データ比較表(ITストラテジスト vs 診断士)
| 項目 | ITストラテジスト | 診断士 |
|---|---|---|
| 難易度スコア | 52.5 | 56.2 |
| 偏差値(難易度スコア換算) | 52.1 | 54.9 |
| 難易度順位(スコア算出77資格中) | 32位 | 22位 |
| 直近合格率の平均 | 15.4% | 26.9%第1次試験 |
| 勉強時間の目安 | 150〜200時間 | 約1,000時間 |
| 受験資格 | 受験資格なし(誰でも受験可) | 受験資格なし(誰でも受験可) |
| 受験料 | 7,500円 | 17,200円 |
| 試験日程 | 年1回。令和8年度からCBT方式の「前期試験」に移行(春期試験は廃止)。令和8年度前期:申込受付2026年10月6日〜10月24日、科目A-1・A-2試験2026年10月17日〜10月27日、科目B-1・B-2試験2026年11月11日〜11月23日 | 年1回。1次試験は8月上旬の2日間(令和8年度は8月1日・2日)、2次筆記試験は10月(令和8年度は10月25日) |
| 実施機関 | 情報処理推進機構(IPA) | 中小企業診断士協会連合会(指定試験機関) |
年度別の推移と出典URLは、 ITストラテジストの難易度と 診断士の難易度の各ページにあります。
平均に使った回
- ITストラテジスト: 令和7年度春期(2025年4月)/令和6年度春期(2024年4月)/令和5年度春期(2023年4月)
- 診断士: 令和7年度(第1次試験)/令和6年度(第1次試験)/令和5年度(第1次試験)
合格率の母集団に関する注意
- ITストラテジスト: 高度試験の多段階構造(午前Ⅰ〜午後Ⅱ・午前Ⅰ免除制度あり)。合格率は受験者ベース。勉強時間は前提知識により大きく変動する(出典元に1,000時間以上かける例もあると付記)。令和8年度からCBT方式の前期試験(10〜11月)へ移行
- 診断士: 合格率は第1次試験の値です(合格率=試験合格者数÷欠席科目のない受験者数)。第2次試験は別統計で、令和7年度は筆記受験7,044人・合格1,240人・合格率17.6%(出典: https://www.jf-cmca.jp/attach/test/r07/r7_2ji_toukei.pdf)。資格取得には1次・2次の両方の合格が必要。令和8年度から受験手数料改定などの制度変更あり
ITストラテジストの平均合格率15.4%と診断士の平均第1次試験合格率26.9%は、どちらもこの注記がついた数字です。母集団の作り方が違うまま並べても同じ意味にならないので、このページは合格率単体ではなく、勉強時間と受験資格も合成した難易度スコアで比べています。
どちらを受けるか(データから言えること)
1. 法律で認められる仕事がどう違うか
- ITストラテジスト: 業務独占・名称独占・必置のいずれの規定も現行条文で確認できませんでした。情報処理の促進に関する法律26条に基づき経済産業大臣が実施する情報処理技術者試験の合格で、法令上の業務・名称の独占規定はありません。同法で独占規定があるのは、登録制の情報処理安全確保支援士(24条)だけです。
- 診断士: 業務独占・名称独占・必置のいずれの規定も現行条文で確認できませんでした。中小企業支援法11条は経営診断業務に従事する者の登録制度を定めていますが、無登録者の業務や「中小企業診断士」の名称使用を禁止する規定は同法に置かれていません。名称独占と紹介されることの多い資格ですが、法律上の明文規定は確認できませんでした。
どちらにも業務独占の規定はありません。法律の面では差が出ないので、選ぶ材料は入口の条件と学習量のほうになります(ITストラテジストは受験資格なしで150〜200時間、診断士は受験資格なしで約1,000時間)。
2. そもそも受けられるか(受験の前提条件)
ITストラテジスト(受験料7,500円)も診断士(17,200円)も、上の実文のとおり受験の前提条件が置かれていません。どちらから始めるかを分けるのは、情報処理推進機構(IPA)と中小企業診断士協会連合会(指定試験機関)が公表する日程と、払う受験料のほうです。
3. 勉強時間の差は、カレンダーだと何ヶ月か
| 1日の勉強時間 | ITストラテジスト | 診断士 | 差(診断士が長い) |
|---|---|---|---|
| 1時間 | 4.9〜6.6ヶ月(150〜200日) | 約32.9ヶ月(1000日) | 26.3〜28.0ヶ月 |
| 2時間 | 2.5〜3.3ヶ月(75〜100日) | 約16.4ヶ月(500日) | 13.1〜13.9ヶ月 |
| 3時間 | 1.6〜2.2ヶ月(50〜67日) | 約11.0ヶ月(334日) | 8.8〜9.4ヶ月 |
目安の下限どうし・上限どうしで引き算すると、診断士のほうが800〜850時間多く必要です。1日2時間のペースなら13.1〜13.9ヶ月の差になります。
この比較で扱っていないこと
- 持っているデータ: 情報処理推進機構(IPA)と中小企業診断士協会連合会(指定試験機関)が出している合格率・受験料・試験日程。勉強時間の目安はITストラテジストがスタディング公表値(合格者は150〜200時間程度が多い。前提知識により1,000時間以上かける例もあると同ページに付記)、診断士がアガルートアカデミー(通信講座公表値・1次2次合計)の公表値
- 合格率の範囲: どちらも直近3回分の平均。それより前の回は入っていません
- 載せていないもの: 年収と求人数(ITストラテジスト・診断士とも一次データが無いため)
ITストラテジストに合格すると、診断士の「経営情報システム」が免除される
ITストラテジストに合格すると、診断士の第1次試験の「経営情報システム」が免除されます。中小企業診断士の登録等及び試験に関する規則第41条第1項第6号が、情報処理技術者試験のうち特定の区分の合格者を免除の対象に挙げています。
対象はITストラテジスト試験、システムアーキテクト試験、プロジェクトマネージャ試験、システム監査技術者試験または応用情報技術者試験の合格者です(出典: e-Gov法令検索)。第1次試験の7科目のうち1科目が消えます。
逆向きはありません。IPAの試験要綱が定める免除制度は、高度試験および情報処理安全確保支援士試験の科目A-1について、応用情報技術者試験の合格、いずれかの高度試験・支援士試験の合格などを条件にするものです。
中小企業診断士はこの条件に含まれていません(出典: 情報処理推進機構・試験要綱)。診断士に合格しても、ITストラテジストの科目は1つも減りません。
試験の形は、どちらも書かせる試験です。診断士は第1次試験が7科目の多肢選択式または短答式による筆記で、第2次試験が別に行われます(同規則第40条・第42条)。
ITストラテジスト試験は、科目A群と科目B群を別日に実施します(出典: 同要綱)。
科目A-1は50分(共通問題30問)、科目A-2は40分の多肢選択式25問です。
科目B-1は90分の記述式で3問出題2問解答、科目B-2は120分の論述式で2問出題1問解答です。
実施の周期と、合格の残り方も違います。要綱の実施時期はITストラテジスト試験が前期です。ITストラテジストの合格に有効期間はなく、更新の規定もありません。
診断士は第1次試験の科目合格が合格年度の初めから3年以内、第2次試験は第1次試験に合格した年度かその前年度に限って受けられます(同規則第41条第2項・第43条第1項)。
さらに同規則第1条第1項は、申請日前3年以内の合格と、実務従事または実務補習の日数の合計が15日以上であることを登録の条件とし、第8条は登録の有効期間を5年としています(出典: e-Gov法令検索)。
編集部の見解
両方ほしいならITストラテジストが先。診断士から入ると1科目ぶん損をする
順番は決まっています。ITストラテジストを先に取ってください。合格すれば診断士の第1次試験から「経営情報システム」が消えます。診断士を先に取っても、ITストラテジストは1問も減りません。
同じ2つを手に入れるのに、順番を逆にすると1科目ぶん余計に勉強することになります。なお免除の対象は応用情報技術者試験の合格でも足りるので、ITストラテジストが重いと感じるなら応用情報でも同じ効果が得られます。
どちらか1つなら、独立するつもりがあるかで決めてください。診断士は登録すれば経営の診断・助言を名乗って外に出られる資格です。ITストラテジストは情報処理技術者試験の1区分で、登録の制度がありません。
会社の中でIT戦略を担う立場を証明したいならITストラテジスト、会社の外に出て経営者と話す仕事をしたいなら診断士です。
維持のコストも先に見てください。診断士は登録の有効期間が5年で、更新しなければ資格が切れます。しかも合格から3年以内に実務従事または実務補習を15日以上こなして登録まで済ませないと、その合格が使えなくなります。
ITストラテジストの合格に期限も更新もありません。取ったあと数年動かない可能性があるなら、診断士は選ばないでください。
学習の負荷のかかり方も違います。ITストラテジストは論述式が1問あり、時間内に構成を決めて書き切る練習が要ります。診断士は第1次が7科目の広さ、第2次が事例を読んで答える形で、負荷が量に出ます。
深く書く練習に耐えられるならITストラテジスト、広く浅く積み上げるのが得意なら診断士のほうが自分の力を出せます。
この見解が寄りかかっているデータ
- 順番の推奨は、中小企業診断士の登録等及び試験に関する規則第41条第1項第6号がITストラテジスト試験と応用情報技術者試験を免除対象に挙げていることと、IPAの試験要綱の免除制度に診断士が入っていないこと(上の出典一覧)
- 維持コストの差は、同規則第1条第1項(合格から3年・実務15日以上)と第8条(有効期間5年)、および情報処理技術者試験の合格に期限の定めがないこと
- 学習の負荷の違いは、試験要綱のITストラテジスト試験の出題形式(記述式・論述式)と、同規則第40条の第1次試験7科目
- 学習量の差は、上の難易度スコアと勉強時間の表(各資格ページの一次データから算出)
この比較の算出方法
スコア52.5と56.2は、上の比較表にある合格率・勉強時間の目安・受験資格を、同じ式に入れた値です。
よくある質問
ITストラテジストと診断士はどっちが難しいですか?
診断士の方が難しい試験です。難易度スコアは中小企業診断士が56.2、ITストラテジスト試験が52.5で、偏差値換算と合格率は本文の比較表にあります。
勉強時間はどのくらい違いますか?
幅の中央値どうしで割ると診断士の方が約5.7倍です。目安はITストラテジストが150〜200時間、診断士が約1,000時間(出典はページ末尾の一覧)。出典が違えば数字も動くので、幅のまま見てください。
ITストラテジストの平均合格率15.4%と診断士の平均第1次試験合格率26.9%は、そのまま比べられますか?
そのままは比べられません。受験資格は同じ(受験資格なし)ですが、実施機関が情報処理推進機構(IPA)と中小企業診断士協会連合会(指定試験機関)で違い、受験する人の層も試験形式も別だからです。ITストラテジストと診断士の数字には、本文の「合格率の母集団に関する注意」がついています。このページは合格率単体で順位を付けず、勉強時間と受験資格も合成した難易度スコアで比べています(年度ごとの推移は各資格のページ)。
ITストラテジストと診断士では、できる仕事がどう違いますか?
ITストラテジストにも診断士にも、その資格が無いとできないと法律が定めた仕事はありません。分野はITと「その他」に分かれますが、どちらを持っていても、名乗り方や就ける職に法律上の制限は付きません。
出典
- ITストラテジスト 合格率(令和5年度春期(2023年4月))出典: 情報処理推進機構(IPA)(確認日 )
- ITストラテジスト 勉強時間の目安 出典: スタディング公表値(合格者は150〜200時間程度が多い。前提知識により1,000時間以上かける例もあると同ページに付記)(確認日 )
- ITストラテジスト 受験料 出典: 情報処理推進機構(IPA)(確認日 )
- ITストラテジスト 試験日程 出典: 情報処理推進機構(IPA)(確認日 )
- 診断士 合格率(令和7年度(第1次試験))出典: 中小企業診断士協会連合会(指定試験機関)(確認日 )
- 診断士 合格率(令和6年度(第1次試験))出典: 中小企業診断士協会連合会(指定試験機関)(確認日 )
- 診断士 合格率(令和5年度(第1次試験))出典: 中小企業診断士協会連合会(指定試験機関)(確認日 )
- 診断士 勉強時間の目安 出典: アガルートアカデミー(通信講座公表値・1次2次合計)(確認日 )
- 診断士 受験料 出典: 中小企業診断士協会連合会(指定試験機関)(確認日 )
- 診断士 試験日程 出典: 中小企業診断士協会連合会(指定試験機関)(確認日 )
- 中小企業診断士の登録等及び試験に関する規則 第1条(登録の条件)/第8条(有効期間5年)/第40条(第一次試験の科目)/第41条第1項第6号・第2項(免除)/第43条第1項(第二次試験受験の要件)出典: e-Gov法令検索(2026-08-06確認)
- 情報処理技術者試験 試験要綱Ver.5.6(ITストラテジスト試験の試験時間・出題形式・出題数/実施時期/免除制度)出典: 情報処理推進機構(2026-08-06確認)
- ITストラテジスト試験(対象者像・試験時間・出題形式)出典: 情報処理推進機構(2026-08-06確認)