注意
「学科の試験」→「設計製図の試験」の2段階。
- 掲載値は建築技術教育普及センターが公表する総合合格率(2段階を通した最終合格率・令和7年11.4%)で、学科のみ・製図のみの各段階合格率(令和7年は学科16.5%・製図35.0%)とは別物。
- 設計製図には過年度の学科合格者(学科免除者)が含まれるため母集団が単年で完結しない。
- 受験には建築系の学歴または資格が必要
一級建築士の偏差値(難易度スコア換算)
一級建築士の偏差値は66.7です(スコアを算出できる77資格中5位)。母集団の定義と換算式は算出式ページに。
図|一級建築士の難易度スコアの作り方(3要素の加重合成)
- 合格率(重み0.45)
- 勉強時間(重み0.35)
- 受験資格(重み0.20)
一級建築士の独占業務・設置義務(根拠条文)
一級建築士について、資格を持つ人に業務や名称を限定する規定、事業者に設置を義務づける規定を現行条文から拾いました(e-Gov法令検索の本文と機械照合・確認日 2026-07-26)。
| 分類 | 対象 | 根拠条文 |
|---|---|---|
| 業務独占 | 大規模建築物の設計・工事監理 | 建築士法第3条第1項 |
| 名称独占 | 建築士の名称 | 建築士法第34条第1項 |
- 建築士法第3条第1項: 対象は学校・病院等500平方メートル超、高さ13m超等の建築物(同項各号)。
法改正で規定は変わるので、業務の可否はリンク先の現行条文で確かめてください。収録98資格を同じ基準で分類した一覧は業務独占資格の一覧(根拠条文つき)にあります。
一級建築士を動画で学ぶ(YouTube)
当サイトのYouTubeチャンネル「@shikaku-monosashi」で公開している一級建築士の動画は3本(ショート3本)です。
合格率の推移
直近3回の合格率の平均は10.0%。受かるのはおよそ10人に1人です。回ごとの値は下の表に。
図|一級建築士の平均合格率は、収録資格の分布のどこか
| 年度・回 | 合格率 |
|---|---|
| 令和7年度・総合合格率(学科→設計製図の2段階) | 11.4% |
| 令和6年度・総合合格率 | 8.8% |
| 令和5年度・総合合格率 | 9.9% |
図|一級建築士の合格率のレンジ(帯=最小〜最大・縦線=平均)
合格基準点(合格ライン)
直近の令和7年は88点(125点満点の約7割)が合格ラインでした。学科は総得点の基準に加えて科目ごとの足切りがあり、1科目でも下回れば不合格です。
合格ラインは実施のたびに決まります。収録10回では満点の69.6〜77.6%のあいだで動きました。
図|一級建築士の合格基準点の推移(学科の試験・総得点(125点)・収録10回)
図の詳しい読み方
縦軸は84〜100点に拡大しているので、傾きをそのまま難しさの変化と読まないでください。
科目ごとの基準点と、基準が動いた回
ここに並べているのは「学科の試験」の総得点の基準点です。同時に5科目それぞれの基準点も設定され、公式は「各科目及び総得点の合格基準点すべてに達している者を合格とする」としています。
科目の基準点は計画11・環境設備11・法規16・構造16・施工13で、ほぼ動いていません。
動いたのは令和3年の計画10と令和2年の環境設備10の2回だけでした。
学科に通ったあとの設計製図はランクⅠ〜Ⅳの4段階区分で、点数の基準点が存在しません。
- 続けて実施された回のあいだで最も大きく動いたのは、令和元年から令和2年への9点。
- 令和6年・合格基準点 総得点92: 公式は「総じて難度が低かったことから、上記合格基準点としている」と付記
- 令和5年・合格基準点 総得点88: 公式は「総じて難度が高かったことから、上記合格基準点としている」と付記
- 令和3年・合格基準点 総得点87: 学科Ⅰ(計画)の基準点が11から10へ下がった年
- 令和2年・合格基準点 総得点88: 学科Ⅱ(環境・設備)の基準点が11から10へ下がった年。公式PDFは画像で、当サイトは原本を拡大して数値を読み取っている
出典: 建築技術教育普及センター「一級建築士試験『学科の試験』の合格基準点等について」。回ごとの出典URLと他の試験との比較は 合格点の推移に。
勉強時間の目安
目安は700〜1,500時間です。
図|一級建築士の勉強時間の目安をものさしに置くと
図の詳しい読み方
目安が取れた77資格の幾何平均を短いほうから数えると66番目で、中央値は245時間、最小は37時間、最大は5,477時間です。
1日2時間なら12〜25か月かかります。1日に取れる時間ごとの期間は下の表のとおりです。
| 1日の勉強時間 | かかる期間 | 日数 |
|---|---|---|
| 1時間 | 23.0〜49.3ヶ月 | 700〜1,500日 |
| 2時間 | 11.5〜24.7ヶ月 | 350〜750日 |
| 3時間 | 7.7〜16.4ヶ月 | 234〜500日 |
出典: STUDYing(既習者は700〜1,000時間・初学者は1,000〜1,500時間)(確認日 )。
換算の前提は算出式ページに、開始日から完了予定日そのものを出す道具は勉強時間シミュレーターにあります(一級建築士が選ばれた状態で開きます)。
一級建築士の試験の形式(一次出典)
学科は四肢択一125問を1日で解き、合格後に6時間30分の設計製図へ進みます。科目と時間の内訳は上の表のとおりです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 出題形式 | 「学科の試験」は四肢択一式。「設計製図の試験」はあらかじめ公表する課題の建築物についての設計図書の作成 |
| 学科の科目・出題数 | 学科Ⅰ(計画)20問、学科Ⅱ(環境・設備)20問、学科Ⅲ(法規)30問、学科Ⅳ(構造)30問、学科Ⅴ(施工)25問の計125問 |
| 学科の試験時間 | 学科Ⅰ・Ⅱで計2時間、学科Ⅲで1時間45分、学科Ⅳ・Ⅴで計2時間45分 |
| 設計製図の試験時間 | 1課題6時間30分 |
| 免除・特例 | 令和2年以降の「学科の試験」合格者は、引き続いて行われる4回の建築士試験のうち2回(合格年の設計製図を欠席する場合は3回)について学科の免除を受けられる |
令和8年から設計製図でも法令集が使え、携行できる条件は学科と同じ扱いになりました。もう1つ、製図の課題は学科の合否が出る前に公表されます。学科は7月下旬、課題公表はその直前、製図は10月中旬という日程です。
出典: 建築技術教育普及センター「令和8年 一級建築士試験 受験要領」 (確認日 )。
出題形式・科目構成・免除の条件は年度で変わります。申込の前に、実施団体の最新の受験案内で確認してください。
受験資格
受験資格あり。建築系の大学・短大・高専・専修学校等で国土交通大臣指定の指定科目を修めて卒業、または二級建築士・建築設備士の資格が必要。(区分: 学歴・養成課程・前提資格のいずれかが必要)
令和2年の建築士法改正で学科・設計製図の受験に実務経験は不要となり、実務経験は免許登録時に審査される(出典: 建築技術教育普及センター)
同じその他分野には36件を収録していて、うち25件は受験資格の制限がありません。 合格率・勉強時間の目安・受験料を縦に並べて見比べるならその他分野のデータ表が早く着きます。
一級建築士は入口と本番のどちらで絞る試験か
一級建築士は「入口も本番も絞る」型です。
スコアに合成する前の2軸、本番の重さ(合格率スコア90)と入口の重さ(受験資格スコア40)で位置を決めています。 2軸としきい値の決め方は算出式ページに。
図|一級建築士の位置(横軸=本番の重さ/縦軸=入口の重さ)
試験日程
年1回。学科の試験は7月下旬、設計製図の試験は10月中旬。
学科合格者のみ設計製図に進む
同じ時期のほかの試験は、資格試験の日程カレンダー(例年10月に試験がある資格の一覧)で見られます。
受験料
17,000円
非課税。インターネット申込。別途ネット決済手数料がかかる
独学 vs 通信講座
独学が向いている人
- 費用を抑えられる。二級建築士の知識があり、学科と製図を独力で仕上げられる人向け
- 勉強時間700〜1,500時間を、学科(7月)・製図(10月)の日程に合わせて配分できる
- 学科は市販テキストと過去問で対応しやすく、独学で突破する人もいる
通信講座が向いている人
- 設計製図のエスキス・作図の型や、時間内に仕上げる訓練を添削込みで身につけたい
- 学科16.5%・製図35.0%(令和7年・センター公表)という2つの関門を、年単位の計画に落として管理したい
- 働きながら数年計画で、学科と製図の進捗管理を仕組みに任せたい
一級建築士は設計製図が大きな関門です。講座選びの前に、学科を独学で突破できそうか、製図の作図に慣れているかを整理してください。必要な対策はそこで見えます。
編集部の見解
一級建築士は、実務経験がそろう前に受け始める試験。初年度は学科に寄せてください
スコア5位を押し上げているのは合格率で、そこに受験資格の加点が乗っています(上のスコア内訳バー)。すぐ上が社労士(72.9)、すぐ下が公認会計士(71.8)です。
加点が乗っているのは、受けられる人が学歴か下位資格で限られているという区分に対してです。試験そのものの重さに対してではありません。指定科目を修めて卒業している人の体感は、スコアの位置よりわずかに下だと考えてください。ただし加点を外して合格率と勉強時間だけで並べ直しても、上位帯からは出ません。
上の推移表に並ぶのは総合合格率です。学科だけ・製図だけの段階の率とは別物で、掛け合わせても総合にはなりません。設計製図の受験者に過年度の学科合格者が混ざるからです。
読み取ることは1つ。この試験は単年で完結していません。「今年の製図は通りやすかった」が自分に当てはまるかは、学科免除の側にいるかどうかで変わります。段階の率を単年で拾って比べる読み方は、この試験では成立しません。
配分は、初年度を学科に寄せてください。学科は7月、設計製図は10月。学科を突破した年は同じ年の製図に進み、届かなくても過年度の学科合格者として製図に戻れます。学科で落ちた年は、製図の練習が1つも次に残りません。
上の期間表で1日に取れる時間の行を選び、7月から逆算した開始月を出してください。その月をもう過ぎているなら、1日の時間を増やして上の行へ移るか、狙う年を1年先へ倒すかの二択です。目安700〜1,500時間の幅は広く、二級建築士の知識の有無でどちら側に寄るかが変わります。
受験の前提を満たしているなら、実務経験が足りていなくても先に受けてください。上の受験資格の欄のとおり、令和2年の法改正で実務経験の審査は免許登録の段階へ移りました。合格を先に取り、必要な年数は後から積めます。年に一度の試験で要件がそろうのを待つのは、待った年数ぶんの受験機会を捨てる選択です。
勧めないのは、建築系の学歴も二級建築士も建築設備士も持たない人が、ここを最初の一歩に選ぶ場合です。入口は二級建築士(63.7)か建築設備士のほうで、一級の教材を先に開いても出願そのものができません。
上の独占業務の表のとおり、一級建築士でなければ設計・工事監理ができない建築物は、用途と規模で線が引かれています。扱いたい建物がその線の内側かどうかを先に確かめると、二級で足りるのか一級が要るのかが決まります。
この見解が寄りかかっているデータ
- 「加点は区分に対するもの」の根拠: 当サイトの算出式(受験資格0.20の加重・算出式ページ)と、上の受験資格の欄の区分(建築系の指定科目卒業または二級建築士・建築設備士/出典: 建築技術教育普及センター)
- 「加点を外しても上位帯」の根拠: 合格率0.45・勉強時間0.35の2要素だけで並べ直した位置(同じ算出式・同じデータで計算)
- 「段階の率と総合は別物」の根拠: 上の注意書き(総合合格率と学科・製図それぞれの率の区別/出典: 建築技術教育普及センター)
- 「単年で完結しない」の根拠: 同じ注意書き(設計製図の受験者に過年度の学科合格者が含まれる)と、上の試験日程(学科7月→設計製図10月・学科合格者のみ製図に進む/出典: 同センター)
- 「実務経験は登録時の審査」の根拠: 上の受験資格の欄(令和2年の建築士法改正/出典: 同センター)
- 「用途と規模で線が引かれる」の根拠: 上の独占業務の表(建築士法第3条第1項・第34条第1項/条文本文と機械照合済み)
よくある質問
一級建築士試験に受験資格はありますか?
あります。建築系の大学・短大・高専などで国土交通大臣指定の科目を修めて卒業するか、二級建築士・建築設備士の資格が必要です(出典: 建築技術教育普及センター)。令和2年の法改正で受験に実務経験は不要になり、免許登録時に審査される仕組みに変わりました。合格した年に年数が足りなくても、後から積んで登録できます。
一級建築士試験の合格率は?
例年1割前後です。令和7年度の総合合格率は11.4%でした(出典: 建築技術教育普及センター)。これは学科と設計製図の2段階を通した最終合格率で、段階ごとの率とは別物です。製図の受験者に過年度の学科合格者が含まれるので、段階の率を掛けても総合にはなりません。年度別・段階別の値はページ上の推移表と注意書きにあります。
一級建築士の受験料はいくらかかりますか?
受験手数料は17,000円(非課税)で、インターネット申込みのネット決済手数料が別にかかります(出典: 建築技術教育普及センター)。学科合格後に翌年以降の設計製図から受け直す場合も、申込みは年ごとに必要です。製図用の道具や課題対策の費用も見込んでおくと、年単位の予算が立ちます。
一級建築士の合格に必要な勉強時間は?
700〜1,500時間が目安です(出典: STUDYing)。二級建築士の知識がある既習者は下限側、初学者は上限側で見込みます(出典: 同)。1日2時間なら初学者で1年半前後。学科に加え、設計製図では限られた時間でエスキスと作図を仕上げる訓練が要ります。働きながら数年かけて合格する人も少なくありません。
難易度スコア72.0は、他の資格と比べてどの位置ですか?
スコアを算出できる77資格中5位=最難関の帯です。総合合格率が1割前後(平均10.0%)と低く、勉強時間700〜1,500時間も大きいためです。公認会計士(71.8)や司法書士(71.3)に近い高さ。合格率・勉強時間・受験資格から当サイトが算出した独自指標で、式は算出式ページで公開しています。
一級建築士試験はどんな構成・日程ですか?
年1回の2段階です。学科(7月下旬)に合格してから設計製図(10月中旬)に進みます(出典: 建築技術教育普及センター)。学科に合格すると一定期間は学科免除で製図に再挑戦でき、製図が不合格でも免除の権利は残ります。複数年かけて突破する人が多い試験です。
一級建築士の偏差値はいくつですか?
当サイトの統計換算で偏差値66.7です(難易度スコア72.0・スコアを算出できる77資格中5位)。換算式と母集団は算出式ページで公開しています。
一級建築士にしかできない仕事はありますか?
あります。大規模建築物の設計・工事監理(建築士法第3条第1項)が、資格を持つ人に限られると法律で定められています。名称についても建築士法第34条第1項で使用が制限されています。引用した条文はe-Gov法令検索の本文と照合しています(確認日 2026-07-26)。
一級建築士と他の資格の難易度比較
出典