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資格のものさし

ITパスポートと基本情報はどっちが難しい?

ITパスポートと基本情報の間では、難易度スコアの差は4.5、平均合格率の差は7.3ポイント、勉強時間の目安は中央値で35時間ひらいています。実施機関はどちらも情報処理推進機構(IPA)です。片方だけの合格率の推移・受験資格・試験日程を見るなら、 ITパスポートの難易度と 基本情報の難易度に、 それぞれ単独のデータページがあります。

データ比較表(ITパスポート vs 基本情報)

項目 ITパスポート 基本情報
難易度スコア 36.0 40.5
偏差値(難易度スコア換算) 39.8 43.1
難易度順位(スコア算出77資格中) 65位 59位
直近合格率の平均 49.3% 42.1%
勉強時間の目安 100〜180時間 150〜200時間
受験資格 受験資格なし(誰でも受験可) 受験資格なし(誰でも受験可)
受験料 7,500円 7,500円
試験日程 CBT方式で通年・随時実施 CBT方式で通年・随時実施
実施機関 情報処理推進機構(IPA) 情報処理推進機構(IPA)

年度別の推移と出典URLは、 ITパスポートの難易度と 基本情報の難易度の各ページにあります。

平均に使った回
  • ITパスポート: 令和7年度(年度合計)/令和6年度(年度合計)/令和5年度(年度合計)
  • 基本情報: 令和7年度(年度合計)/令和6年度(年度合計)/令和5年度(年度合計)

どちらを受けるか(データから言えること)

1. 法律で認められる仕事がどう違うか

  • ITパスポート・基本情報: 業務独占・名称独占・必置のいずれの規定も現行条文で確認できませんでした。情報処理の促進に関する法律26条に基づき経済産業大臣が実施する情報処理技術者試験の合格で、法令上の業務・名称の独占規定はありません。同法で独占規定があるのは、登録制の情報処理安全確保支援士(24条)だけです。

どちらにも業務独占の規定はありません。法律の面では差が出ないので、選ぶ材料は入口の条件と学習量のほうになります(ITパスポートは受験資格なしで100〜180時間、基本情報は受験資格なしで150〜200時間)。

ITパスポート・基本情報とも規定なしという判定は、e-Gov法令検索の条文本文と機械照合したものです(確認日 2026-07-26)。同じ基準の一覧は業務独占資格の一覧にあります。

2. そもそも受けられるか(受験の前提条件)

  • ITパスポート: 受験資格の制限なし(受験要領に年齢・学歴等の制限の記載なし)
  • 基本情報: 受験資格の制限なし(IPAの試験区分ページに制限の記載なし)

ITパスポート(受験料7,500円)も基本情報(7,500円)も、上の実文のとおり受験の前提条件が置かれていません。どちらから始めるかを分けるのは、情報処理推進機構(IPA)が公表する日程と、払う受験料のほうです。

ITパスポートも基本情報も分野はITです。同じ分野のほかの選択肢は、分野別のデータ表の IT の表を見てください。

3. 勉強時間の差は、カレンダーだと何ヶ月か

1日の勉強時間 ITパスポート 基本情報 差(基本情報が長い)
1時間 3.3〜5.9ヶ月(100〜180日) 4.9〜6.6ヶ月(150〜200日) 0.7〜1.6ヶ月
2時間 1.6〜3.0ヶ月(50〜90日) 2.5〜3.3ヶ月(75〜100日) 0.3〜0.9ヶ月
3時間 1.1〜2.0ヶ月(34〜60日) 1.6〜2.2ヶ月(50〜67日) 0.2〜0.5ヶ月

目安の下限どうし・上限どうしで引き算すると、基本情報のほうが20〜50時間多く必要です。1日2時間のペースなら0.3〜0.9ヶ月の差になります。

1日に取れる時間で開きは伸び縮みします(表の「差」の列)。

どちらも幅のある目安です。出典はITパスポートがスタディング、基本情報がフォーサイトです(注記はページ末尾の出典一覧)。

上の表は毎日休まず進めた場合の単純計算です。ITパスポート・基本情報それぞれの開始日と1日の時間を入れて完了予定日を出すなら、勉強時間シミュレーターがあります。

この比較で扱っていないこと

  • 持っているデータ: 情報処理推進機構(IPA)が出している合格率・受験料・試験日程。勉強時間の目安はITパスポートがスタディング(通信講座公表値・初心者約180時間/基礎知識ありで約100〜150時間)、基本情報がフォーサイト(通信講座公表値・独学の場合)の公表値
  • 合格率の範囲: どちらも直近3回分の平均。それより前の回は入っていません
  • 載せていないもの: 年収と求人数(ITパスポート・基本情報とも一次データが無いため)

基本情報の科目A免除は、ITパスポート合格では手に入らない

ITパスポートに合格しても、基本情報の科目は免除されません。

基本情報の科目A免除の入口はIPAの認定講座で、受講して修了試験(科目A試験に相当)に合格するなどの基準を満たすと1年間免除されます(出典: 情報処理推進機構「科目A試験免除制度 基本情報技術者試験(FE)」)。

試験要綱が定めるもう一つの免除制度は高度試験・情報処理安全確保支援士試験の科目A-1を対象とするもので、ITパスポート試験の合格を理由にした規定はありません。ITパスポートは基本情報の前段として制度上つながってはいない、ということです。

試験の形も違います。ITパスポート試験は120分・小問100問の四肢択一で、出題はストラテジ系35問程度・マネジメント系20問程度・テクノロジ系45問程度です。

基本情報技術者試験は科目Aが90分60問の四肢択一(知識を問う)、科目Bが100分20問(技能を問う)です。

科目Bの内訳はアルゴリズムとプログラミング16問・情報セキュリティ4問です(出典: 情報処理推進機構・試験要綱Ver.5.6ほか)。

基本情報だけがコードを読んで動かす力を直接測っています。

合格の決まり方も違います。どちらも一部の分野を捨てて他で埋める戦い方ができません。

ITパスポート試験は総合評価点600点以上(1,000点満点)に加えて、ストラテジ系・マネジメント系・テクノロジ系の分野別評価点がそれぞれ300点以上(各1,000点満点)必要です。

基本情報技術者試験は科目A・科目Bの評価点がどちらも600点以上(各1,000点満点)で合格になります(出典: 同・試験要綱)。

編集部の見解

IT職を目指すならITパスポートは飛ばす。IT以外の職種ならITパスポートで足りる

エンジニアやIT部門で働くつもりなら、ITパスポートを踏まずに基本情報から始めてください。ITパスポートに受かっても基本情報の科目は1つも免除されないので、2つ受けると勉強時間も受験料もそのぶん重なります。

上の「勉強時間の差は、カレンダーだと何ヶ月か」の表を見てください。2つとも受けるなら、その2つの期間を足した月数がかかります。基本情報1本に寄せたときとの差が、そのまま失う時間です。

基本情報の科目Aは、ITパスポートで問われる3分野をレベルを上げて問い直す構成なので、最初から基本情報の教材で学べば下の層も一緒に埋まります。

逆に、営業・企画・事務・人事など、IT部門以外の職種で「ITの基礎が分かる」と示したいならITパスポートで十分です。

基本情報の科目Bはアルゴリズムとプログラミングが大半を占めていて、コードを読む練習に相当の時間を使います。その時間は、ITを使う側の仕事には返ってきません。ここで基本情報を選ぶのは、要らない負荷を自分に課すことになります。

どちらを受けるにしても、分野を捨てる作戦は立てないでください。ITパスポートは3分野すべてで基準点を超える必要があり、基本情報は科目A・科目Bの両方で基準点を超える必要があります。

得意分野で稼いで苦手分野を埋める、が構造的にできない試験です。学習計画は、苦手な分野を最後に残さない順番で組んでください。

この見解が寄りかかっているデータ
  • 「ITパスポートを飛ばす」の根拠は、IPAの免除制度が認定講座の修了と高度試験の科目A-1しか対象にしておらず、ITパスポート合格による免除規定が試験要綱にないこと(上の出典一覧)
  • 「IT以外ならITパスポートで足りる」の根拠は、基本情報の科目Bがアルゴリズムとプログラミング16問・情報セキュリティ4問で構成されていること(試験要綱の出題数)
  • 重なる時間の見積もりは、上の「勉強時間の差は、カレンダーだと何ヶ月か」の表。数字は各資格ページの勉強時間の目安(出典つき)から算出しています
  • 「分野を捨てられない」の根拠は、両試験の合格基準(ITパスポートは分野別評価点、基本情報は科目別評価点)

ここまでは出典にもとづく事実で、この枠の中は資格のものさし編集部の評価と推奨です(編集方針)。

この比較の算出方法

スコア36.0と40.5は、上の比較表にある合格率・勉強時間の目安・受験資格を、同じ式に入れた値です。

式の重みは合格率0.45・勉強時間0.35・受験資格0.20で、根拠は算出式のページに、ほかの資格との比較はランキングにあります。

よくある質問

ITパスポートと基本情報はどっちが難しいですか?

基本情報の方が難しい試験です。難易度スコアは基本情報技術者試験(FE)が40.5、ITパスポート試験が36.0で、偏差値換算と合格率は本文の比較表にあります。

勉強時間はどのくらい違いますか?

幅の中央値どうしで割ると基本情報の方が約1.3倍です。目安はITパスポートが100〜180時間、基本情報が150〜200時間(出典はページ末尾の一覧)。出典が違えば数字も動くので、幅のまま見てください。

ITパスポートの平均合格率49.3%と基本情報の平均合格率42.1%は、そのまま比べられますか?

そのままは比べられません。受験資格は同じ(受験資格なし)ですが、同じ情報処理推進機構(IPA)の試験でも受験する人の層も試験形式も別だからです。このページは合格率単体で順位を付けず、勉強時間と受験資格も合成した難易度スコアで比べています(年度ごとの推移は各資格のページ)。

ITパスポートと基本情報では、できる仕事がどう違いますか?

ITパスポートにも基本情報にも、その資格が無いとできないと法律が定めた仕事はありません。分野はどちらもITで、どちらを持っていても、名乗り方や就ける職に法律上の制限は付きません。

出典

  1. ITパスポート 合格率(令和5年度(年度合計))出典: 情報処理推進機構(IPA)(確認日 )
  2. ITパスポート 勉強時間の目安 出典: スタディング(通信講座公表値・初心者約180時間/基礎知識ありで約100〜150時間)(確認日 )
  3. ITパスポート 試験日程 出典: 情報処理推進機構(IPA)(確認日 )
  4. 基本情報 合格率(令和5年度(年度合計))出典: 情報処理推進機構(IPA)(確認日 )
  5. 基本情報 勉強時間の目安 出典: フォーサイト(通信講座公表値・独学の場合)(確認日 )
  6. 基本情報 受験料 出典: 情報処理推進機構(IPA)(確認日 )
  7. 基本情報 試験日程 出典: 情報処理推進機構(IPA)(確認日 )
  8. 基本情報技術者試験(FE)科目A試験免除制度の概要(IPA認定講座の受講と修了試験・1年間の免除)出典: 情報処理推進機構(2026-08-05確認)
  9. 情報処理技術者試験 試験要綱Ver.5.6(採点方式・配点・合格基準/出題形式と出題数/免除制度)出典: 情報処理推進機構(2026-08-05確認)
  10. ITパスポート試験の試験内容・出題範囲(試験時間・出題数・分野別出題数・合格基準)出典: 情報処理推進機構(2026-08-05確認)