データ比較表(一級建築士 vs 二級建築士)
| 項目 | 一級建築士 | 二級建築士 |
|---|---|---|
| 難易度スコア | 72.0 | 63.7 |
| 偏差値(難易度スコア換算) | 66.7 | 60.5 |
| 難易度順位(スコア算出77資格中) | 5位 | 13位 |
| 直近合格率の平均 | 10.0% | 22.2% |
| 勉強時間の目安 | 700〜1,500時間 | 500〜700時間 |
| 受験資格 | 受験資格あり(学歴・養成課程・前提資格など) | 受験資格あり(学歴・養成課程・前提資格など) |
| 受験料 | 17,000円 | 18,500円 |
| 試験日程 | 年1回。学科の試験は7月下旬、設計製図の試験は10月中旬。学科合格者のみ設計製図に進む | 年1回。学科の試験は例年7月、設計製図の試験は例年9月に実施し、総合合格発表は例年12月 |
| 実施機関 | 公益財団法人 建築技術教育普及センター | 公益財団法人 建築技術教育普及センター |
年度別の推移と出典URLは、 一級建築士の難易度と 二級建築士の難易度の各ページにあります。
合格率の母集団に関する注意
- 一級建築士: 「学科の試験」→「設計製図の試験」の2段階。掲載値は建築技術教育普及センターが公表する総合合格率(2段階を通した最終合格率・令和7年11.4%)で、学科のみ・製図のみの各段階合格率(令和7年は学科16.5%・製図35.0%)とは別物。設計製図には過年度の学科合格者(学科免除者)が含まれるため母集団が単年で完結しない。受験には建築系の学歴または資格が必要
- 二級建築士: 「学科の試験(例年7月)」→「設計製図の試験(例年9月)」の2段階。掲載値は最終の総合合格率(その年の実受験者に対する最終合格者の割合)。各段階の合格率は令和7年で学科40.9%・製図46.4%と高めだが、両方を突破する総合合格率は22%前後。受験には学歴要件または7年以上の実務経験が必要で、誰でもすぐ受けられる試験ではない
一級建築士の平均合格率10.0%と二級建築士の平均合格率22.2%は、どちらもこの注記がついた数字です。母集団の作り方が違うまま並べても同じ意味にならないので、このページは合格率単体ではなく、勉強時間と受験資格も合成した難易度スコアで比べています。
どちらを受けるか(データから言えること)
1. 法律で認められる仕事がどう違うか
| 資格 | 分類 | 対象 | 根拠条文 |
|---|---|---|---|
| 一級建築士 | 業務独占 | 大規模建築物の設計・工事監理 | 建築士法第3条第1項 |
| 一級建築士 | 名称独占 | 建築士の名称 | 建築士法第34条第1項 |
| 二級建築士 | 業務独占 | 中規模建築物の設計・工事監理 | 建築士法第3条の2第1項 |
| 二級建築士 | 名称独占 | 上位資格名称の使用制限 | 建築士法第34条第2項 |
どちらも業務独占資格です。一級建築士は大規模建築物の設計・工事監理、二級建築士は中規模建築物の設計・工事監理が、それぞれ資格を持つ人にしかできないと法律で定められています。
根拠はどちらも建築士法で、同じ法律の中で担当が分けられています。上の表の「対象」の欄を見比べてください。
2. そもそも受けられるか(受験の前提条件)
- 一級建築士: 受験資格あり。建築系の大学・短大・高専・専修学校等で国土交通大臣指定の指定科目を修めて卒業、または二級建築士・建築設備士の資格が必要。令和2年の建築士法改正で学科・設計製図の受験に実務経験は不要となり、実務経験は免許登録時に審査される(出典: 建築技術教育普及センター)
- 二級建築士: 受験資格あり。建築系の大学・短大・高専・高校・専修学校等で国土交通大臣指定の指定科目を修めて卒業した者は実務経験なし(最短0年)で受験可。建築に関する学歴がない場合は実務経験7年以上が必要(出典: 建築技術教育普及センター)
一級建築士にも二級建築士にも受験の前提条件があります。受験料は一級建築士が17,000円、二級建築士が18,500円ですが、その前に上の実文を両方読んで、いま自分が満たしているのはどちらかを確かめてください。満たしている側が、先に受けられる側です。
3. 勉強時間の差は、カレンダーだと何ヶ月か
| 1日の勉強時間 | 一級建築士 | 二級建築士 | 差(一級建築士が長い) |
|---|---|---|---|
| 1時間 | 23.0〜49.3ヶ月(700〜1500日) | 16.4〜23.0ヶ月(500〜700日) | 6.6〜26.3ヶ月 |
| 2時間 | 11.5〜24.7ヶ月(350〜750日) | 8.2〜11.5ヶ月(250〜350日) | 3.3〜13.2ヶ月 |
| 3時間 | 7.7〜16.4ヶ月(234〜500日) | 5.5〜7.7ヶ月(167〜234日) | 2.2〜8.7ヶ月 |
目安の下限どうし・上限どうしで引き算すると、一級建築士のほうが200〜800時間多く必要です。1日2時間のペースなら3.3〜13.2ヶ月の差になります。
この比較で扱っていないこと
- 持っているデータ: 公益財団法人 建築技術教育普及センターが出している合格率・受験料・試験日程。勉強時間の目安は一級建築士がSTUDYing(既習者は700〜1,000時間・初学者は1,000〜1,500時間)、二級建築士がSTUDYing(オンライン講座の公表値・約500〜700時間)の公表値
- 合格率の範囲: どちらも直近3回分の平均。それより前の回は入っていません
- 載せていないもの: 年収と求人数(一級建築士・二級建築士とも一次データが無いため)
二級建築士は、一級建築士の受験資格そのものになる
二級建築士に合格すれば、建築系の学校を出ていなくても一級建築士を受験できます。建築技術教育普及センターが公表する一級建築士試験の受験資格に「二級建築士」が挙がっているためです(出典: 建築技術教育普及センター)。
受験資格は、指定科目を修めて大学・短期大学・高等専門学校・専修学校等を卒業した者、二級建築士、建築設備士、その他国土交通大臣が特に認める者のいずれかです。この2つは、入口がどこにあるかで順番が決まる関係にあります。
受験と免許登録は別の段階です。同センターは「登録時に実務経験を審査することになりました」と案内しています(出典: 同)。試験に受かる時点では実務経験を問われず、免許登録の段階で見られます。
学習の計画では、試験日までの勉強時間と、免許を受けるまでの実務の時間を分けて数えてください。上の勉強時間の表は試験対策にかかる時間だけを扱っています。
実務経験の年数は建築士法第4条に書かれています。一級建築士の免許は、指定科目を修めて大学を卒業し建築実務2年以上、修業年限3年の短期大学を卒業し3年以上、短期大学・高等専門学校等を卒業し4年以上などが要件です。
「二級建築士として設計その他の国土交通省令で定める実務の経験を四年以上有する者」も一級の免許を受けられます(同条第2項)。
二級建築士の免許は、指定科目を修めて大学・高等専門学校等を卒業した者、高等学校等で指定科目を修めて卒業し建築実務2年以上の者などが受けられます。「建築実務の経験を七年以上有する者」も対象です(同条第4項・出典: e-Gov法令検索)。
建築の学校を出ていなくても、実務7年で二級の免許に届く道が条文にあります。
できる仕事の線は、建物の大きさで引かれています。建築士法第3条第1項は、一級建築士でなければ設計または工事監理をしてはならない建築物を定めています。
一級の専任は、学校・病院・劇場・映画館・観覧場・公会堂・集会場・百貨店の用途で延べ面積が500平方メートルを超えるもの、木造で高さが16メートルを超えるものまたは地階を除く階数が4以上のものなどです。
鉄筋コンクリート造・鉄骨造等で延べ面積が300平方メートルを超えるもの、高さが16メートルを超えるものまたは階数が4以上のもの、延べ面積が1,000平方メートルを超えかつ階数が2以上の建築物も一級の専任です。
第3条の2は、それ以外の建築物のうち一定規模のものを一級または二級建築士の範囲としています(出典: 同)。
その線は、鉄筋コンクリート造等で延べ面積30平方メートル超、延べ面積100平方メートル(木造は300平方メートル)超、または階数が3以上です。
編集部の見解
建築の学校を出ていないなら二級から。出ているなら二級を飛ばして一級を狙う
指定科目を修めて大学や高等専門学校を卒業しているなら、二級建築士は飛ばしてかまいません。その学歴だけで一級建築士試験の受験資格があり、免許登録に必要な建築実務の年数も学歴に応じて2年から4年と定められています。
二級を経由しても一級の試験が軽くなることはないので、間に1つ挟むぶんだけ遠回りになります。
建築の学校を出ていないなら、順番は二級からです。建築士法第4条第4項は、二級建築士の免許を受けられる者に「建築実務の経験を七年以上有する者」を挙げています。現場で7年積めば二級に届きます。
そして二級建築士は一級建築士試験の受験資格そのものになり、同条第2項第4号により、二級建築士として実務を4年以上積めば一級の免許登録の要件も満たせます。学歴のない人にとって、これが一級までつながる唯一の階段です。
二級で止めるかどうかは、扱いたい建物の大きさで決めてください。住宅と小規模な店舗を設計し続けるなら、二級で不足しません。
建築士法第3条第1項が一級建築士の専任と定めているのは、学校・病院・劇場・百貨店などで延べ面積500平方メートルを超えるもの、鉄筋コンクリート造等で延べ面積300平方メートルを超えるものなどです。
公共建築や中規模以上の非木造に関わりたいなら、一級を取らないと図面に名前を書けません。年収や肩書きではなく、この線を自分の仕事が越えるかどうかで判断してください。
計画を立てるときは、試験までの時間と免許までの時間を分けて数えてください。上の勉強時間の表は試験対策の目安で、免許登録に必要な建築実務の年数は含まれていません。
学生のうちに一級建築士試験に合格しても、免許を受けられるのは卒業後に実務を2年から4年積んでからです。「合格した年から一級建築士を名乗れる」という前提で就職や独立の計画を立てないでください。
この見解が寄りかかっているデータ
- 「学歴があるなら二級を飛ばす」の根拠は、建築技術教育普及センターが公表する一級建築士試験の受験資格と、建築士法第4条第2項第1号〜第3号の実務年数(上の出典一覧)
- 「学歴がないなら二級から」の根拠は、建築士法第4条第4項第4号(建築実務7年)と同条第2項第4号(二級建築士として実務4年)
- 「二級で止めるか」の根拠は、建築士法第3条第1項と第3条の2第1項が定める建物の規模の線引き
- 「試験と免許を分けて数える」の根拠は、同センターが登録時に実務経験を審査すると案内していることと、建築士法第4条の実務年数
- 学習量の差は、上の難易度スコアと勉強時間の表(各資格ページの一次データから算出)
この比較の算出方法
スコア72.0と63.7は、上の比較表にある合格率・勉強時間の目安・受験資格を、同じ式に入れた値です。
よくある質問
一級建築士と二級建築士はどっちが難しいですか?
一級建築士の方が難しい試験です。難易度スコアは一級建築士が72.0、二級建築士が63.7で、偏差値換算と合格率は本文の比較表にあります。
勉強時間はどのくらい違いますか?
幅の中央値どうしで割ると一級建築士の方が約1.8倍です。目安は一級建築士が700〜1,500時間、二級建築士が500〜700時間(出典はページ末尾の一覧)。出典が違えば数字も動くので、幅のまま見てください。
一級建築士の平均合格率10.0%と二級建築士の平均合格率22.2%は、そのまま比べられますか?
そのままは比べられません。受験資格は同じ(受験資格あり)ですが、同じ公益財団法人 建築技術教育普及センターの試験でも受験する人の層も試験形式も別だからです。一級建築士と二級建築士の数字には、本文の「合格率の母集団に関する注意」がついています。このページは合格率単体で順位を付けず、勉強時間と受験資格も合成した難易度スコアで比べています(年度ごとの推移は各資格のページ)。
一級建築士と二級建築士では、できる仕事がどう違いますか?
一級建築士は大規模建築物の設計・工事監理が業務独占、建築士の名称が名称独占、二級建築士は中規模建築物の設計・工事監理が業務独占、上位資格名称の使用制限が名称独占です。条文の実文と確認日は本文の表にあります。
出典
- 一級建築士 合格率(令和5年度・総合合格率)出典: 公益財団法人 建築技術教育普及センター(確認日 )
- 一級建築士 勉強時間の目安 出典: STUDYing(既習者は700〜1,000時間・初学者は1,000〜1,500時間)(確認日 )
- 一級建築士 試験日程 出典: 公益財団法人 建築技術教育普及センター(確認日 )
- 二級建築士 合格率(令和5年・総合(実受験22,328/合格4,985))出典: 公益財団法人 建築技術教育普及センター(確認日 )
- 二級建築士 勉強時間の目安 出典: STUDYing(オンライン講座の公表値・約500〜700時間)(確認日 )
- 二級建築士 試験日程 出典: 公益財団法人 建築技術教育普及センター(確認日 )
- 一級建築士試験の受験資格(二級建築士・建築設備士を含む)と免許登録時の実務経験審査 出典: 建築技術教育普及センター(2026-08-05確認)
- 建築士法第3条(一級建築士でなければできない設計又は工事監理)・第3条の2(一級又は二級)・第4条第2項第4項(免許と実務経験の年数)出典: e-Gov法令検索(2026-08-06確認)