データ比較表(看護師 vs 薬剤師)
| 項目 | 看護師 | 薬剤師 |
|---|---|---|
| 難易度スコア | 29.7 | 47.7 |
| 偏差値(難易度スコア換算) | 35.1 | 48.5 |
| 難易度順位(スコア算出77資格中) | 72位 | 47位 |
| 直近合格率の平均 | 88.7% | 68.6% |
| 勉強時間の目安 | 200〜350時間 | 1,200〜2,000時間 |
| 受験資格 | 受験資格あり(学歴・養成課程・前提資格など) | 受験資格あり(学歴・養成課程・前提資格など) |
| 受験料 | 5,400円 | 6,800円 |
| 試験日程 | 年1回・2月中旬(第115回は令和8年2月15日) | 年1回・2月中旬(2日間) |
| 実施機関 | 厚生労働省 | 厚生労働省 |
年度別の推移と出典URLは、 看護師の難易度と 薬剤師の難易度の各ページにあります。
平均に使った回
- 看護師: 第115回・令和8年/第114回・令和7年/第113回・令和6年
- 薬剤師: 第111回・令和8年/第110回・令和7年/第109回・令和6年
合格率の母集団に関する注意
- 看護師: 合格率は例年90%前後だが、受験資格に3〜4年の看護師養成課程が必要で、母集団が看護学生等に絞られている。新卒者の合格率は95%前後と高く、既卒者は3〜4割と大きな差がある
- 薬剤師: 合格率は例年7割前後。受験資格に6年制薬学部の卒業が必要で、母集団が薬学生に絞られている。6年制新卒の合格率は8割超だが、既卒者は4割前後と差が大きい
看護師の平均合格率88.7%と薬剤師の平均合格率68.6%は、どちらもこの注記がついた数字です。母集団の作り方が違うまま並べても同じ意味にならないので、このページは合格率単体ではなく、勉強時間と受験資格も合成した難易度スコアで比べています。
どちらを受けるか(データから言えること)
1. 法律で認められる仕事がどう違うか
| 資格 | 分類 | 対象 | 根拠条文 |
|---|---|---|---|
| 看護師 | 業務独占 | 療養上の世話・診療の補助 | 保健師助産師看護師法第31条第1項 |
| 看護師 | 名称独占 | 看護師の名称 | 保健師助産師看護師法第42条の3第3項 |
| 看護師 | 必置(設置義務) | 病院への員数配置 | 医療法第21条第1項第1号 |
| 薬剤師 | 業務独占 | 販売・授与目的の調剤 | 薬剤師法第19条 |
| 薬剤師 | 名称独占 | 薬剤師の名称 | 薬剤師法第20条 |
| 薬剤師 | 必置(設置義務) | 薬局の管理者 | 医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律第7条第2項 |
どちらも業務独占資格です。看護師は療養上の世話・診療の補助、薬剤師は販売・授与目的の調剤が、それぞれ資格を持つ人にしかできないと法律で定められています。
根拠になる法律が保健師助産師看護師法・医療法と薬剤師法・医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律で分かれています。就きたい仕事が上の表のどちらに入るかを先に見てください。
2. そもそも受けられるか(受験の前提条件)
- 看護師: 受験資格あり。文部科学大臣指定の学校・厚生労働大臣指定の看護師養成所(大学・短大・専門学校など3〜4年)を卒業(見込み含む)することが必要(出典: 厚生労働省)
- 薬剤師: 受験資格あり。大学の6年制薬学課程を修了(卒業見込み含む)することが必要(出典: 厚生労働省)
看護師にも薬剤師にも受験の前提条件があります。受験料は看護師が5,400円、薬剤師が6,800円ですが、その前に上の実文を両方読んで、いま自分が満たしているのはどちらかを確かめてください。満たしている側が、先に受けられる側です。
3. 勉強時間の差は、カレンダーだと何ヶ月か
| 1日の勉強時間 | 看護師 | 薬剤師 | 差(薬剤師が長い) |
|---|---|---|---|
| 1時間 | 6.6〜11.5ヶ月(200〜350日) | 39.5〜65.8ヶ月(1200〜2000日) | 32.9〜54.3ヶ月 |
| 2時間 | 3.3〜5.8ヶ月(100〜175日) | 19.7〜32.9ヶ月(600〜1000日) | 16.4〜27.1ヶ月 |
| 3時間 | 2.2〜3.8ヶ月(67〜117日) | 13.2〜21.9ヶ月(400〜667日) | 11.0〜18.1ヶ月 |
目安の下限どうし・上限どうしで引き算すると、薬剤師のほうが1,000〜1,650時間多く必要です。1日2時間のペースなら16.4〜27.1ヶ月の差になります。
この比較で扱っていないこと
- 持っているデータ: 厚生労働省が出している合格率・受験料・試験日程。勉強時間の目安は看護師が予備校公表値(最終学年からの国試対策の目安・看護師養成課程での学習は別)、薬剤師が予備校公表値(6年制薬学部での学習を除く国試対策の目安・約2,000時間)の公表値
- 合格率の範囲: どちらも直近3回分の平均。それより前の回は入っていません
- 載せていないもの: 年収と求人数(看護師・薬剤師とも一次データが無いため)
試験の前に学校がある。看護師は入口が5つ、薬剤師は6年制の薬学課程だけ
薬剤師の入口は6年制の薬学課程だけです。薬剤師法第15条が挙げる受験資格は、大学で薬学の正規の課程(学校教育法第87条第2項に規定するものに限る)を修めて卒業した者と、外国の薬学校卒業等で厚生労働大臣の認定を受けた者の2つです。
学校教育法第87条第2項は、薬学を履修する課程のうち臨床に係る実践的な能力を培うことを主たる目的とするものについて修業年限を6年と定めています(出典: e-Gov法令検索)。
看護師の入口は5つあります。保健師助産師看護師法第21条が挙げるのは、文部科学大臣の指定した大学の卒業者、文部科学大臣の指定した学校で3年以上学んだ者、都道府県知事の指定した看護師養成所の卒業者などです。
ほかに、免許を得た後3年以上業務に従事している准看護師等で2年以上修業した者、外国の学校等を卒業し厚生労働大臣が同等以上と認めた者があります(出典: 同)。養成所から入る道も、准看護師として働きながら進む道も条文にあります。
守られている仕事も違います。保健師助産師看護師法第5条は看護師を「傷病者若しくはじよく婦に対する療養上の世話又は診療の補助を行うことを業とする者」と定め、第31条第1項は看護師でない者がその業をすることを禁じています。
薬剤師法第19条は「薬剤師でない者は、販売又は授与の目的で調剤してはならない」と定めています(出典: 同)。片方は療養上の世話と診療の補助、もう片方は調剤です。
看護師国家試験は、必修問題を割ると他がどれだけよくても不合格です。第115回の合格基準は、必修問題が50点満点中40点以上、一般問題と状況設定問題が249点満点中166点以上の両方でした。
配点は必修問題および一般問題が1問1点、状況設定問題が1問2点です。必修問題の側には8割という高い水準が置かれています。
出典は厚生労働省「第112回保健師国家試験、第109回助産師国家試験及び第115回看護師国家試験の合格発表」です。
編集部の見解
合格率で比べる意味はない。決めるのは「6年通えるか」と「働き方をどうしたいか」
この2つを合格率で比べないでください。どちらも指定された学校の課程を終えた人しか受けられない試験で、受験者は最初から絞り込まれています。上の表の数字は、その絞り込みを通過した集団の中での割合です。
本当の関門は試験ではなく、その前の学校にあります。比べるべきなのは、6年通えるかどうかです。
進路として現実的なのは、時間とお金を何年出せるかで決まります。薬剤師は6年制の薬学課程を卒業する道しかありません。看護師は大学のほか、指定校で3年、養成所、准看護師から進むなど複数の入口があります。
高校を出てすぐ働きながら資格に近づきたいなら、選べるのは看護師のほうです。逆に6年間を学業に充てられる環境があるなら、薬剤師はその期間そのものが参入障壁になって、資格の価値を守ってくれます。
働き方で選ぶなら、身体に触れるかどうかで分かれます。看護師の業務は療養上の世話と診療の補助で、患者のそばに立つ時間が長く、夜勤のある職場が中心になります。
薬剤師の独占業務は調剤で、薬局や病院の薬剤部が主な職場です。生活のリズムを一定に保ちたいなら薬剤師、患者と直に関わる仕事に惹かれるなら看護師です。どちらが上という比較ではなく、続けられるほうを選んでください。
看護師国家試験を受けるなら、必修問題を最優先にしてください。第115回の合格基準では必修問題が50点満点中40点以上で、ここを割れば一般問題と状況設定問題がどれだけよくても不合格でした。
取りこぼしの許される幅が狭いので、学習の順番は必修から固める形にしてください。難しい範囲を先に潰したくなりますが、この試験ではその順番が裏目に出ます。
この見解が寄りかかっているデータ
- 「合格率で比べない」の根拠は、保健師助産師看護師法第21条と薬剤師法第15条がどちらも指定の課程の修了を受験資格にしていること(上の出典一覧)
- 「入口の数」の根拠は、保助看法第21条が5つの資格要件を挙げるのに対し、薬剤師法第15条が2つ(うち国内は6年制課程の卒業のみ)であること、および学校教育法第87条第2項
- 働き方の違いは、保助看法第5条・第31条と薬剤師法第19条の業務の定め、および上の「法律で認められる仕事がどう違うか」の表
- 「必修から固める」の根拠は、厚生労働省が公表した第115回看護師国家試験の合格基準
この比較の算出方法
スコア29.7と47.7は、上の比較表にある合格率・勉強時間の目安・受験資格を、同じ式に入れた値です。
よくある質問
看護師と薬剤師はどっちが難しいですか?
薬剤師の方が難しい試験です。難易度スコアは薬剤師が47.7、看護師が29.7で、偏差値換算と合格率は本文の比較表にあります。
勉強時間はどのくらい違いますか?
幅の中央値どうしで割ると薬剤師の方が約5.8倍です。目安は看護師が200〜350時間、薬剤師が1,200〜2,000時間(出典はページ末尾の一覧)。出典が違えば数字も動くので、幅のまま見てください。
看護師の平均合格率88.7%と薬剤師の平均合格率68.6%は、そのまま比べられますか?
そのままは比べられません。受験資格は同じ(受験資格あり)ですが、同じ厚生労働省の試験でも受験する人の層も試験形式も別だからです。看護師と薬剤師の数字には、本文の「合格率の母集団に関する注意」がついています。このページは合格率単体で順位を付けず、勉強時間と受験資格も合成した難易度スコアで比べています(年度ごとの推移は各資格のページ)。
看護師と薬剤師では、できる仕事がどう違いますか?
看護師は療養上の世話・診療の補助が業務独占、看護師の名称が名称独占、病院への員数配置が必置(設置義務)、薬剤師は販売・授与目的の調剤が業務独占、薬剤師の名称が名称独占、薬局の管理者が必置(設置義務)です。条文の実文と確認日は本文の表にあります。
出典
- 第115回看護師国家試験の合格基準(必修問題40点以上/50点・一般問題と状況設定問題166点以上/249点)出典: 厚生労働省(2026-08-06確認)
- 看護師 合格率(第114回・令和7年(受験63,131/合格56,906))出典: 厚生労働省(確認日 )
- 看護師 合格率(第113回・令和6年(受験63,301/合格55,557))出典: 厚生労働省(確認日 )
- 看護師 勉強時間の目安 出典: 予備校公表値(最終学年からの国試対策の目安・看護師養成課程での学習は別)(確認日 )
- 国家試験合格発表(看護師国家試験・薬剤師国家試験の実施と発表)出典: 厚生労働省(2026-08-06確認)
- 薬剤師 合格率(第110回・令和7年(受験13,310/合格9,164))出典: 厚生労働省(確認日 )
- 薬剤師 合格率(第109回・令和6年(受験13,585/合格9,296))出典: 厚生労働省(確認日 )
- 薬剤師 勉強時間の目安 出典: 予備校公表値(6年制薬学部での学習を除く国試対策の目安・約2,000時間)(確認日 )
- 保健師助産師看護師法第5条(定義)・第21条(看護師国家試験の受験資格)・第31条(業務独占)出典: e-Gov法令検索(2026-08-06確認)
- 薬剤師法第2条(免許)・第15条(受験資格)・第19条(調剤)出典: e-Gov法令検索(2026-08-06確認)
- 学校教育法第87条第2項(薬学を履修する課程の修業年限は6年)出典: e-Gov法令検索(2026-08-06確認)