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資格のものさし

行政書士と司法書士はどっちが難しい?

行政書士と司法書士の間では、難易度スコアの差は10.9、平均合格率の差は8.6ポイント、勉強時間の目安は中央値で2,100時間ひらいています。実施機関は行政書士試験研究センターと法務省で別々です。片方だけの合格率の推移・受験資格・試験日程を見るなら、 行政書士の難易度と 司法書士の難易度に、 それぞれ単独のデータページがあります。

データ比較表(行政書士 vs 司法書士)

項目 行政書士 司法書士
難易度スコア 60.4 71.3
偏差値(難易度スコア換算) 58.0 66.2
難易度順位(スコア算出77資格中) 15位 7位
直近合格率の平均 13.8% 5.2%
勉強時間の目安 500〜1,000時間 2,500〜3,200時間
受験資格 受験資格なし(誰でも受験可) 受験資格なし(誰でも受験可)
受験料 10,400円 8,000円
試験日程 年1回・11月(令和8年度は11月8日(日)) 年1回。筆記試験は7月(令和7年度は7月6日)、口述試験は10月(同10月14日)
実施機関 行政書士試験研究センター 法務省

年度別の推移と出典URLは、 行政書士の難易度と 司法書士の難易度の各ページにあります。

平均に使った回
  • 行政書士: 令和7年度/令和6年度/令和5年度
  • 司法書士: 令和7年度/令和6年度/令和5年度

合格率の母集団に関する注意

  • 司法書士: 合格率は最終合格者数÷筆記試験受験者数。筆記合格者はほぼ全員が口述試験に合格するため、最終合格率は筆記合格率とほぼ一致する。合格は成績上位者からの相対評価で、合格率は例年5%前後に収れんする(令和7年度5.2%・令和6年度5.3%・令和5年度5.2%)

司法書士の平均合格率5.2%はこの注記がついた数字で、行政書士の平均合格率13.8%とは数え方の前提が違います。合格率単体で順位を付けず、勉強時間と受験資格も合成した難易度スコアで比べているのはこのためです。

どちらを受けるか(データから言えること)

1. 法律で認められる仕事がどう違うか

資格 分類 対象 根拠条文
行政書士 業務独占 官公署提出書類の作成等 行政書士法第19条第1項
行政書士 名称独占 行政書士の名称 行政書士法第19条の2第1項
司法書士 業務独占 登記・供託手続の代理等 司法書士法第73条第1項
司法書士 名称独占 司法書士の名称 司法書士法第73条第3項

どちらも業務独占資格です。行政書士は官公署提出書類の作成等、司法書士は登記・供託手続の代理等が、それぞれ資格を持つ人にしかできないと法律で定められています。

根拠になる法律が行政書士法と司法書士法で分かれています。就きたい仕事が上の表のどちらに入るかを先に見てください。

根拠条文は上の表の4本で、引用した文がe-Gov法令検索の条文本文に実在することを機械照合しています(確認日 2026-07-26)。同じ基準の一覧は業務独占資格の一覧にあります。

2. そもそも受けられるか(受験の前提条件)

  • 行政書士: 受験資格なし。年齢・学歴・国籍等に関係なく誰でも受験可
  • 司法書士: 受験資格なし。年齢・学歴・国籍を問わず誰でも受験でき、受験回数の制限もない(出典: 法務省・司法書士試験)

行政書士(受験料10,400円)も司法書士(8,000円)も、上の実文のとおり受験の前提条件が置かれていません。どちらから始めるかを分けるのは、行政書士試験研究センターと法務省が公表する日程と、払う受験料のほうです。

行政書士も司法書士も分野は法務です。同じ分野のほかの選択肢は、分野別のデータ表の 法務 の表を見てください。

3. 勉強時間の差は、カレンダーだと何ヶ月か

1日の勉強時間 行政書士 司法書士 差(司法書士が長い)
1時間 16.4〜32.9ヶ月(500〜1000日) 82.2〜105.3ヶ月(2500〜3200日) 65.8〜72.4ヶ月
2時間 8.2〜16.4ヶ月(250〜500日) 41.1〜52.6ヶ月(1250〜1600日) 32.9〜36.2ヶ月
3時間 5.5〜11.0ヶ月(167〜334日) 27.4〜35.1ヶ月(834〜1067日) 21.9〜24.1ヶ月

目安の下限どうし・上限どうしで引き算すると、司法書士のほうが2,000〜2,200時間多く必要です。1日2時間のペースなら32.9〜36.2ヶ月の差になります。

1日に取れる時間で開きは伸び縮みします(表の「差」の列)。

どちらも幅のある目安です。出典は行政書士がユーキャン、司法書士がアガルートアカデミーです(注記はページ末尾の出典一覧)。

上の表は毎日休まず進めた場合の単純計算です。行政書士・司法書士それぞれの開始日と1日の時間を入れて完了予定日を出すなら、勉強時間シミュレーターがあります。

この比較で扱っていないこと

  • 持っているデータ: 行政書士試験研究センターと法務省が出している合格率・受験料・試験日程。勉強時間の目安は行政書士がユーキャン(通信講座公表値)、司法書士がアガルートアカデミー(通信講座利用で2,500時間前後・独学は3,200時間以上)の公表値
  • 合格率の範囲: どちらも直近3回分の平均。それより前の回は入っていません
  • 載せていないもの: 年収と求人数(行政書士・司法書士とも一次データが無いため)

司法書士は足切りが3つ。1つでも割ると総合点に関係なく落ちる

司法書士は足切りが3つあり、1つでも割ると総合点に関係なく落ちます。法務省の令和7年度の結果には、午前の部・午後の部の多肢択一式と記述式の基準点に達しない場合は「それだけで不合格とされました」とあります。

筆記試験の合格点は満点350点中255.0点以上でした(出典: 法務省「令和7年度司法書士試験の最終結果について」。各基準点は司法書士のページ)。合計で届いていても、どれか1つを割れば終わりです。

しかもこの数字は年ごとに決め直されます。試験は2段階で、司法書士法第6条第2項は口述試験を筆記試験の合格者について行うと定めています(出典: e-Gov法令検索)。筆記に受かって初めて次に進みます。

行政書士試験は1回で終わり、基準も先に公表されています。令和7年度の合否判定基準は3要件をすべて満たすことでした(出典: 行政書士試験研究センター)。

3要件は、法令等が122点以上、基礎知識が24点以上、全体が180点以上です。

基準の位置が動かないので、何点をどこで取るかを先に設計できます。

どちらにも「研修を受けると仕事が増える」仕組みがありますが、必要な手続きが違います。行政書士は研修の修了だけ、司法書士は研修に加えて法務大臣の認定が要ります。

行政書士法第1条の4第2項は、不服申立ての代理業務を、日本行政書士会連合会の研修の課程を修了した行政書士(特定行政書士)に限っています。

司法書士法第3条第2項は、簡裁訴訟代理等関係業務の条件として、法務大臣が指定する研修の修了、法務大臣の認定、司法書士会の会員であることの3つを挙げています(出典: e-Gov法令検索)。

その簡裁代理の対象は、140万円を超えないものに限られます。司法書士法第3条第1項第7号が引く裁判所法第33条第1項第1号の額です(出典: 同)。

この2つの資格の間に、片方を取ると他方が近づく通路はありません。行政書士法第2条の列挙は行政書士試験の合格者、弁護士・弁理士・公認会計士・税理士となる資格を有する者、行政事務の経験者です。

司法書士法第4条が挙げるのは、司法書士試験の合格者と、裁判所事務官等の職歴により法務大臣の認定を受けた者です。互いの資格名は、どちらの条文にも出てきません(出典: 同)。

編集部の見解

行政書士から始める。司法書士は「片手間で受ける試験」の側に入っていない

働きながら1つ目を取るなら行政書士にしてください。理由は難易度の順位ではなく、崩れ方です。行政書士は基準が公表されていて、1年に1回の筆記だけで完結します。

司法書士は午前択一・午後択一・記述の3つに足切りがあり、どれか1つを割った時点で総合点が無意味になります。記述式が140点分あることも合わせて考えてください。

択一を詰めるだけの学習では、この試験の形に届きません。仕事の合間に少しずつ、という進め方と相性が悪いのは司法書士のほうです。

司法書士を狙うと決めたなら、行政書士を経由しないでください。上の条文のとおり、この2つに免除も受験資格のつながりもありません。行政書士に合格しても司法書士試験は1問も減りません。

「まず行政書士で法律の勉強に慣れる」という進め方は、その年ぶんの時間を司法書士に使わなかったという結果しか残しません。司法書士に行くなら、最初から司法書士の教材で始めてください。

取ったあとに何ができるかで選ぶなら、線は「争いごとに入るか」で引けます。司法書士は認定を受ければ簡易裁判所で140万円までの事件の代理人になれます。紛争の当事者の隣に立てる資格です。

行政書士は特定行政書士の研修を修了すると行政庁への不服申立てを代理できますが、相手は行政庁で、民事の争いには入りません。許認可を通す仕事がしたいなら行政書士、もめている人の側に立ちたいなら司法書士です。

独立の時期も違います。行政書士は登録に実務経験が要らず、合格後すぐ自分の名前で受任できます。

司法書士も試験合格から登録に進めますが、扱うのが登記と裁判所提出書類なので、実務を覚えるまで事務所勤務を挟むのが現実的です。すぐ看板を出したいなら行政書士、時間をかけて専門家になるなら司法書士です。

この見解が寄りかかっているデータ
  • 「崩れ方」の対比は、法務省が公表した令和7年度司法書士試験の3つの基準点と、行政書士試験研究センターの合否判定基準(上の出典一覧)
  • 「経由しない」の根拠は、行政書士法第2条と司法書士法第4条の列挙に相手の資格が現れないこと
  • 「争いごとに入るか」の線は、司法書士法第3条第1項第6号〜第8号・第2項と裁判所法第33条第1項第1号、および行政書士法第1条の4第1項第2号・第2項
  • 独立までの距離は、行政書士法第6条に実務経験の定めがないことと、上の「法律で認められる仕事がどう違うか」の表
  • 学習量の差は、上の難易度スコアと勉強時間の表(各資格ページの一次データから算出)

ここまでは出典にもとづく事実で、この枠の中は資格のものさし編集部の評価と推奨です(編集方針)。

この比較の算出方法

スコア60.4と71.3は、上の比較表にある合格率・勉強時間の目安・受験資格を、同じ式に入れた値です。

式の重みは合格率0.45・勉強時間0.35・受験資格0.20で、根拠は算出式のページに、ほかの資格との比較はランキングにあります。

よくある質問

行政書士と司法書士はどっちが難しいですか?

司法書士の方が難しい試験です。難易度スコアは司法書士が71.3、行政書士が60.4で、偏差値換算と合格率は本文の比較表にあります。

勉強時間はどのくらい違いますか?

幅の中央値どうしで割ると司法書士の方が約3.8倍です。目安は行政書士が500〜1,000時間、司法書士が2,500〜3,200時間(出典はページ末尾の一覧)。出典が違えば数字も動くので、幅のまま見てください。

行政書士の平均合格率13.8%と司法書士の平均合格率5.2%は、そのまま比べられますか?

そのままは比べられません。受験資格は同じ(受験資格なし)ですが、実施機関が行政書士試験研究センターと法務省で違い、受験する人の層も試験形式も別だからです。司法書士の数字には、本文の「合格率の母集団に関する注意」がついています。このページは合格率単体で順位を付けず、勉強時間と受験資格も合成した難易度スコアで比べています(年度ごとの推移は各資格のページ)。

行政書士と司法書士では、できる仕事がどう違いますか?

行政書士は官公署提出書類の作成等が業務独占、行政書士の名称が名称独占、司法書士は登記・供託手続の代理等が業務独占、司法書士の名称が名称独占です。条文の実文と確認日は本文の表にあります。

出典

  1. 行政書士 合格率(令和5年度)出典: 行政書士試験研究センター(確認日 )
  2. 行政書士 勉強時間の目安 出典: ユーキャン(通信講座公表値)(確認日 )
  3. 行政書士 試験日程 出典: 行政書士試験研究センター(確認日 )
  4. 令和7年度司法書士試験の最終結果について(筆記試験合格点と午前・午後・記述の基準点/筆記と口述の試験日)出典: 法務省(2026-08-06確認)
  5. 司法書士 合格率(令和6年度(筆記受験13,960/最終合格737))出典: 法務省(確認日 )
  6. 司法書士 合格率(令和5年度(筆記受験13,372/最終合格695))出典: 法務省(確認日 )
  7. 司法書士 勉強時間の目安 出典: アガルートアカデミー(通信講座利用で2,500時間前後・独学は3,200時間以上)(確認日 )
  8. 司法書士 受験料 出典: 法務省(確認日 )
  9. 令和7年度行政書士試験合否判定基準(配点300点・法令等122点/基礎知識24点/全体180点)出典: 行政書士試験研究センター(2026-08-06確認)
  10. 行政書士法第1条の4第2項(特定行政書士)・第2条(資格)出典: e-Gov法令検索(2026-08-06確認)
  11. 司法書士法第3条第1項第7号・第2項(簡裁訴訟代理等関係業務と認定の要件)・第4条(資格)・第6条第2項(試験の方法)出典: e-Gov法令検索(2026-08-06確認)
  12. 裁判所法第33条第1項第1号(訴訟の目的の価額が140万円を超えない請求)出典: e-Gov法令検索(2026-08-06確認)