口述が翌年1月22日の2段階で、法務省は筆記試験における電卓の使用について毎年案内を出しています(出典: 同)。

行政書士は11月の第2日曜に筆記だけを行い、令和7年度の合否判定基準は法令等122点以上・基礎知識24点以上・全体180点以上の3要件でした(出典: 行政書士試験研究センター)。

編集部の見解

土地家屋調査士を目指すなら、先に取るべきは行政書士ではなく測量士補

土地家屋調査士に向かうなら、行政書士を経由しないでください。免除の列挙に入っていないので、行政書士に合格しても午前の部は1問も減りません。

減らせるのは測量士補です。測量士補となる資格があれば、申請により午前の部の筆記試験が丸ごと免除されます。同じ「先に別の資格を取る」でも、片方は負担が半分近く消えて、もう片方は何も変わりません。

仕事の中身で選ぶなら、外に出るかどうかが分かれ目です。土地家屋調査士法第3条第1項第1号は業務の筆頭に「不動産の表示に関する登記について必要な土地又は家屋に関する調査又は測量」を挙げています。現地に出て測り、図面を作る仕事です。

行政書士は官公署に提出する書類の作成が本体で、机の上で完結します。屋外の作業や機材の扱いに抵抗があるなら、難易度の話をする前に土地家屋調査士は外してかまいません。

試験の性格も、向き不向きがはっきり出ます。土地家屋調査士は記述式の基準が重く、令和7年度は午前の部の記述式で40点中32.0点、午後の部の記述式で50点中32.5点を割ると、それだけで不合格でした。

電卓を使って計算し、図を描いて答える試験です。数字と作図が苦手なら、択一と文章で構成された行政書士のほうが自分の力を出せます。逆に計算が得意なら、土地家屋調査士は努力が点になりやすい試験です。

両方持つこと自体には意味があります。土地の登記と、その前段にある許認可は同じ案件のなかで続けて発生するからです。ただし制度上のつながりはないので、2つぶんの勉強をそのまま積むことになります。

まず土地家屋調査士で食べられるようにして、業務のなかで行政書士の出番が繰り返し現れてから足す。この順番なら、行政書士の学習を始める時点で使い道が具体的に見えています。

この見解が寄りかかっているデータ
  • 「測量士補が先」の根拠は、土地家屋調査士法第6条第5項第1号の免除対象の列挙。行政書士がその列挙にないことも同じ条文から言えます
  • 「外に出るかどうか」の根拠は、土地家屋調査士法第3条第1項第1号と行政書士法第1条の3の業務の定め
  • 「数字と作図」の根拠は、法務省が公表した令和7年度の記述式の基準点と、筆記試験における電卓の使用の案内
  • 学習量の差は、上の難易度スコアと勉強時間の表(各資格ページの一次データから算出)

ここまでは出典にもとづく事実で、この枠の中は資格のものさし編集部の評価と推奨です(編集方針)。

この比較の算出方法

スコア64.2と60.4は、上の比較表にある合格率・勉強時間の目安・受験資格を、同じ式に入れた値です。

式の重みは合格率0.45・勉強時間0.35・受験資格0.20で、根拠は算出式のページに、ほかの資格との比較はランキングにあります。

よくある質問

土地家屋調査士と行政書士はどっちが難しいですか?

土地家屋調査士の方が難しい試験です。難易度スコアは土地家屋調査士が64.2、行政書士が60.4で、偏差値換算と合格率は本文の比較表にあります。

勉強時間はどのくらい違いますか?

幅の中央値どうしで割ると土地家屋調査士の方が約1.5倍です。目安は土地家屋調査士が1,000〜1,200時間、行政書士が500〜1,000時間(出典はページ末尾の一覧)。出典が違えば数字も動くので、幅のまま見てください。

土地家屋調査士の平均合格率10.3%と行政書士の平均合格率13.8%は、そのまま比べられますか?

そのままは比べられません。受験資格は同じ(受験資格なし)ですが、実施機関が法務省と行政書士試験研究センターで違い、受験する人の層も試験形式も別だからです。土地家屋調査士の数字には、本文の「合格率の母集団に関する注意」がついています。このページは合格率単体で順位を付けず、勉強時間と受験資格も合成した難易度スコアで比べています(年度ごとの推移は各資格のページ)。

土地家屋調査士と行政書士では、できる仕事がどう違いますか?

土地家屋調査士は不動産の表示に関する登記の調査・測量・申請代理等が業務独占、土地家屋調査士の名称が名称独占、行政書士は官公署提出書類の作成等が業務独占、行政書士の名称が名称独占です。条文の実文と確認日は本文の表にあります。

出典

  1. 土地家屋調査士 合格率(令和7年度(受験4,824/合格489))出典: 法務省(確認日 )
  2. 土地家屋調査士 合格率(令和6年度(受験4,589/合格505))出典: 法務省(確認日 )
  3. 土地家屋調査士 合格率(令和5年度(受験4,429/合格428))出典: 法務省(確認日 )
  4. 土地家屋調査士 勉強時間の目安 出典: アガルートアカデミー(午後の部約1,000時間+午前免除資格なしの場合は午前の部+200時間で計1,200時間。令和7年度合格者アンケート150名では800〜2,000時間超に分布し最多帯は800〜1,000時間)(確認日 )
  5. 土地家屋調査士 受験料 出典: 法務省(確認日 )
  6. 土地家屋調査士 試験日程 出典: 法務省(確認日 )
  7. 行政書士 合格率(令和5年度)出典: 行政書士試験研究センター(確認日 )
  8. 行政書士 勉強時間の目安 出典: ユーキャン(通信講座公表値)(確認日 )
  9. 行政書士 試験日程 出典: 行政書士試験研究センター(確認日 )
  10. 土地家屋調査士法第3条(業務)・第6条第3項第5項(試験の方法・内容と免除)出典: e-Gov法令検索(2026-08-06確認)
  11. 令和7年度土地家屋調査士試験の最終結果について(筆記試験合格点と午前・午後それぞれの基準点/筆記と口述の試験日)出典: 法務省(2026-08-06確認)
  12. 令和8年度土地家屋調査士試験(受験案内書・筆記試験における電卓の使用について)出典: 法務省(2026-08-06確認)
  13. 令和7年度行政書士試験合否判定基準(配点300点・法令等122点/基礎知識24点/全体180点)出典: 行政書士試験研究センター(2026-08-06確認)
  14. 行政書士法第1条の3(業務)・第2条(資格)出典: e-Gov法令検索(2026-08-06確認)