データ比較表(司法書士 vs 税理士)
| 項目 | 司法書士 | 税理士 |
|---|---|---|
| 難易度スコア | 72.9 | 75.8 |
| 偏差値(難易度スコア換算) | 66.2 | 68.6 |
| 難易度順位(スコア算出76資格中) | 6位 | 3位 |
| 直近合格率の平均 | 5.2% | 19.1% |
| 勉強時間の目安 | 2,500〜3,200時間 | 3,000〜5,000時間 |
| 受験資格 | 受験資格なし(誰でも受験可) | 受験資格あり(学歴・養成課程・前提資格など) |
| 受験料 | 8,000円 | 4,000円 |
| 試験日程 | 年1回。筆記試験は7月(令和7年度は7月6日)、口述試験は10月(同10月14日) | 年1回・8月上旬(3日間)。会計学2科目+税法9科目から選んで受験する科目選択制 |
| 実施機関 | 法務省 | 国税庁 |
合格率の年度別の推移・出典URLは各資格の個別ページ( 司法書士・ 税理士)に全て掲載しています。
合格率の母集団に関する注意
- 司法書士: 合格率は最終合格者数÷筆記試験受験者数。筆記合格者はほぼ全員が口述試験に合格するため、最終合格率は筆記合格率とほぼ一致する。合格は成績上位者からの相対評価で、合格率は例年5%前後に収れんする(令和7年度5.2%・令和6年度5.3%・令和5年度5.2%)
- 税理士: 科目合格制。合格率は国税庁公表の(5科目到達者+一部科目合格者)÷受験者。5科目すべてに合格して官報合格となるには通常複数年かかり、単年で5科目に到達したのは令和6年度で578人(受験者の約1.7%)にとどまる。一度合格した科目は生涯有効。passRatesは公式ページがShift-JISで機械取得困難な令和4年以前を除き直近2回を収録
母集団や試験段階が異なる合格率は、数字の見た目より意味の差が大きくなります。この違いを吸収するため、当サイトは合格率単体ではなく3要素合成の難易度スコアで比較しています。
どちらを受けるか(データから言えること)
1. 法律で認められる仕事がどう違うか
| 資格 | 分類 | 対象 | 根拠条文 |
|---|---|---|---|
| 司法書士 | 業務独占 | 登記・供託手続の代理等 | 司法書士法第73条第1項 |
| 司法書士 | 名称独占 | 司法書士の名称 | 司法書士法第73条第3項 |
| 税理士 | 業務独占 | 税理士業務 | 税理士法第52条 |
| 税理士 | 名称独占 | 税理士・税理士事務所の名称 | 税理士法第53条第1項 |
どちらも業務独占資格です。司法書士は登記・供託手続の代理等、税理士は税理士業務が、それぞれ資格を持つ人にしかできないと法律で定められています。守っている仕事が別なので、難易度の前にこの違いで選べます。取ったあとに就きたい仕事が上の表のどちらに入るかを先に見てください。
2. そもそも受けられるか(受験の前提条件)
- 司法書士: 受験資格なし。年齢・学歴・国籍を問わず誰でも受験でき、受験回数の制限もない(出典: 法務省・司法書士試験)
- 税理士: 税法科目は学識・資格・職歴のいずれかの受験資格要件が必要。会計学2科目(簿記論・財務諸表論)は令和5年度から受験資格の制限がなくなり誰でも受験できるが、5科目合格(官報合格)には税法科目が必須(出典: 国税庁)
司法書士は誰でも受けられますが、税理士には受験の前提条件があります。条件を満たしていない場合、税理士は「受けるかどうか」の前に「受けられるか」を確認するところから始まります。
3. 勉強時間の差は、カレンダーだと何ヶ月か
| 1日の勉強時間 | 司法書士 | 税理士 |
|---|---|---|
| 1時間 | 82.2〜105.3ヶ月(2500〜3200日) | 98.7〜164.5ヶ月(3000〜5000日) |
| 2時間 | 41.1〜52.6ヶ月(1250〜1600日) | 49.3〜82.2ヶ月(1500〜2500日) |
| 3時間 | 27.4〜35.1ヶ月(834〜1067日) | 32.9〜54.8ヶ月(1000〜1667日) |
目安の下限どうし・上限どうしで引き算すると、税理士のほうが500〜1,800時間多く必要です。1日2時間のペースなら8.2〜29.6ヶ月の差になります。難易度スコアの差を「自分のカレンダー上で何ヶ月ぶんか」に置き換えると、こうなります。出典は司法書士がアガルートアカデミー(通信講座利用で2,500時間前後・独学は3,200時間以上)、税理士が資格の学校TAC/アガルート(5科目合計で約3,000〜5,000時間・複数年かけるのが一般的)で、いずれも幅のある目安です。
この比較で扱っていないこと
ここまでが当サイトのデータで言えることです。年収・求人数・就職のしやすさは一次データを持っていないため比較していません(出典を示せない数字は載せない方針です)。収入で選びたい場合は、上の「できる仕事の違い」で見た業務の求人を実際に検索して確かめてください。
合格の積み上げ方が違う。税理士は期限なしの科目合格制、司法書士は毎年ゼロから
税理士法第7条第1項は「税理士試験において試験科目のうちの一部の科目について政令で定める基準以上の成績を得た者に対しては、その申請により、その後に行われる税理士試験において当該科目の試験を免除する」と定めています。何年以内という期限がありません。国税庁も「税理士試験は科目合格制をとっており、受験者は一度に5科目を受験する必要はなく、1科目ずつ受験してもよいことになっています」と案内しています(出典: e-Gov法令検索・税理士法/国税庁「税理士試験の概要」/2026-08-05確認)。
司法書士試験に科目合格制はありません。司法書士法第6条第2項は、試験を筆記と口述の方法で行い、口述試験は筆記試験に合格した者について行うと定めています。筆記に合格したときの効力は同条第3項に書かれていて、「筆記試験に合格した者に対しては、その申請により、次回の司法書士試験の筆記試験を免除する」——次回の1回だけです(出典: e-Gov法令検索・司法書士法/2026-08-05確認)。筆記で届かなかった年は、翌年また全範囲を解き直すことになります。
この2つの間に、片方を取ると他方が近づくという通路はありません。税理士となる資格を定める税理士法第3条第1項が挙げるのは、税理士試験の合格者・全科目免除者・弁護士・公認会計士です。司法書士となる資格を定める司法書士法第4条が挙げるのは、司法書士試験の合格者と、裁判所事務官等の職歴により法務大臣の認定を受けた者です。互いの資格は、どちらの条文にも出てきません(出典: 同)。
編集部の見解
働きながら取るなら税理士、専念できるなら司法書士。両方を狙う順路は存在しない
仕事を続けながら挑むなら税理士を選んでください。科目合格に期限がないので、今年は1科目、来年は2科目という進め方ができます。忙しい年に受験を見送っても、それまでに積んだ合格科目は残ります。司法書士は毎年その年に全範囲を仕上げる必要があり、途中で手が止まった年は積み上げがほぼ消えます。同じ長期戦でも、崩れたときの損の大きさが違うのです。
逆に、1〜2年まとめて学習に充てられるなら司法書士が向きます。1回で決着がつく設計は、短期集中の学習と相性がよいからです。加えて司法書士試験には受験資格の制限がありません。税理士は税法科目に学識・資格・職歴のいずれかの受験資格が要ります。学歴や職歴の条件に当てはまるものがなく、いますぐ始めたいなら司法書士のほうが入口が開いています。
両方ほしい人へ。この順番で取れば有利、という道はありません。税理士法第3条第1項が並べるのは弁護士と公認会計士で、司法書士は入っていません。司法書士法第4条にも税理士は出てきません。「まず司法書士、それから税理士」といった順路には制度上の裏づけがないので、片方を踏み台にする計画は立てないでください。両方を狙うなら、それぞれ独立した長期戦として時間を確保することになります。
なお、上の表の合格率を見て「税理士のほうが受かりやすい」と判断しないでください。税理士の合格率は1科目でも合格した人を含む数字で、5科目そろえた人の割合ではありません。司法書士の合格率は最終合格の割合です。数えている対象が違います。
この見解が寄りかかっているデータ
- 「働きながらなら税理士」の根拠は、税理士法第7条第1項の科目免除に期限の定めがないことと、司法書士法第6条第3項の筆記免除が次回1回に限られること(上の出典一覧)
- 「入口が開いているのは司法書士」の根拠は、上の「そもそも受けられるか(受験の前提条件)」に出している両資格の受験資格の実文
- 「両方を狙う順路がない」の根拠は、税理士法第3条第1項と司法書士法第4条の列挙。どちらの条文にも相手の資格が現れません
- 合格率の読み方は、各資格ページに載せている合格率の定義と母集団の注記(上の「合格率の母集団に関する注意」)
この比較の算出方法
両資格とも同一の式(合格率0.45・勉強時間0.35・受験資格0.20の加重)に一次データを入れて機械的に比較しています。重みの根拠と偏差値換算の定義は算出式の公開ページ、ほかの資格との比較は資格難易度ランキングにあります。
よくある質問
司法書士と税理士はどっちが難しいですか?
当サイトの難易度スコア(合格率・勉強時間・受験資格から算出し、式を公開)で比較すると、税理士が75.8、司法書士が72.9で、税理士の方が高難度です。偏差値換算では司法書士66.2・税理士68.6です。
勉強時間はどのくらい違いますか?
司法書士は2,500〜3,200時間(出典: アガルートアカデミー(通信講座利用で2,500時間前後・独学は3,200時間以上))、税理士は3,000〜5,000時間(出典: 資格の学校TAC/アガルート(5科目合計で約3,000〜5,000時間・複数年かけるのが一般的))が目安です。学習経験や環境で個人差があるため、幅で見てください。
合格率だけで比べてもいいですか?
合格率は受験資格や母集団の違いで意味が変わるため、単純比較には向きません。当サイトは合格率0.45・勉強時間0.35・受験資格0.20の重みで合成した難易度スコアで比較し、母集団に注意が必要な試験は本文に注記を出しています。
司法書士と税理士では、できる仕事がどう違いますか?
どちらも業務独占資格です。司法書士は登記・供託手続の代理等、税理士は税理士業務が、それぞれ資格を持つ人にしかできないと法律で定められています。守っている仕事が別なので、難易度の前にこの違いで選べます。取ったあとに就きたい仕事が上の表のどちらに入るかを先に見てください。
出典
- 司法書士 試験日程 出典: 法務省(確認日 )
- 司法書士 合格率(令和6年度(筆記受験13,960/最終合格737))出典: 法務省(確認日 )
- 司法書士 合格率(令和5年度(筆記受験13,372/最終合格695))出典: 法務省(確認日 )
- 司法書士 勉強時間の目安 出典: アガルートアカデミー(通信講座利用で2,500時間前後・独学は3,200時間以上)(確認日 )
- 司法書士 受験料 出典: 法務省(確認日 )
- 税理士 合格率(令和5年度・第73回(受験32,893/合格7,125〈5科目到達600+一部科目合格6,525〉))出典: 国税庁(確認日 )
- 税理士 勉強時間の目安 出典: 資格の学校TAC/アガルート(5科目合計で約3,000〜5,000時間・複数年かけるのが一般的)(確認日 )
- 税理士 受験料 出典: 国税庁(確認日 )
- 税理士 試験日程 出典: 国税庁(確認日 )
- 税理士法第3条(税理士の資格)・第7条第1項(試験科目の一部の免除等)出典: e-Gov法令検索(2026-08-05確認)
- 司法書士法第4条(資格)・第6条第2項第3項(試験の方法/筆記試験合格者の次回免除)出典: e-Gov法令検索(2026-08-05確認)
- 税理士試験の概要(科目合格制・会計学2科目と税法3科目の計5科目で合格)出典: 国税庁(2026-08-05確認)