注意
筆記→口述の2段階選抜。合格率は「最終合格者÷筆記試験受験者」の算出値(司法試験予備試験と同じ方式。公式は筆記・口述の合格率を別々に公表)。
- 令和7年度: 筆記435人受験・230人合格(52.9%)→口述受験233人・最終合格219人(94.0%)。
- 口述の合格率が9割台と高く、実質的な難所は筆記段階にある
海事代理士の偏差値(難易度スコア換算)
海事代理士の偏差値は44.1です(スコアを算出できる77資格中56位)。母集団の定義と換算式は算出式ページに。
図|海事代理士の難易度スコアの作り方(3要素の加重合成)
- 合格率(重み0.45)
- 勉強時間(重み0.35)
- 受験資格(重み0.20)
海事代理士の独占業務・設置義務(根拠条文)
海事代理士について、資格を持つ人に業務や名称を限定する規定、事業者に設置を義務づける規定を現行条文から拾いました(e-Gov法令検索の本文と機械照合・確認日 2026-07-26)。
| 分類 | 対象 | 根拠条文 |
|---|---|---|
| 業務独占 | 海事に関する官公署への申請等の代理 | 海事代理士法第17条第1項 |
- 海事代理士法第17条第1項: 他の法令に別段の定めがある場合は除外されます。名称の使用を制限する規定は同法にはありません。
法改正で規定は変わるので、業務の可否はリンク先の現行条文で確かめてください。収録98資格を同じ基準で分類した一覧は業務独占資格の一覧(根拠条文つき)にあります。
海事代理士を動画で学ぶ(YouTube)
当サイトのYouTubeチャンネル「@shikaku-monosashi」で公開している海事代理士の動画は1本(ショート1本)です。
合格率の推移
直近2回の合格率の平均は51.1%。受かるのはおよそ10人に5人です。回ごとの値は下の表に。
図|海事代理士の平均合格率は、収録資格の分布のどこか
| 年度・回 | 合格率 |
|---|---|
| 令和7年度(最終合格219人÷筆記受験435人) | 50.3% |
| 令和6年度(最終合格229人÷筆記受験441人) | 51.9% |
図|海事代理士の合格率のレンジ(帯=最小〜最大・縦線=平均)
勉強時間の目安
目安は約500時間です。
図|海事代理士の勉強時間の目安をものさしに置くと
図の詳しい読み方
法律初学者の目安・個人差大)・確認2026-07-20)。目安が取れた77資格の幾何平均を短いほうから数えると57番目で、中央値は245時間、最小は37時間、最大は5,477時間です。
1日2時間なら約8か月かかります。1日に取れる時間ごとの期間は下の表のとおりです。
| 1日の勉強時間 | かかる期間 | 日数 |
|---|---|---|
| 1時間 | 約16.4ヶ月 | 500日 |
| 2時間 | 約8.2ヶ月 | 250日 |
| 3時間 | 約5.5ヶ月 | 167日 |
出典: 伊藤塾(海事代理士講座を運営する受験指導校のコラム公表値。法律初学者の目安・個人差大)(確認日 )。
換算の前提は算出式ページに、開始日から完了予定日そのものを出す道具は勉強時間シミュレーターにあります(海事代理士が選ばれた状態で開きます)。
海事代理士の試験の形式(一次出典)
筆記を4コマに分けて1日で行い、合格すると11月に口述があります。口述会場は東京の国土交通省本省だけです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 試験の構成 | 筆記試験と口述試験の2段階。口述試験は本年の筆記試験合格者と、前年の筆記試験合格者で本年の筆記試験免除を申請した者に対して行われる |
| 筆記試験の時間割 | 令和8年9月25日(金)10:15〜11:15、11:35〜12:20、13:40〜15:10、15:30〜17:00の4コマ |
| 筆記試験の科目 | 一般法律常識(憲法・民法・商法第3編「海商」)と海事法令(船舶法、船舶安全法、船員法、船舶職員及び小型船舶操縦者法、海上運送法、港則法、海上交通安全法ほか) |
| 口述試験の科目 | 船舶法、船舶安全法、船員法、船舶職員及び小型船舶操縦者法の4法令。令和8年11月24日(火)10:30〜17:30 |
| 試験地 | 筆記試験は札幌市から那覇市まで各運輸局等の11か所。口述試験は東京都の国土交通省(本省)のみ |
筆記は4コマで、コマごとに扱う法令が指定されています。憲法・民法・商法・国土交通省設置法から始まり、船員関係、海上運送・港則など、船舶法・船舶安全法などの順です。前年の筆記に合格していれば、本年の筆記免除を申請して口述から受けられます。
出典: 国土交通省「海事代理士になるには(令和8年海事代理士試験実施要領)」 (確認日 )。
出題形式・科目構成・免除の条件は年度で変わります。申込の前に、実施団体の最新の受験案内で確認してください。
受験資格
学歴、年齢、性別等による制限はない(国土交通省公式ページより)。(区分: 誰でも受験可)
ただし合格しても海事代理士法第3条の欠格事由に該当する者は登録できない
同じ法務分野には9件を収録していて、うち6件は受験資格の制限がありません。 合格率・勉強時間の目安・受験料を縦に並べて見比べるなら法務分野のデータ表が早く着きます。
海事代理士は入口と本番のどちらで絞る試験か
海事代理士は「どちらでも絞らない」型です。
スコアに合成する前の2軸、本番の重さ(合格率スコア48.9)と入口の重さ(受験資格スコア0)で位置を決めています。 2軸としきい値の決め方は算出式ページに。
図|海事代理士の位置(横軸=本番の重さ/縦軸=入口の重さ)
試験日程
年1回。筆記試験→筆記合格者と前年筆記合格の免除申請者のみ口述試験の2段階選抜
- 令和8年度は9月25日・全国11の地方運輸局所在地等
- 令和8年度は11月24日・東京の国土交通省本省のみ
同じ時期のほかの試験は、資格試験の日程カレンダー(2026年11月に試験がある資格の一覧)で見られます。
受験料
6,800円
受験願書に6,800円の収入印紙を貼付して納付。筆記免除者(前年度筆記合格者)が口述のみ受験する場合も別途出願が必要
独学 vs 通信講座
独学が向いている人
- 受験資格がなく、市販教材と過去問で始められる
- 口述の合格率が9割台のため、学習の照準を筆記段階に絞れる
- 行政書士など法律系の学習経験があり、条文の読み方に抵抗がない
通信講座が向いている人
- 海事関係法令が広く、独学だけでは出題範囲の整理に時間がかかりそう
- 面接形式の口述に向けて、答え方の型を用意しておきたい
- 年1回・筆記1日の一発勝負にペースを合わせたい
国土交通省は筆記と口述の合格率を別々に公表しており、本DBの合格率は最終合格者÷筆記受験者で算出した値です。口述で落ちる人は少ない。学習設計の中心は、筆記をどう突破するかです。
編集部の見解
海事代理士は落とす試験ではなく、範囲の広さで削る試験。9月の筆記に全部を寄せて組んでください
海事代理士は、勉強時間の寄与が合格率の寄与に近い高さまで来る形です(上のスコア内訳バー)。この形はスコアを算出できる資格の中では少数派で、たいていの資格は合格率の側でスコアが積み上がり、勉強時間の寄与はその半分前後にとどまります。
合格率の低い順に並べると63番目=受かりやすい側です。順位は56位で、すぐ上がキャリアコンサルタント(42.2)、すぐ下が簿記3級(41.1)です。同じ法律系の行政書士(60.4)との差もほぼ全部が合格率の差で、学習量の目安の差ではありません。
合格率の読み方には条件が付きます。本DBの値は最終合格者÷筆記受験者で、国土交通省は筆記と口述を別々に公表しています(上の注意書き)。口述で落ちる人はごくわずか。「受かりやすい」も「筆記を抜ければほぼ終わり」も正しい読みです。照準は筆記に全部置いてください。口述に何ヶ月も割く計画は要りません。
上の推移表は他の資格より行数が少なく、平均に使える回数が限られます。1回分の振れがスコアへ効きやすい点は差し引いて読んでください。
日程には、この試験に固有の逃げ道があります。前年度に筆記へ受かった人は、翌年度に口述だけを受けられます(出願は別途必要・上の試験日程と受験料の欄)。筆記に受かって口述で落ちても、やり直すのは口述だけ。逆に筆記で落ちた年は、その1年が丸ごと消えます。
この非対称を前提に配分してください。初年度は筆記の条文を回す。口述の練習は後回しで構いません。
年1回・9月なので、上の期間表で自分の行を選び、開始月を逆算します。その月をもう過ぎているなら、1日の時間を増やして上の行へ移るか、狙う年を1年先へ倒すかの二択です。
地方に住んでいる人は、日程より先に移動を決めてください。筆記は各地の地方運輸局所在地などで受けられますが、口述は東京の国土交通省本省だけです(上の試験日程)。筆記に受かった時点で、11月に東京へ出る予定と費用が発生します。ここを詰めないまま口述を欠席すると、筆記に使った1年が消えます。
向くのは、海運・造船・船舶管理・港湾の仕事に接している人と、行政書士などで開業していて受託できる手続きを増やしたい人です。海事代理士法第17条第1項は、海事代理士でない者が業として同法第1条の行為を行うことを禁じています(上の独占業務の表)。代理そのものが囲われているので、受けられる仕事が増えます。
勧めないのは、法律系の入口として選ぶ場合です。この法律には名称の使用を制限する規定がありません(同じ表の注記)。持っているだけで名乗りが守られるわけではなく、依頼を受けて初めて価値が出ます。合格しても欠格事由に当たる人は登録できないので、出願の前に確かめてください(上の受験資格欄)。
この見解が寄りかかっているデータ
- 「量で削る試験」の根拠: 上のスコア内訳で勉強時間の寄与が合格率の寄与に近い高さまで来ることと、同じ算出式で全件の内訳を並べたときにこの形が少数派であること(加重は算出式ページで公開)
- 「受かりやすい側」の根拠: 直近平均の合格率が低い順に並べた順位(63番目)と、上の合格率の推移表(出典: 国土交通省の試験結果)
- 「行政書士との差は合格率の差」の根拠: 行政書士ページの合格率と勉強時間の目安(出典は同ページに記載)を同じ算出式に通した内訳の比較
- 「筆記に照準を置く」の根拠: 上の注意書き(筆記と口述それぞれの合格率・本DBの算出方法/出典: 国土交通省)
- 「翌年は口述だけで済む」の根拠: 上の試験日程と受験料の欄(前年度の筆記合格者は口述のみ受験・別途出願が必要/出典: 国土交通省)
- 「代理そのものが囲われている」の根拠: 上の独占業務の表(海事代理士法第17条第1項/条文本文と機械照合済み)と、名称の使用を制限する規定が同法にない旨の注記
よくある質問
海事代理士に受験資格はありますか?
ありません。誰でも受験できます(出典: 国土交通省・公式)。船舶の登記・登録や船員関係の手続きを本人に代わって行う国家資格で、「海の行政書士」とも呼ばれます。海事代理士法第3条の欠格事由に当たると合格しても登録できないので、受験と登録のハードルは分けて確認してください。
難易度スコア41.8は他の資格と比べてどの位置ですか?
スコアを算出できる77資格中56位です。同じ法律系の行政書士(60.4)と扱う手続きが近く、両方を学ぶ人もいます(どちらを取るかは仕事の内容や地域で変わるため、当サイトからは断定しません)。合格率・勉強時間・受験資格から当サイトが算出した独自指標で、算出式は算出式ページで公開しています。
合格率はどう計算されていますか?2段階と聞きました。
実質の関門は筆記です。筆記に受かった人だけが口述へ進む2段階で、本DBの合格率は「最終合格者÷筆記受験者」(司法試験予備試験と同じ方式)、平均は51.1%です。令和7年度は筆記52.9%に対し口述94.0%でした(出典: 国土交通省)。最終の値は上の推移表にあります。
勉強時間はどのくらい見ておけばいいですか?
約500時間が目安です(出典: 伊藤塾の公表値)。法律初学者を想定した数字で、個人差が大きいと注記されています。海事関係の法令は範囲が広く、条文の暗記量が多い。行政書士など法律系の学習経験があると、必要時間は短くなりがちです。
いつ・どこで受験しますか?
年1回で、筆記と口述の日程が分かれています(出典: 国土交通省・公式)。筆記は9月に全国の地方運輸局所在地など、口述は11月に東京の国土交通省本省だけ。遠方の受験者には負担になります。日付は上の試験日程のとおりで、受験手数料6,800円は収入印紙を願書に貼って納めます。
海事代理士の偏差値はいくつですか?
当サイトの統計換算で偏差値44.1です(難易度スコア41.8・スコアを算出できる77資格中56位)。換算式と母集団は算出式ページで公開しています。
海事代理士にしかできない仕事はありますか?
あります。海事に関する官公署への申請等の代理(海事代理士法第17条第1項)が、資格を持つ人に限られると法律で定められています。引用した条文はe-Gov法令検索の本文と照合しています(確認日 2026-07-26)。
出典