注意
掲載値は日本政府観光局が公表する最終合格率(最終合格者数÷筆記試験受験者数。受験者数には筆記免除者を含む)です。
- 段階別に見ると令和7年度は一次27.6%・二次50.3%で、二次だけを見れば2人に1人が通ります。
- 難所は筆記のほうです。
- 勉強時間の目安は掲載していません。
- 通訳案内士の専門予備校4校(CEL英語ソリューションズ・True Japan School・ESDIC英語能力開発アカデミー・ハロー通訳アカデミー)を確認しましたが、時間数を公表している講座が見つからなかったためです(推測では埋めません)。
- 選べる外国語は10言語で、令和7年度の筆記受験者3,987人のうち英語が3,180人(79.8%)を占めます。
- 言語別の最終合格率はドイツ語19.1%・スペイン語16.9%・英語15.7%・中国語10.8%・イタリア語7.3%・フランス語2.7%・ロシア語0.0%と開きますが、英語以外は母数が数十人規模で年による振れが大きくなります。
- 2018年1月4日施行の法改正で業務独占が廃止され、いまは資格がなくても有償の通訳ガイドができます。
- 残っているのは名称の独占です(出典: 日本政府観光局・観光庁)
全国通訳案内士の偏差値(難易度スコア換算)
全国通訳案内士は勉強時間の一次出典が確認できないため、難易度スコア・偏差値とも算出していません。 推測値で埋めない方針です(算出できない資格の扱い参照)。
全国通訳案内士の独占業務・設置義務(根拠条文)
全国通訳案内士について、資格を持つ人に業務や名称を限定する規定、事業者に設置を義務づける規定を現行条文から拾いました(e-Gov法令検索の本文と機械照合・確認日 2026-08-06)。
| 分類 | 対象 | 根拠条文 |
|---|---|---|
| 名称独占 | 全国通訳案内士の名称 | 通訳案内士法第52条 |
- 通訳案内士法第52条: 2018年1月4日施行の法改正で業務独占が廃止され、資格がなくても報酬を受けて通訳ガイドの仕事ができます。残っているのは名称の制限だけです。違反すると30万円以下の罰金が科されます(同法第64条第4号)。
法改正で規定は変わるので、業務の可否はリンク先の現行条文で確かめてください。収録98資格を同じ基準で分類した一覧は業務独占資格の一覧(根拠条文つき)にあります。
合格率の推移
直近3回の合格率の平均は12.2%。受かるのはおよそ8人に1人です。回ごとの値は下の表に。
図|全国通訳案内士の平均合格率は、収録資格の分布のどこか
| 年度・回 | 合格率 |
|---|---|
| 令和7年度(筆記受験3,987/最終合格585) | 14.7% |
| 令和6年度(筆記受験3,849/最終合格385) | 10.0% |
| 令和5年度(筆記受験3,638/最終合格436) | 12.0% |
図|全国通訳案内士の合格率のレンジ(帯=最小〜最大・縦線=平均)
勉強時間の目安
出典を確認できる勉強時間の目安データが現時点でありません。無理に数値を作らず「一次データなし」と表示しています。
全国通訳案内士の試験の形式(一次出典)
筆記(第1次)5科目と口述(第2次)の2段階です。筆記はすべてマークシート方式で、科目ごとに合格基準点が設定されます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 筆記試験の科目・時間・満点 | 外国語90分(100点)、日本地理30分(100点)、日本歴史30分(100点)、一般常識20分(50点)、通訳案内の実務20分(50点) |
| 筆記試験の出題数 | 日本地理30問程度、日本歴史30問程度、一般常識20問程度、通訳案内の実務20問程度 |
| 出題言語 | 英語、フランス語、スペイン語、ドイツ語、中国語、イタリア語、ポルトガル語、ロシア語、韓国語、タイ語の10言語 |
| 口述試験 | 通訳案内の業務を擬似的に行わせる形で実施し、試験時間は10分程度 |
| 合格基準 | 筆記は科目ごとに合格基準点を設定。口述は原則として7割 |
| 免除・特例 | 一の外国語で筆記試験に合格した者は、当該外国語による次回の試験で筆記試験が免除される |
一般常識の出題範囲に、試験実施年度の前年度に発行された「観光白書」と、新聞一般紙の1面等で大きく取り上げられた時事問題が名指しで入っています。通訳案内の実務は、令和7年4月に観光庁が発行した「通訳ガイドテキスト(初版)」が原則として試験範囲です。口述試験で使える外国語は、筆記試験で選んだものと同一に限られます。
出典: 観光庁「全国通訳案内士試験ガイドライン」 (確認日 )。
出題形式・科目構成・免除の条件は年度で変わります。申込の前に、実施団体の最新の受験案内で確認してください。
受験資格
受験資格なし。「年齢、性別、学歴、国籍等に関係なく、どなたでも受験できます」(出典: 日本政府観光局・2026年度試験施行要領)。(区分: 誰でも受験可)
- 口述試験は筆記試験の合格者(筆記免除者を含む)が受ける。
- 筆記には通訳案内士法第7条に基づく科目免除が20類型あり、英語は実用英語技能検定1級またはTOEIC公開テストの一定スコア、日本地理・日本歴史・一般常識は旅行業務取扱管理者試験の合格や歴史能力検定日本史1級・2級、大学入学共通テストの成績などで外国語以外の科目を免除できる
同じその他分野には36件を収録していて、うち25件は受験資格の制限がありません。 合格率・勉強時間の目安・受験料を縦に並べて見比べるならその他分野のデータ表が早く着きます。
全国通訳案内士は入口と本番のどちらで絞る試験か
全国通訳案内士は「本番で絞る」型です。
スコアに合成する前の2軸、本番の重さ(合格率スコア87.8)と入口の重さ(受験資格スコア0)で位置を決めています。 2軸としきい値の決め方は算出式ページに。
図|全国通訳案内士の位置(横軸=本番の重さ/縦軸=入口の重さ)
試験日程
年1回。筆記(一次)は8月、口述(二次)は11月。
- 2026年度は筆記が8月16日(日)、口述が11月29日(日)で、最終合格の発表は2027年1月22日(金)の予定。
- 願書受付は6月1日〜7月9日で終了している。
- 筆記は外国語90分・日本地理30分・日本歴史30分・一般常識20分・通訳案内の実務20分の5科目マークシート。
- 筆記の受験地は札幌・仙台・東京近郊・名古屋・大阪近郊・広島・福岡・沖縄の8か所、口述は英語・中国語・韓国語が東京近郊/大阪近郊/福岡、それ以外の言語は東京近郊のみ。
- 出願から結果通知まですべて電子申請システム上で完結する
同じ時期のほかの試験は、資格試験の日程カレンダー(2026年11月に試験がある資格の一覧)で見られます。
受験料
14,850円
一カ国語受験の受験手数料。二カ国語受験は29,700円。免除の有無による減額はない。別途、クレジットカード決済は495円、コンビニ決済は350円の事務手続手数料がかかる(一カ国語の場合)。納付した手数料は通訳案内士法第10条により返還されない
独学 vs 通信講座
独学が向いている人
- 免除に使える他資格(実用英語技能検定1級・TOEIC公開テストの一定スコア・旅行業務取扱管理者・歴史能力検定日本史1級2級など)を持っていて、受ける科目を絞れる(出典: 日本政府観光局)
- 筆記5科目のうち日本地理・日本歴史・一般常識は市販教材と過去問で範囲を追いやすい
- 外国語の運用力がすでに試験水準に届いていて、上乗せの学習が要らない
通信講座が向いている人
- 口述(二次)の対策を一人で組み立てられない。話す試験は独りでは採点できない
- 勉強時間の目安を公表している講座が見つからず、総量を自分で見積もれない(当サイトがスコアを算出できていない理由と同じ)
- 筆記8月・口述11月・最終合格発表は翌年1月という長い日程に、自分の生活を通して合わせたい
全国通訳案内士は科目免除の使い方で当日解く科目そのものが変わるため、教材を選ぶ前に自分がどの免除に当てはまるかを確定させる順番になります。当サイトは講座名・料金を載せず、まず一次データで判断できる状態を優先しています(個別講座の比較は準備中です)。
編集部の見解
業務独占が消えた国家資格を、それでも取るかどうか。判断は「ガイドの仕事をするか」ではなく「名乗る必要があるか」で決まります
ページ上部の難易度スコアは算出不可と出ています。勉強時間の一次出典が取れず、77資格の母集団に入れていないためです。ただし3要素のうち2つはもう確定しています。直近の平均合格率は12.2%で合格率の欄は重い側、受験資格は誰でも受験可なので入口の寄与はゼロです。上の選抜の型の図で「本番で絞る」側に入るのはそのためで、落ちる原因は当日の点数にしかありません。
その本番の中身は、筆記に大きく偏っています。令和7年度は一次27.6%・二次50.3%で、口述まで進めば半分が通っています。つまり山は8月にあります。
そして、その8月にこそ免除が効きます。科目免除は20類型あり、英語も日本地理も日本歴史も一般常識も、条件を満たせば当日は解かなくて済みます(上の受験資格欄)。教材を買う前に、手持ちの資格と過去のスコアを全部並べて免除の棚卸しをしてください。免除が効くのに5科目ぶんの対策を積むのが、この試験でいちばん時間を落とす失敗です。
拘束の重さも計算に入れてください。筆記が8月、口述が11月、最終合格の発表は翌年1月で、1回の挑戦で半年近く先まで結果が決まりません。年1回なので落ちれば次は12か月後です。
受験料は一カ国語で14,850円、二カ国語ならその倍で、決済手数料が加わり、通訳案内士法第10条により納付後は返還されません。免除を使って解く科目を減らしても、この額は下がりません。願書受付は夏に締まるので、それを過ぎてから準備を始める人が狙うのは翌年度です。逆算できる時間は十分にあります。
誰が取るべきかは、法律の側がすでに答えを出しています。上の独占業務・設置義務の表にあるのは名称独占の1件だけで、2018年施行の改正で業務独占は廃止されました。有償で通訳ガイドをするだけなら、この試験に半年を賭ける必要はありません。
それでも取る価値があるのは、名乗りが仕事の入口になる人です。旅行会社や自治体の案内業務で有資格者を条件に募集がかかる場面、指名で選ばれる立場に立ちたい場面では、名称を使えることがそのまま案件の可否になります。
逆に、語学力を書面で示したいだけなら、この試験を選ぶ理由は薄い。実用英語技能検定1級やTOEICの一定スコアは、この試験の英語を免除できる水準として法令が認めているもので、語学の証明としてはそちらで足ります。年1回・半年拘束・返還なしという条件を引き受けるのは、名乗りが要る人だけでいいはずです。
この見解が寄りかかっているデータ
- 「入口の寄与はゼロ」「本番で絞る」の根拠は、上の受験資格欄(年齢・性別・学歴・国籍等の制限なし・出典: 日本政府観光局)と、上の選抜の型の図(入口の重さ=受験資格スコア/本番の重さ=合格率スコア。2軸としきい値は算出式ページで公開)
- 「山は筆記にある」の根拠は、上の注意書きの段階別合格率(令和7年度 一次27.6%・二次50.3%・出典: 同)と、掲載している最終合格率の定義(最終合格者数÷筆記試験受験者数)
- 「免除の棚卸しを先に」の根拠は、上の受験資格欄(通訳案内士法第7条に基づく科目免除20類型・出典: 同)
- 「半年拘束される」「返ってこない」の根拠は、上の試験日程(筆記8月・口述11月・最終合格発表は翌年1月・願書受付は夏)と受験料欄(一カ国語14,850円・通訳案内士法第10条により返還されない)
- 「働くのに資格は要らない」の根拠は、上の独占業務・設置義務の表(通訳案内士法第52条の名称独占のみ/2018年1月4日施行の改正で業務独占は廃止/条文本文と機械照合済み)
- 「スコアが空欄の理由」の根拠は、上の勉強時間欄(一次データなし)と当サイトの算出式(勉強時間0.35の要素が埋まらないとスコアを出さない・算出式ページで公開)
よくある質問
全国通訳案内士に受験資格はありますか?
ありません。年齢・性別・学歴・国籍等に関係なく誰でも受験できます(出典: 日本政府観光局・試験施行要領)。口述試験は筆記試験の合格者(筆記免除者を含む)が受けます。一方で通訳案内士法第7条に基づく科目免除が20類型あり、英語は実用英語技能検定1級やTOEICの一定スコア、日本地理・日本歴史・一般常識は旅行業務取扱管理者試験の合格や歴史能力検定などで外せます。入口は開いていますが、当日に解く科目数は人によって変わります。
合格率12.2%は筆記と口述のどちらの数字ですか?
最終合格者数を筆記試験の受験者数で割った最終合格率です(分母には筆記免除者を含む/出典: 日本政府観光局)。段階別に見ると、令和7年度は一次27.6%・二次50.3%。口述だけなら2人に1人が通っています。落ちる人の大半は筆記で止まっており、対策の重心もそちらに置くことになります。
難易度スコアが算出不可になっているのはなぜですか?
当サイトのスコアは合格率・勉強時間・受験資格の3要素で算出しますが、通訳案内士の専門予備校4校を確認しても、勉強時間を数字で公表している講座が見つかりませんでした。出典を示せない数値を推測で埋めない方針のため、スコアを出さずに「算出不可」としています。合格率・受験資格・試験日程・受験料は一次出典つきで収録済みなので、判断材料が無いわけではありません。
英語以外の言語で受けると通りやすいですか?
言語別の最終合格率は年によって大きく開きます(令和7年度はドイツ語19.1%からロシア語0.0%まで/出典: 日本政府観光局)。ただし筆記受験者のうち英語が8割を占め、英語以外の言語は母数が数十人規模です。年による振れが大きく、この並びを見て有利な言語を選ぶ、という使い方はできません。
資格がないと通訳ガイドの仕事はできませんか?
できます。2018年施行の法改正で業務独占が廃止され、資格がなくても報酬を受けて通訳ガイドの仕事ができます。残っているのは通訳案内士法第52条の名称独占で、全国通訳案内士でない者はその名称や類似する名称を使えません(違反は同法第64条第4号で30万円以下の罰金)。囲っているのは名乗りのほうです。
全国通訳案内士に独占業務はありますか?
業務独占の規定は確認できませんでした。全国通訳案内士の名称(通訳案内士法第52条)が定められており、資格がないとその名称を名乗れません(名称独占)。名称を用いなければ同種の業務を行うこと自体は法律で禁じられていません。引用した条文はe-Gov法令検索の本文と照合しています(確認日 2026-08-06)。
出典