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資格のものさし

看護師と薬剤師はどっちが難しい?

データ比較表(看護師 vs 薬剤師)

項目 看護師 薬剤師
難易度スコア 34.3 50.1
偏差値(難易度スコア換算) 33.3 46.8
難易度順位(スコア算出76資格中) 71位 51位
直近合格率の平均 88.7% 68.6%
勉強時間の目安 200〜350時間 1,200〜2,000時間
受験資格 受験資格あり(学歴・養成課程・前提資格など) 受験資格あり(学歴・養成課程・前提資格など)
受験料 5,400円 6,800円
試験日程 年1回・2月中旬(第115回は令和8年2月15日) 年1回・2月中旬(2日間)
実施機関 厚生労働省 厚生労働省

合格率の年度別の推移・出典URLは各資格の個別ページ( 看護師薬剤師)に全て掲載しています。

合格率の母集団に関する注意

  • 看護師: 合格率は例年90%前後だが、受験資格に3〜4年の看護師養成課程が必要で、母集団が看護学生等に絞られている。新卒者の合格率は95%前後と高く、既卒者は3〜4割と大きな差がある
  • 薬剤師: 合格率は例年7割前後。受験資格に6年制薬学部の卒業が必要で、母集団が薬学生に絞られている。6年制新卒の合格率は8割超だが、既卒者は4割前後と差が大きい

母集団や試験段階が異なる合格率は、数字の見た目より意味の差が大きくなります。この違いを吸収するため、当サイトは合格率単体ではなく3要素合成の難易度スコアで比較しています。

どちらを受けるか(データから言えること)

1. 法律で認められる仕事がどう違うか

資格 分類 対象 根拠条文
看護師 業務独占 療養上の世話・診療の補助 保健師助産師看護師法第31条第1項
看護師 名称独占 看護師の名称 保健師助産師看護師法第42条の3第3項
看護師 必置(設置義務) 病院への員数配置 医療法第21条第1項第1号
薬剤師 業務独占 販売・授与目的の調剤 薬剤師法第19条
薬剤師 名称独占 薬剤師の名称 薬剤師法第20条
薬剤師 必置(設置義務) 薬局の管理者 医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律第7条第2項

どちらも業務独占資格です。看護師は療養上の世話・診療の補助、薬剤師は販売・授与目的の調剤が、それぞれ資格を持つ人にしかできないと法律で定められています。守っている仕事が別なので、難易度の前にこの違いで選べます。取ったあとに就きたい仕事が上の表のどちらに入るかを先に見てください。

分類の根拠はe-Gov法令検索の条文本文で、引用した文が本文に実在することを機械照合しています(確認日 2026-07-26)。収録資格を同じ基準で分類した一覧は業務独占資格の一覧(根拠条文つき)にあります。

2. そもそも受けられるか(受験の前提条件)

  • 看護師: 受験資格あり。文部科学大臣指定の学校・厚生労働大臣指定の看護師養成所(大学・短大・専門学校など3〜4年)を卒業(見込み含む)することが必要(出典: 厚生労働省)
  • 薬剤師: 受験資格あり。大学の6年制薬学課程を修了(卒業見込み含む)することが必要(出典: 厚生労働省)

どちらにも受験の前提条件があります。条件の中身が違うので、いま自分がどちらの条件を満たしているかで、受けられる側が先に決まることがあります。

この2つ以外も候補に入れ直すなら、分野別のデータ表で受験資格の制限がない資格が各分野の先頭に並びます。

3. 勉強時間の差は、カレンダーだと何ヶ月か

1日の勉強時間 看護師 薬剤師
1時間 6.6〜11.5ヶ月(200〜350日) 39.5〜65.8ヶ月(1200〜2000日)
2時間 3.3〜5.8ヶ月(100〜175日) 19.7〜32.9ヶ月(600〜1000日)
3時間 2.2〜3.8ヶ月(67〜117日) 13.2〜21.9ヶ月(400〜667日)

目安の下限どうし・上限どうしで引き算すると、薬剤師のほうが1,000〜1,650時間多く必要です。1日2時間のペースなら16.4〜27.1ヶ月の差になります。難易度スコアの差を「自分のカレンダー上で何ヶ月ぶんか」に置き換えると、こうなります。出典は看護師が予備校公表値(最終学年からの国試対策の目安・看護師養成課程での学習は別)、薬剤師が予備校公表値(6年制薬学部での学習を除く国試対策の目安・約2,000時間)で、いずれも幅のある目安です。

1日の時間・開始日を自分の数字で入れて完了予定日を出すなら勉強時間シミュレーターを使ってください。上の表は毎日休まず進めた場合の単純計算です。

この比較で扱っていないこと

ここまでが当サイトのデータで言えることです。年収・求人数・就職のしやすさは一次データを持っていないため比較していません(出典を示せない数字は載せない方針です)。収入で選びたい場合は、上の「できる仕事の違い」で見た業務の求人を実際に検索して確かめてください。

試験の前に学校がある。看護師は入口が5つ、薬剤師は6年制の薬学課程だけ

薬剤師法第15条は受験資格を2つしか挙げていません。学校教育法に基づく大学において薬学の正規の課程(同法第87条第2項に規定するものに限る)を修めて卒業した者と、外国の薬学校を卒業し、または外国の薬剤師免許を受けた者で厚生労働大臣が同等以上の学力及び技能を有すると認定したものです。学校教育法第87条第2項は、薬学を履修する課程のうち臨床に係る実践的な能力を培うことを主たる目的とするものについて修業年限を6年と定めています(出典: e-Gov法令検索/2026-08-06確認)。国内で薬剤師を目指すなら、6年制の薬学課程を卒業する以外の道がありません。

看護師の入口は複数あります。保健師助産師看護師法第21条が挙げるのは、文部科学大臣の指定した大学で看護師になるのに必要な学科を修めて卒業した者、文部科学大臣の指定した学校で3年以上学んだ者、都道府県知事の指定した看護師養成所を卒業した者、免許を得た後3年以上業務に従事している准看護師または高等学校等を卒業している准看護師で大学・学校・養成所において2年以上修業した者、外国の学校等を卒業し厚生労働大臣が同等以上と認めた者の5つです(出典: 同)。大学に行かずに養成所から入る道も、准看護師として働きながら進む道も条文に用意されています。

守られている仕事も違います。保健師助産師看護師法第5条は看護師を「傷病者若しくはじよく婦に対する療養上の世話又は診療の補助を行うことを業とする者」と定め、第31条第1項は「看護師でない者は、第五条に規定する業をしてはならない」としています。薬剤師法第19条は「薬剤師でない者は、販売又は授与の目的で調剤してはならない」と定めています(出典: 同)。片方は療養上の世話と診療の補助、もう片方は調剤です。

合格の決まり方も見ておいてください。厚生労働省が公表した第115回看護師国家試験の合格基準は、必修問題および一般問題を1問1点、状況設定問題を1問2点とし、(1)必修問題が50点満点中40点以上 (2)一般問題と状況設定問題が249点満点中166点以上、の両方を満たす者を合格とするものでした(出典: 厚生労働省「第112回保健師国家試験、第109回助産師国家試験及び第115回看護師国家試験の合格発表」/2026-08-06確認)。必修問題の側は8割という高い水準が置かれていて、ここを割ると他がどれだけよくても不合格になります。

編集部の見解

合格率で比べる意味はない。決めるのは「6年通えるか」と「働き方をどうしたいか」

この2つを合格率で比べないでください。どちらも指定された学校の課程を終えた人しか受けられない試験で、受験者は最初から絞り込まれています。上の表の数字は、その絞り込みを通過した集団の中での割合です。本当の関門は試験ではなく、その前の学校にあります。比べるべきなのは、6年通えるかどうかです。

進路として現実的なのは、時間とお金を何年出せるかで決まります。薬剤師は6年制の薬学課程を卒業する道しかありません。看護師は大学のほか、指定校で3年、養成所、准看護師から進むなど複数の入口があります。高校を出てすぐ働きながら資格に近づきたいなら、選べるのは看護師のほうです。逆に6年間を学業に充てられる環境があるなら、薬剤師はその期間そのものが参入障壁になって、資格の価値を守ってくれます。

働き方で選ぶなら、身体に触れるかどうかで分かれます。看護師の業務は療養上の世話と診療の補助で、患者のそばに立つ時間が長く、夜勤のある職場が中心になります。薬剤師の独占業務は調剤で、薬局や病院の薬剤部が主な職場です。生活のリズムを一定に保ちたいなら薬剤師、患者と直に関わる仕事に惹かれるなら看護師です。どちらが上という比較ではなく、続けられるほうを選んでください。

看護師国家試験を受けるなら、必修問題を最優先にしてください。第115回の合格基準では必修問題が50点満点中40点以上で、ここを割れば一般問題と状況設定問題がどれだけよくても不合格でした。取りこぼしの許される幅が狭いので、学習の順番は必修から固める形にしてください。難しい範囲を先に潰したくなりますが、この試験ではその順番が裏目に出ます。

この見解が寄りかかっているデータ
  • 「合格率で比べない」の根拠は、保健師助産師看護師法第21条と薬剤師法第15条がどちらも指定の課程の修了を受験資格にしていること(上の出典一覧)
  • 「入口の数」の根拠は、保助看法第21条が5つの資格要件を挙げるのに対し、薬剤師法第15条が2つ(うち国内は6年制課程の卒業のみ)であること、および学校教育法第87条第2項
  • 働き方の違いは、保助看法第5条・第31条と薬剤師法第19条の業務の定め、および上の「法律で認められる仕事がどう違うか」の表
  • 「必修から固める」の根拠は、厚生労働省が公表した第115回看護師国家試験の合格基準

上のデータ表・条文の分類・勉強時間の算術は出典にもとづく事実の提示で、この枠の中は資格のものさし編集部の評価と推奨です。判断の分かれ方は編集方針に書いています。

この比較の算出方法

両資格とも同一の式(合格率0.45・勉強時間0.35・受験資格0.20の加重)に一次データを入れて機械的に比較しています。重みの根拠と偏差値換算の定義は算出式の公開ページ、ほかの資格との比較は資格難易度ランキングにあります。

よくある質問

看護師と薬剤師はどっちが難しいですか?

当サイトの難易度スコア(合格率・勉強時間・受験資格から算出し、式を公開)で比較すると、薬剤師が50.1、看護師が34.3で、薬剤師の方が高難度です。偏差値換算では看護師33.3・薬剤師46.8です。

勉強時間はどのくらい違いますか?

看護師は200〜350時間(出典: 予備校公表値(最終学年からの国試対策の目安・看護師養成課程での学習は別))、薬剤師は1,200〜2,000時間(出典: 予備校公表値(6年制薬学部での学習を除く国試対策の目安・約2,000時間))が目安です。学習経験や環境で個人差があるため、幅で見てください。

合格率だけで比べてもいいですか?

合格率は受験資格や母集団の違いで意味が変わるため、単純比較には向きません。当サイトは合格率0.45・勉強時間0.35・受験資格0.20の重みで合成した難易度スコアで比較し、母集団に注意が必要な試験は本文に注記を出しています。

看護師と薬剤師では、できる仕事がどう違いますか?

どちらも業務独占資格です。看護師は療養上の世話・診療の補助、薬剤師は販売・授与目的の調剤が、それぞれ資格を持つ人にしかできないと法律で定められています。守っている仕事が別なので、難易度の前にこの違いで選べます。取ったあとに就きたい仕事が上の表のどちらに入るかを先に見てください。

出典

  1. 第115回看護師国家試験の合格基準(必修問題40点以上/50点・一般問題と状況設定問題166点以上/249点)出典: 厚生労働省(2026-08-06確認)
  2. 看護師 合格率(第114回・令和7年(受験63,131/合格56,906))出典: 厚生労働省(確認日
  3. 看護師 合格率(第113回・令和6年(受験63,301/合格55,557))出典: 厚生労働省(確認日
  4. 看護師 勉強時間の目安 出典: 予備校公表値(最終学年からの国試対策の目安・看護師養成課程での学習は別)(確認日
  5. 国家試験合格発表(看護師国家試験・薬剤師国家試験の実施と発表)出典: 厚生労働省(2026-08-06確認)
  6. 薬剤師 合格率(第110回・令和7年(受験13,310/合格9,164))出典: 厚生労働省(確認日
  7. 薬剤師 合格率(第109回・令和6年(受験13,585/合格9,296))出典: 厚生労働省(確認日
  8. 薬剤師 勉強時間の目安 出典: 予備校公表値(6年制薬学部での学習を除く国試対策の目安・約2,000時間)(確認日
  9. 保健師助産師看護師法第5条(定義)・第21条(看護師国家試験の受験資格)・第31条(業務独占)出典: e-Gov法令検索(2026-08-06確認)
  10. 薬剤師法第2条(免許)・第15条(受験資格)・第19条(調剤)出典: e-Gov法令検索(2026-08-06確認)
  11. 学校教育法第87条第2項(薬学を履修する課程の修業年限は6年)出典: e-Gov法令検索(2026-08-06確認)