データ比較表(司法試験 vs 公認会計士)
| 項目 | 司法試験 | 公認会計士 |
|---|---|---|
| 難易度スコア | 72.0 | 73.0 |
| 偏差値(難易度スコア換算) | 65.4 | 66.3 |
| 難易度順位(スコア算出76資格中) | 7位 | 5位 |
| 直近合格率の平均 | 42.9% | 7.5% |
| 勉強時間の目安 | 3,000〜8,000時間 | 3,000〜5,000時間 |
| 受験資格 | 受験資格あり(実務経験) | 受験資格なし(誰でも受験可) |
| 受験料 | 31,000円 | 19,500円 |
| 試験日程 | 年1回・7月。4日間の日程で、中日を挟んで論文式3日+短答式1日を実施 | 短答式試験は年2回(12月・5月)、論文式試験は年1回(8月)。短答式合格者・免除者が論文式に進む |
| 実施機関 | 法務省 | 公認会計士・監査審査会 |
合格率の年度別の推移・出典URLは各資格の個別ページ( 司法試験・ 公認会計士)に全て掲載しています。
合格率の母集団に関する注意
- 司法試験: 合格率は最終合格者数÷受験者数(対受験者)で近年40%台。ただし受験できるのは法科大学院修了者・予備試験合格者など、すでに厳しい選抜を通過した層に限られるため、母集団が絞られており数字ほど易しい試験ではない。受験資格を得るまで(法科大学院2〜3年 or 予備試験合格)の負担が非常に大きい
- 公認会計士: DBの合格率は監査審査会が公表する最終合格率(最終合格者数÷出願者数〈名寄せ〉)。まず短答式(年2回)に合格し、論文式(年1回)で最終合格する多段階試験で、論文式受験者に対する合格率は約35%と母集団が異なる
母集団や試験段階が異なる合格率は、数字の見た目より意味の差が大きくなります。この違いを吸収するため、当サイトは合格率単体ではなく3要素合成の難易度スコアで比較しています。
どちらを受けるか(データから言えること)
1. 法律で認められる仕事がどう違うか
- 司法試験: 業務独占・名称独占・必置のいずれの規定も現行条文で確認できませんでした。司法試験は資格ではなく試験です。業務独占(弁護士法72条)は、合格後に司法修習を経て登録する弁護士の資格に属します。
業務独占の規定があるのは公認会計士だけです。公認会計士では財務書類の監査・証明業務が資格を持つ人に限られます。一方で司法試験には業務独占・名称独占・必置のいずれの規定も現行条文で確認できませんでした。資格がないと就けない仕事に進みたいなら、この差はスコア差より重く効きます。
2. そもそも受けられるか(受験の前提条件)
- 司法試験: 受験資格が必要。法科大学院課程の修了、司法試験予備試験の合格、または法科大学院在学中で所定の認定を受けた者(令和5年から在学中受験が可能)のいずれか。受験期間は受験資格取得後の最初の4月1日から5年間。いずれのルートでも受験資格取得までの負担が非常に重い(出典: 法務省)
- 公認会計士: 受験資格なし。年齢・学歴・国籍等を問わず誰でも受験できる(出典: 公認会計士・監査審査会)
公認会計士は誰でも受けられますが、司法試験には受験の前提条件があります。条件を満たしていない場合、司法試験は「受けるかどうか」の前に「受けられるか」を確認するところから始まります。
3. 勉強時間の差は、カレンダーだと何ヶ月か
| 1日の勉強時間 | 司法試験 | 公認会計士 |
|---|---|---|
| 1時間 | 98.7〜263.2ヶ月(3000〜8000日) | 98.7〜164.5ヶ月(3000〜5000日) |
| 2時間 | 49.3〜131.6ヶ月(1500〜4000日) | 49.3〜82.2ヶ月(1500〜2500日) |
| 3時間 | 32.9〜87.7ヶ月(1000〜2667日) | 32.9〜54.8ヶ月(1000〜1667日) |
目安の下限どうし・上限どうしで引き算すると、司法試験のほうが0〜3,000時間多く必要です。1日2時間のペースなら0.0〜49.4ヶ月の差になります。難易度スコアの差を「自分のカレンダー上で何ヶ月ぶんか」に置き換えると、こうなります。出典は司法試験がアガルートアカデミー(法律学習ゼロから合格までの総量で3,000〜8,000時間・個人差が大きい)、公認会計士が資格の学校TAC(一般的な目安3,000〜5,000時間・一発合格者の平均は約3,776時間)で、いずれも幅のある目安です。
この比較で扱っていないこと
ここまでが当サイトのデータで言えることです。年収・求人数・就職のしやすさは一次データを持っていないため比較していません(出典を示せない数字は載せない方針です)。収入で選びたい場合は、上の「できる仕事の違い」で見た業務の求人を実際に検索して確かめてください。
司法試験に受かると公認会計士試験の短答式が丸ごと免除される。逆は通っていない
公認会計士法第9条第1項は、短答式による試験を免除する対象の第4号に「司法修習生となる資格(高等試験司法科試験の合格を除く。)を得た者」を挙げています。裁判所法第66条第1項は司法修習生を司法試験に合格した者の中から最高裁判所が命ずると定めているので、司法試験に合格するとこの免除に届きます。さらに公認会計士法第10条第1項第2号は、同じ者について論文式の「企業法及び民法」を免除すると定めています(出典: e-Gov法令検索/2026-08-06確認)。短答式4科目は受けずに済み、論文式も2科目減ります。
反対向きの通路はありません。司法試験法第4条第1項は、司法試験を受けられる者を法科大学院の課程を修了した者と司法試験予備試験に合格した者に限っています(同条第2項に法科大学院在学中の受験の規定があります)。公認会計士はこの列挙にありません(出典: 同)。公認会計士試験に合格しても、司法試験の受験資格は生まれません。
受験できる期間にも差があります。司法試験法第4条第1項は、法科大学院の課程を修了した者について「その修了の日後の最初の四月一日から五年を経過するまでの期間」、予備試験に合格した者について「その合格の発表の日後の最初の四月一日から五年を経過するまでの期間」と定めています。5年で受験資格そのものが切れます。公認会計士試験に受験期間の制限はありません。公認会計士法第9条第3項は短答式に合格した者について合格発表の日から2年を経過する日までの短答式を免除し、第10条第2項は論文式で公認会計士・監査審査会が相当と認める成績を得た科目について同じく2年の免除を定めています(出典: 同)。切れるのは免除であって、受験資格ではありません。
合格したあとの道のりも違います。公認会計士法第3条は、公認会計士試験に合格した者であって業務補助等の期間が3年以上であり、かつ実務補習を修了して内閣総理大臣の確認を受けた者が公認会計士となる資格を有すると定めています。司法試験に合格した者は司法修習生として、裁判所法第67条第1項により「少なくとも一年間修習をした後試験に合格したとき」に修習を終えます。同条第2項は修習期間中の修習専念も定めています(出典: 同)。片方は3年の業務補助を積みながら、もう片方は1年以上を修習に専念して過ごします。
編集部の見解
両方に興味があるなら司法試験が先。ただし5年の期限があるのも司法試験だけ
両方を視野に入れているなら、司法試験を先に受けてください。合格すれば公認会計士試験の短答式4科目が丸ごと消え、論文式の企業法と民法も免除されます。逆に公認会計士に合格しても、司法試験の受験資格は1ミリも近づきません。順番を逆にすると、同じ2つを手に入れるのに短答式と論文式2科目ぶん余計に受けることになります。
ただし司法試験は、始める前に期限を確認してください。法科大学院を修了した日、または予備試験に合格した発表の日の後の最初の4月1日から5年で、受験資格そのものが切れます。この5年に何回挑戦するかを最初に設計してください。公認会計士試験に受験期間の制限はないので、何年かけても受験資格を失いません。長く働きながら挑むという条件なら、期限のない側のほうが崩れにくい選択です。
入口の重さも比べてください。司法試験を受けるには、法科大学院の課程を修了するか予備試験に合格するかのどちらかが要ります。どちらも数年単位の投資です。公認会計士試験に受験資格はなく、思い立った年から受けられます。学生でも社会人でも、今日から始められるのは公認会計士のほうです。
合格後の生活も判断材料にしてください。司法試験に合格すると司法修習に入り、少なくとも1年、修習に専念することが法律で求められます。その間、他の仕事に打ち込むことができません。公認会計士は業務補助等3年と実務補習で、監査法人などに勤めながら進むのが一般的な形です。無収入の期間を作れないなら、この差は受験を決める前に効いてきます。
この見解が寄りかかっているデータ
- 「司法試験が先」の根拠は、公認会計士法第9条第1項第4号・第10条第1項第2号の免除と、司法試験法第4条第1項の受験資格に公認会計士が入っていないこと(上の出典一覧)
- 「5年の期限」の根拠は、司法試験法第4条第1項が定める受験期間と、公認会計士試験に受験期間の制限がないこと
- 「入口の重さ」の根拠は、司法試験法第4条が法科大学院の修了か予備試験の合格を求めることと、公認会計士試験に受験資格の定めがないこと
- 「合格後の生活」の根拠は、裁判所法第67条第1項・第2項(1年以上の修習と修習専念)と、公認会計士法第3条の業務補助等3年・実務補習
- 学習量の差は、上の難易度スコアと勉強時間の表(各資格ページの一次データから算出)
この比較の算出方法
両資格とも同一の式(合格率0.45・勉強時間0.35・受験資格0.20の加重)に一次データを入れて機械的に比較しています。重みの根拠と偏差値換算の定義は算出式の公開ページ、ほかの資格との比較は資格難易度ランキングにあります。
よくある質問
司法試験と公認会計士はどっちが難しいですか?
当サイトの難易度スコア(合格率・勉強時間・受験資格から算出し、式を公開)で比較すると、公認会計士が73.0、司法試験が72.0で、公認会計士の方が高難度です。偏差値換算では司法試験65.4・公認会計士66.3です。
勉強時間はどのくらい違いますか?
司法試験は3,000〜8,000時間(出典: アガルートアカデミー(法律学習ゼロから合格までの総量で3,000〜8,000時間・個人差が大きい))、公認会計士は3,000〜5,000時間(出典: 資格の学校TAC(一般的な目安3,000〜5,000時間・一発合格者の平均は約3,776時間))が目安です。学習経験や環境で個人差があるため、幅で見てください。
合格率だけで比べてもいいですか?
合格率は受験資格や母集団の違いで意味が変わるため、単純比較には向きません。当サイトは合格率0.45・勉強時間0.35・受験資格0.20の重みで合成した難易度スコアで比較し、母集団に注意が必要な試験は本文に注記を出しています。
司法試験と公認会計士では、できる仕事がどう違いますか?
業務独占の規定があるのは公認会計士だけです。公認会計士では財務書類の監査・証明業務が資格を持つ人に限られます。一方で司法試験には業務独占・名称独占・必置のいずれの規定も現行条文で確認できませんでした。資格がないと就けない仕事に進みたいなら、この差はスコア差より重く効きます。
出典
- 司法試験 合格率(令和7年(受験3,837/合格1,581))出典: 法務省(確認日 )
- 司法試験 合格率(令和6年(受験3,779/合格1,592))出典: 法務省(確認日 )
- 司法試験 合格率(令和5年(受験3,928/合格1,781))出典: 法務省(確認日 )
- 司法試験 勉強時間の目安 出典: アガルートアカデミー(法律学習ゼロから合格までの総量で3,000〜8,000時間・個人差が大きい)(確認日 )
- 司法試験 受験料 出典: 法務省(確認日 )
- 司法試験 試験日程 出典: 法務省(確認日 )
- 公認会計士 合格率(令和7年(出願22,056/論文受験4,665/最終合格1,636))出典: 公認会計士・監査審査会(確認日 )
- 公認会計士 合格率(令和6年(出願21,573/論文受験4,354/最終合格1,603))出典: 公認会計士・監査審査会(確認日 )
- 公認会計士 合格率(令和5年(出願20,317/論文受験4,192/最終合格1,544))出典: 公認会計士・監査審査会(確認日 )
- 公認会計士 勉強時間の目安 出典: 資格の学校TAC(一般的な目安3,000〜5,000時間・一発合格者の平均は約3,776時間)(確認日 )
- 公認会計士 試験日程 出典: 公認会計士・監査審査会(確認日 )
- 公認会計士法第3条(資格)・第8条(試験科目)・第9条第1項第4号/第3項(短答式の免除)・第10条第1項第2号/第2項(論文式の免除)・第16条(実務補習)出典: e-Gov法令検索(2026-08-06確認)
- 司法試験法第2条(試験の方法)・第4条(受験資格等・5年の受験期間)出典: e-Gov法令検索(2026-08-06確認)
- 裁判所法第66条(司法修習生の採用)・第67条(修習・試験)出典: e-Gov法令検索(2026-08-06確認)