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資格のものさし

電験三種と第二種電気工事士はどっちが難しい?

データ比較表(電験三種 vs 第二種電気工事士)

項目 電験三種 第二種電気工事士
難易度スコア 61.8 32.4
偏差値(難易度スコア換算) 56.7 31.7
難易度順位(スコア算出76資格中) 17位 72位
直近合格率の平均 18.0% 69.8%
勉強時間の目安 500〜1,000時間 100〜200時間
受験資格 受験資格なし(誰でも受験可) 受験資格なし(誰でも受験可)
受験料 7,700円 11,100円
試験日程 令和4年度から年2回化(上期8月ごろ・下期3月ごろ)。CBT方式と筆記方式から選択。令和8年度上期の一次試験はCBT方式2026年7月16日〜8月9日・筆記方式8月30日 年2回(上期・下期)。各回とも学科試験(CBT方式・筆記方式から選択)ののち技能試験を実施。令和8年度上期の学科はCBT方式2026年4月23日〜6月7日・筆記方式5月24日
実施機関 一般財団法人 電気技術者試験センター 一般財団法人 電気技術者試験センター

合格率の年度別の推移・出典URLは各資格の個別ページ( 電験三種第二種電気工事士)に全て掲載しています。

合格率の母集団に関する注意

  • 電験三種: 合格率は電気技術者試験センター公表の対受験者合格率(4科目合格者数÷受験者数)。令和4年度から年2回(上期・下期)実施のため、passRatesは回次込みラベルで直近3回(令和6年度下期・令和6年度上期・令和5年度下期)を収録。理論・電力・機械・法規の4科目制で、科目別合格制度(科目合格留保制度)がある。一部の科目だけ合格した場合、最初に合格した試験以降、申請により最大で連続して5回まで当該科目の試験が免除される(年2回実施のため約2年半にあたる。出典: 電気技術者試験センター「第三種電気主任技術者の試験概要」https://www.shiken.or.jp/chief/third/overview/ ・2026-08-08確認)。なお同センターは「電気主任技術者の資格概要」ページで一次試験全体を「科目別合格制なので有効期限の3年間を使って勉強する方法も採れます」と年度単位でも説明しており、年1回実施の第一種・第二種は翌年度及び翌々年度の免除=3年間にあたる。数え方が2つ併存するため、当サイトは第三種について回数で数える公式表記(連続5回まで)に統一している
  • 第二種電気工事士: 学科試験と技能試験の2段階制で、DBの合格率には最終段階に近い技能試験合格率を採用(電気技術者試験センター公表の全国合計・合格者数÷受験者数)。学科試験合格率は各回とも55〜60%前後で技能より低い。技能は学科合格者・免除者が対象のため母集団が異なる点に注意。passRatesは回次込みラベルで技能の直近3回(令和6年度下期・上期・令和5年度下期)を収録

母集団や試験段階が異なる合格率は、数字の見た目より意味の差が大きくなります。この違いを吸収するため、当サイトは合格率単体ではなく3要素合成の難易度スコアで比較しています。

どちらを受けるか(データから言えること)

1. 法律で認められる仕事がどう違うか

資格 分類 対象 根拠条文
電験三種 必置(設置義務) 事業用電気工作物の主任技術者選任 電気事業法第43条第1項
第二種電気工事士 業務独占 一般用電気工作物等の電気工事 電気工事士法第3条第2項

業務独占の規定があるのは第二種電気工事士だけです。第二種電気工事士では一般用電気工作物等の電気工事が資格を持つ人に限られます。一方で電験三種は事業者側に有資格者の設置が義務づけられる資格で、事業用電気工作物の主任技術者選任(電気事業法第43条第1項)の定めがあります。無資格者がその業務を行うこと自体を禁じる規定は現行条文で確認できませんでした。資格がないと就けない仕事に進みたいなら、この差はスコア差より重く効きます。

分類の根拠はe-Gov法令検索の条文本文で、引用した文が本文に実在することを機械照合しています(確認日 2026-07-26)。収録資格を同じ基準で分類した一覧は業務独占資格の一覧(根拠条文つき)にあります。

2. そもそも受けられるか(受験の前提条件)

  • 電験三種: 受験資格なし。年齢や国籍を問わず、どなたでも受験できる(出典: 電気技術者試験センター・よくあるご質問)。実務経験・学歴・前提資格は不要
  • 第二種電気工事士: 受験資格なし。年齢や国籍を問わず、どなたでも受験できる(出典: 電気技術者試験センター・よくあるご質問)。実務経験・学歴・前提資格は不要

どちらも受験資格がありません。思い立った時点でどちらからでも始められるので、順番は自分の都合で決められます。

この2つ以外も候補に入れ直すなら、分野別のデータ表で受験資格の制限がない資格が各分野の先頭に並びます。

3. 勉強時間の差は、カレンダーだと何ヶ月か

1日の勉強時間 電験三種 第二種電気工事士
1時間 16.4〜32.9ヶ月(500〜1000日) 3.3〜6.6ヶ月(100〜200日)
2時間 8.2〜16.4ヶ月(250〜500日) 1.6〜3.3ヶ月(50〜100日)
3時間 5.5〜11.0ヶ月(167〜334日) 1.1〜2.2ヶ月(34〜67日)

目安の下限どうし・上限どうしで引き算すると、電験三種のほうが400〜800時間多く必要です。1日2時間のペースなら6.6〜13.1ヶ月の差になります。難易度スコアの差を「自分のカレンダー上で何ヶ月ぶんか」に置き換えると、こうなります。出典は電験三種がアガルートアカデミー(通信講座公表値。一般的な目安約1,000時間・電気系/理系出身者は約500時間から)、第二種電気工事士がアガルートアカデミー(通信講座公表値。学科・技能あわせて100〜200時間程度)で、いずれも幅のある目安です。

1日の時間・開始日を自分の数字で入れて完了予定日を出すなら勉強時間シミュレーターを使ってください。上の表は毎日休まず進めた場合の単純計算です。

この比較で扱っていないこと

ここまでが当サイトのデータで言えることです。年収・求人数・就職のしやすさは一次データを持っていないため比較していません(出典を示せない数字は載せない方針です)。収入で選びたい場合は、上の「できる仕事の違い」で見た業務の求人を実際に検索して確かめてください。

電験三種の免状があると、第二種電気工事士の学科試験が丸ごと免除される

電気技術者試験センターは、第二種電気工事士試験の学科試験が申請により免除になる対象として、前回または前々回に学科試験に合格した方、高等学校・高等専門学校・大学等で経済産業省令で定める電気工学の課程を修めて卒業した方、そして「第一種、第二種又は第三種電気主任技術者免状の取得者」などを挙げています。電験三種の免状の場合、提出するのは「電気主任技術者免状」の複写です(出典: 電気技術者試験センター「第二種電気工事士の試験概要」/2026-08-06確認)。電験三種を持っていれば、第二種電気工事士は技能試験だけを受けることになります。逆に、第二種電気工事士の資格が電験三種の科目を免除する規定はありません。

合格の持ち越し方も違います。第二種電気工事士の学科試験は、前回または前々回の合格まで免除の対象です。電験三種は理論・電力・機械・法規の4科目で、同センターは「一部の科目だけ合格した場合は、「科目合格」となり、最初に合格した試験以降、その申請により最大で連続して5回まで当該科目の試験が免除されます」と説明しています(出典: 同「第三種電気主任技術者の試験概要」)。同センターは別ページの「電気主任技術者の資格概要」で同じ制度を「有効期限の3年間」と年度で言い換えていますが、そちらは年1回実施の第一種・第二種の「翌年度及び翌々年度」に対応する言い方です。年2回実施の第三種では、回数で数えた連続5回(約2年半)が実際の期限になります。片方は直近2回ぶん、もう片方は次の5回ぶん残ります。

試験の中身は同じ電気でも別物です。第二種電気工事士は学科試験と技能試験の2段階で、技能試験は学科試験の合格者または学科試験免除者が受けられます。技能試験は「持参した作業用工具により、配線図で与えられた問題を支給される材料で、一定時間内に完成させる方法」で行われ、同センターは技能試験の候補問題を事前に公表しています(出典: 同「第二種電気工事士の試験概要」)。電験三種は筆記で、第三種は一次試験のみ(第一種・第二種には二次試験があります)です(出典: 同「電気主任技術者の資格概要」)。

資格の性格も違います。同センターは電気主任技術者について、電気事業法が高圧または特別高圧で受電するビル・工場などの電気設備の設置者に対し、原則として事業場ごとに電気主任技術者を選任し保安の監督を行わせるよう義務づけていると説明しています。またこの資格には更新制度がなく、一度取得すれば原則有効とも案内しています(出典: 同)。片方は現場で工事をするための資格、もう片方は設備を監督するために置かれる資格です。

編集部の見解

いま現場に出るなら第二種電気工事士。両方取るなら電験三種を先にするほうが試験は減る

働き始めるための資格は第二種電気工事士です。上の「法律で認められる仕事がどう違うか」の表のとおり、資格がないとできない作業が定められているのはこちらで、住宅や小規模店舗の配線工事はこの資格がなければ触れません。求人に直結するのも第二種電気工事士です。電験三種は設備を監督する立場の資格で、就職の入口というより配属や待遇を動かす資格です。まず食べられるようになりたいなら、迷わず第二種電気工事士から始めてください。

ただし、いずれ両方取ると決めているなら、試験の量だけで見た正解は逆になります。電験三種の免状があれば第二種電気工事士は学科試験が丸ごと免除され、技能試験だけで済みます。先に第二種電気工事士を取っても電験三種は1科目も減りません。上の勉強時間の表の差は大きいので、電験三種に届く見込みが自分にあるかを先に見極めてください。届くなら電験三種を先にして、そのあと技能試験だけを受けにいくのが最短です。

電験三種を選ぶなら、4科目をどの回でそろえるかを最初に決めてください。期限は年ではなく回数で決まります。最初に科目合格した試験のあと、免除が効くのは連続して5回までです。上期・下期の年2回あるので、5回は約2年半にあたります。1回目に理論と法規、2回目に電力、3回目に機械、という進め方が制度として認められている一方で、5回を過ぎると最初に取った科目から順に消えていきます。分割は楽になるのではなく、期限のなかで残りを終わらせる約束をすることです。

第二種電気工事士を受けるなら、技能試験の練習を後回しにしないでください。候補問題が事前に公表されるので、何を作るかは分かった状態で本番を迎えられます。それでも工具を持参して材料から組み上げる試験なので、手を動かした時間がそのまま結果になります。学科の勉強と同じ量の時間を、材料を買って実際に作る時間に当ててください。学科が免除される人ほど、この配分を間違えます。

この見解が寄りかかっているデータ
  • 「両方取るなら電験三種が先」の根拠は、電気技術者試験センターが公表する第二種電気工事士 学科試験免除の対象一覧に電気主任技術者免状の取得者が入っており、逆向きの規定がないこと(上の出典一覧)
  • 「いま現場に出るなら」の根拠は、上の「法律で認められる仕事がどう違うか」の表と、同センターが説明する電気主任技術者の選任義務(監督する側の資格であること)
  • 「4科目をどの回で」の根拠は、同センター「第三種電気主任技術者の試験概要」の科目別合格制度(最初に合格した試験以降、申請により最大で連続して5回まで免除)と、上期・下期の年2回実施
  • 「技能の練習」の根拠は、技能試験が持参した作業用工具と支給材料で一定時間内に完成させる方式であることと、候補問題が事前公表されること
  • 学習量の差は、上の難易度スコアと勉強時間の表(各資格ページの一次データから算出)

上のデータ表・条文の分類・勉強時間の算術は出典にもとづく事実の提示で、この枠の中は資格のものさし編集部の評価と推奨です。判断の分かれ方は編集方針に書いています。

この比較の算出方法

両資格とも同一の式(合格率0.45・勉強時間0.35・受験資格0.20の加重)に一次データを入れて機械的に比較しています。重みの根拠と偏差値換算の定義は算出式の公開ページ、ほかの資格との比較は資格難易度ランキングにあります。

よくある質問

電験三種と第二種電気工事士はどっちが難しいですか?

当サイトの難易度スコア(合格率・勉強時間・受験資格から算出し、式を公開)で比較すると、電験三種(第三種電気主任技術者)が61.8、第二種電気工事士(電工二種)が32.4で、電験三種の方が高難度です。偏差値換算では電験三種56.7・第二種電気工事士31.7です。

勉強時間はどのくらい違いますか?

電験三種(第三種電気主任技術者)は500〜1,000時間(出典: アガルートアカデミー(通信講座公表値。一般的な目安約1,000時間・電気系/理系出身者は約500時間から))、第二種電気工事士(電工二種)は100〜200時間(出典: アガルートアカデミー(通信講座公表値。学科・技能あわせて100〜200時間程度))が目安です。学習経験や環境で個人差があるため、幅で見てください。

合格率だけで比べてもいいですか?

合格率は受験資格や母集団の違いで意味が変わるため、単純比較には向きません。当サイトは合格率0.45・勉強時間0.35・受験資格0.20の重みで合成した難易度スコアで比較し、母集団に注意が必要な試験は本文に注記を出しています。

電験三種と第二種電気工事士では、できる仕事がどう違いますか?

業務独占の規定があるのは第二種電気工事士だけです。第二種電気工事士では一般用電気工作物等の電気工事が資格を持つ人に限られます。一方で電験三種は事業者側に有資格者の設置が義務づけられる資格で、事業用電気工作物の主任技術者選任(電気事業法第43条第1項)の定めがあります。無資格者がその業務を行うこと自体を禁じる規定は現行条文で確認できませんでした。資格がないと就けない仕事に進みたいなら、この差はスコア差より重く効きます。

出典

  1. 電験三種 合格率(令和5年度下期(対受験者・受験24,567/合格5,211))出典: 一般財団法人 電気技術者試験センター(確認日
  2. 電験三種 勉強時間の目安 出典: アガルートアカデミー(通信講座公表値。一般的な目安約1,000時間・電気系/理系出身者は約500時間から)(確認日
  3. 第三種電気主任技術者試験(上期・下期の実施とCBT方式の案内)出典: 一般財団法人 電気技術者試験センター(2026-08-06確認)
  4. 第二種電気工事士 合格率(令和5年度下期・技能(受験45,790/合格31,499))出典: 一般財団法人 電気技術者試験センター(確認日
  5. 第二種電気工事士 合格率(令和6年度上期・技能(受験50,668/合格35,949))出典: 一般財団法人 電気技術者試験センター(確認日
  6. 第二種電気工事士 勉強時間の目安 出典: アガルートアカデミー(通信講座公表値。学科・技能あわせて100〜200時間程度)(確認日
  7. 第二種電気工事士 試験日程 出典: 一般財団法人 電気技術者試験センター(確認日
  8. 第二種電気工事士の試験概要(学科試験・技能試験の内容/学科試験の免除の対象と証明書類/候補問題)出典: 一般財団法人 電気技術者試験センター(2026-08-06確認)
  9. 電気主任技術者の資格概要(電気事業法に基づく選任義務/第三種は一次試験のみ・4科目の科目別合格制/一次試験全体を「有効期限の3年間」と年度単位で説明/更新制度なし)出典: 一般財団法人 電気技術者試験センター(2026-08-08確認)
  10. 第三種電気主任技術者の試験概要(科目別合格制度=科目合格留保制度。最初に合格した試験以降、申請により最大で連続して5回まで当該科目の試験を免除)出典: 一般財団法人 電気技術者試験センター(2026-08-08確認)