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資格のものさし

行政書士と診断士はどっちが難しい?

行政書士と診断士の間では、難易度スコアの差は4.2、勉強時間の目安は中央値で250時間ひらいています。実施機関は行政書士試験研究センターと中小企業診断士協会連合会(指定試験機関)で別々です。片方だけの合格率の推移・受験資格・試験日程を見るなら、 行政書士の難易度と 診断士の難易度に、 それぞれ単独のデータページがあります。

データ比較表(行政書士 vs 診断士)

項目 行政書士 診断士
難易度スコア 60.4 56.2
偏差値(難易度スコア換算) 58.0 54.9
難易度順位(スコア算出77資格中) 15位 22位
直近合格率の平均 13.8% 26.9%第1次試験
勉強時間の目安 500〜1,000時間 約1,000時間
受験資格 受験資格なし(誰でも受験可) 受験資格なし(誰でも受験可)
受験料 10,400円 17,200円
試験日程 年1回・11月(令和8年度は11月8日(日)) 年1回。1次試験は8月上旬の2日間(令和8年度は8月1日・2日)、2次筆記試験は10月(令和8年度は10月25日)
実施機関 行政書士試験研究センター 中小企業診断士協会連合会(指定試験機関)

年度別の推移と出典URLは、 行政書士の難易度と 診断士の難易度の各ページにあります。

平均に使った回
  • 行政書士: 令和7年度/令和6年度/令和5年度
  • 診断士: 令和7年度(第1次試験)/令和6年度(第1次試験)/令和5年度(第1次試験)

合格率の母集団に関する注意

  • 診断士: 合格率は第1次試験の値です(合格率=試験合格者数÷欠席科目のない受験者数)。第2次試験は別統計で、令和7年度は筆記受験7,044人・合格1,240人・合格率17.6%(出典: https://www.jf-cmca.jp/attach/test/r07/r7_2ji_toukei.pdf)。資格取得には1次・2次の両方の合格が必要。令和8年度から受験手数料改定などの制度変更あり

診断士の平均第1次試験合格率26.9%はこの注記がついた数字で、行政書士の平均合格率13.8%とは数え方の前提が違います。合格率単体で順位を付けず、勉強時間と受験資格も合成した難易度スコアで比べているのはこのためです。

どちらを受けるか(データから言えること)

1. 法律で認められる仕事がどう違うか

資格 分類 対象 根拠条文
行政書士 業務独占 官公署提出書類の作成等 行政書士法第19条第1項
行政書士 名称独占 行政書士の名称 行政書士法第19条の2第1項
  • 診断士: 業務独占・名称独占・必置のいずれの規定も現行条文で確認できませんでした。中小企業支援法11条は経営診断業務に従事する者の登録制度を定めていますが、無登録者の業務や「中小企業診断士」の名称使用を禁止する規定は同法に置かれていません。名称独占と紹介されることの多い資格ですが、法律上の明文規定は確認できませんでした。

業務独占の規定があるのは行政書士だけです。行政書士では官公署提出書類の作成等が行政書士法により資格を持つ人に限られます。

一方で診断士には業務独占・名称独占・必置のいずれの規定も現行条文で確認できませんでした。

資格がないと就けない仕事に進みたいなら、行政書士側の入口(受験資格なし)を先に確認してください。

根拠条文は上の表の2本で、引用した文がe-Gov法令検索の条文本文に実在することを機械照合しています(確認日 2026-07-26)。同じ基準の一覧は業務独占資格の一覧にあります。

2. そもそも受けられるか(受験の前提条件)

  • 行政書士: 受験資格なし。年齢・学歴・国籍等に関係なく誰でも受験可
  • 診断士: 第1次試験は年齢・学歴などの制限なし(誰でも受験可)。第2次試験は第1次試験合格が前提(2次のみで見ればtier40相当)

行政書士(受験料10,400円)も診断士(17,200円)も、上の実文のとおり受験の前提条件が置かれていません。どちらから始めるかを分けるのは、行政書士試験研究センターと中小企業診断士協会連合会(指定試験機関)が公表する日程と、払う受験料のほうです。

行政書士の分野は法務、診断士は「その他」で、並ぶ相手が変わります。どちらの分野から選び直すかを決めるなら、分野別のデータ表の 法務 とその他 の表を見てください。

3. 勉強時間の差は、カレンダーだと何ヶ月か

1日の勉強時間 行政書士 診断士 差(診断士が長い)
1時間 16.4〜32.9ヶ月(500〜1000日) 約32.9ヶ月(1000日) 下限で16.5ヶ月
2時間 8.2〜16.4ヶ月(250〜500日) 約16.4ヶ月(500日) 下限で8.2ヶ月
3時間 5.5〜11.0ヶ月(167〜334日) 約11.0ヶ月(334日) 下限で5.5ヶ月

目安の上限はどちらも1,000時間で同じです。下限どうしで引き算すると診断士のほうが500時間多く、1日2時間のペースなら8.2ヶ月の差になります。

目安の上限まで見ると差は消えるので、学習量の違いは「最低ライン」にだけ出ます。

診断士の目安は幅ではなく単一値です。出典は行政書士がユーキャン、診断士がアガルートアカデミーです(注記はページ末尾の出典一覧)。

上の表は毎日休まず進めた場合の単純計算です。行政書士・診断士それぞれの開始日と1日の時間を入れて完了予定日を出すなら、勉強時間シミュレーターがあります。

この比較で扱っていないこと

  • 持っているデータ: 行政書士試験研究センターと中小企業診断士協会連合会(指定試験機関)が出している合格率・受験料・試験日程。勉強時間の目安は行政書士がユーキャン(通信講座公表値)、診断士がアガルートアカデミー(通信講座公表値・1次2次合計)の公表値
  • 合格率の範囲: どちらも直近3回分の平均。それより前の回は入っていません
  • 載せていないもの: 年収と求人数(行政書士・診断士とも一次データが無いため)

診断士の資格には期限がある。5年ごとに更新しないと登録が切れる

診断士の登録には期限があります。中小企業診断士の登録等及び試験に関する規則第8条第1項は「中小企業診断士の登録の有効期間は、登録の日から起算して五年とする」と定めています(出典: e-Gov法令検索)。

第9条は更新登録の要件を満たすことを求め、第10条はその要件を、前回の登録日から申請日までに定められた事項を合計5回以上行い、点数の合計を30点以上とすることと定めています。取ったあとも動き続けないと、名乗れなくなる資格です。

行政書士法第6条は行政書士名簿への登録を定めるだけで、有効期間や更新の規定がありません。

登録に入る条件も違います。同規則第1条第1項は、申請日前3年以内の合格と、実務従事または実務補習の日数の合計が15日以上であることを条件としています(出典: 同)。

試験に受かっただけでは登録できず、合格から3年という期限がついています。行政書士は登録に実務経験の要件がありません。

合格の積み上げ方も違います。同規則第41条第2項は、第1次試験の科目合格を、その年度の初めから3年以内の第1次試験で免除すると定めています。

第43条第1項は、第2次試験を、その年度またはその前年度の第1次試験に合格した者に限っています(出典: 同)。

科目合格は3年、第1次試験の合格の効力は2年という二重の時計が動きます。

行政書士試験に科目合格制はなく、その年に届かなければ翌年また全範囲を解き直します。

この2つに、片方を取ると他方が近づく通路はありません。同規則第41条第1項の免除対象は、経済学の教授経験者・博士、公認会計士、不動産鑑定士、税理士、弁護士、情報工学部門の技術士、応用情報技術者試験などの合格者です。

行政書士はこの列挙にありません。行政書士法第2条の列挙にも、中小企業診断士は出てきません(出典: 同)。

編集部の見解

会社に勤め続けるなら診断士、自分の名前で受任するなら行政書士

勤め人のまま強くなりたいなら診断士を選んでください。更新の要件が「5年で5回以上・30点以上」の活動を求める設計になっているのは、この資格が使い続ける人のためのものだからです。

会社の中で経営企画や事業計画に関わっていれば、更新の材料はその仕事のなかから出てきます。逆に取っただけで放置するつもりなら、診断士は向きません。5年後に登録が切れて、名乗れなくなります。

行政書士に更新はないので、いったん登録すれば持ち続けられます。

独立を前提にするなら行政書士です。登録に実務経験が要らず、合格して登録すればその日から官公署提出書類を受任できます。

診断士は登録の条件に実務従事または実務補習15日以上が入っていて、合格から3年以内に登録まで済ませないと、その合格が使えなくなります。「いつから仕事にするか」を先に決めてください。

両方ほしい場合、順番で得をすることはありません。診断士の第1次試験の科目免除に行政書士は入っておらず、行政書士となる資格の列挙にも診断士は入っていません。どちらから始めても、もう片方の負担は1問も減りません。

決め手は時計のほうです。診断士は科目合格が3年、第1次試験の合格が2年で切れます。まとまった時間を確保できる時期に診断士を置いて、行政書士はその前か後ろに単独で構えてください。

診断士を受けると決めたなら、第1次試験の7科目を一度に取るかどうかを最初に決めてください。科目合格で分割すれば1年の負担は減りますが、締切が増える選択です。

3年の期限内に7科目そろえたうえで、その第1次合格が生きている2年のうちに第2次試験を通す必要があります。

上の勉強時間の表の時間を1〜2年に集められるなら、一括で取りにいくほうが安全です。

この見解が寄りかかっているデータ
  • 「更新のある資格」の対比は、中小企業診断士の登録等及び試験に関する規則第8条〜第10条と、行政書士法第6条に有効期間の定めがないこと(上の出典一覧)
  • 「独立までの距離」の根拠は、同規則第1条第1項の登録条件(合格から3年以内・実務または実務補習15日以上)と、行政書士法に実務経験の要件がないこと
  • 「順番で得をしない」の根拠は、同規則第41条第1項の免除対象の列挙と行政書士法第2条の列挙。どちらにも相手の資格が現れません
  • 「締切が増える」の根拠は、同規則第41条第2項(科目合格は3年以内)と第43条第1項(第2次試験は第1次合格の年度かその翌年度)
  • 学習量の差は、上の難易度スコアと勉強時間の表(各資格ページの一次データから算出)

ここまでは出典にもとづく事実で、この枠の中は資格のものさし編集部の評価と推奨です(編集方針)。

この比較の算出方法

スコア60.4と56.2は、上の比較表にある合格率・勉強時間の目安・受験資格を、同じ式に入れた値です。

式の重みは合格率0.45・勉強時間0.35・受験資格0.20で、根拠は算出式のページに、ほかの資格との比較はランキングにあります。

よくある質問

行政書士と診断士はどっちが難しいですか?

行政書士の方が難しい試験です。難易度スコアは行政書士が60.4、中小企業診断士が56.2で、偏差値換算と合格率は本文の比較表にあります。

勉強時間はどのくらい違いますか?

幅の中央値どうしで割ると診断士の方が約1.3倍です。目安は行政書士が500〜1,000時間、診断士が約1,000時間(出典はページ末尾の一覧)。出典が違えば数字も動くので、幅のまま見てください。

行政書士の平均合格率13.8%と診断士の平均第1次試験合格率26.9%は、そのまま比べられますか?

そのままは比べられません。受験資格は同じ(受験資格なし)ですが、実施機関が行政書士試験研究センターと中小企業診断士協会連合会(指定試験機関)で違い、受験する人の層も試験形式も別だからです。診断士の数字には、本文の「合格率の母集団に関する注意」がついています。このページは合格率単体で順位を付けず、勉強時間と受験資格も合成した難易度スコアで比べています(年度ごとの推移は各資格のページ)。

行政書士と診断士では、できる仕事がどう違いますか?

行政書士は官公署提出書類の作成等が業務独占、行政書士の名称が名称独占、診断士にはそうした規定がありませんです。条文の実文と確認日は本文の表にあります。

出典

  1. 行政書士 合格率(令和5年度)出典: 行政書士試験研究センター(確認日 )
  2. 行政書士 勉強時間の目安 出典: ユーキャン(通信講座公表値)(確認日 )
  3. 行政書士 試験日程 出典: 行政書士試験研究センター(確認日 )
  4. 診断士 合格率(令和7年度(第1次試験))出典: 中小企業診断士協会連合会(指定試験機関)(確認日 )
  5. 診断士 合格率(令和6年度(第1次試験))出典: 中小企業診断士協会連合会(指定試験機関)(確認日 )
  6. 診断士 合格率(令和5年度(第1次試験))出典: 中小企業診断士協会連合会(指定試験機関)(確認日 )
  7. 診断士 勉強時間の目安 出典: アガルートアカデミー(通信講座公表値・1次2次合計)(確認日 )
  8. 診断士 受験料 出典: 中小企業診断士協会連合会(指定試験機関)(確認日 )
  9. 診断士 試験日程 出典: 中小企業診断士協会連合会(指定試験機関)(確認日 )
  10. 中小企業診断士の登録等及び試験に関する規則 第1条(登録の条件・実務15日以上)/第8条(有効期間5年)/第9条・第10条(更新登録の要件)/第41条(第一次試験の免除)/第43条(第二次試験受験の要件)出典: e-Gov法令検索(2026-08-06確認)
  11. 行政書士法第2条(資格)・第6条(登録)出典: e-Gov法令検索(2026-08-06確認)
  12. 行政書士試験の概要(受験資格なし・毎年1回11月の第2日曜日・試験科目と出題数)出典: 行政書士試験研究センター(2026-08-06確認)