注意
1級にネット試験はなく統一試験(年2回・6月と11月)のみ。
- 合格率は日本商工会議所公表の統一試験の値で、直近3回は第171回15.2%・第170回14.0%・第168回15.1%。
- 2月回に1級実施がないため回番号が飛ぶ(第169回は2級・3級のみ)。
- 同じ簿記でも2級・3級とは商業簿記に加え会計学・工業簿記・原価計算が加わり、記述量・計算量が大きく異なる
簿記1級の偏差値(難易度スコア換算)
日商簿記検定1級の偏差値は57.0です(スコアを算出できる77資格中17位)。母集団の定義と換算式は算出式ページに。
図|簿記1級の難易度スコアの作り方(3要素の加重合成)
- 合格率(重み0.45)
- 勉強時間(重み0.35)
- 受験資格(重み0.20)
簿記1級の独占業務・設置義務(根拠条文)
日商簿記検定1級には、業務独占・名称独占・必置(設置義務)のいずれの規定も現行条文で確認できませんでした(確認日 2026-07-26)。 日本商工会議所が実施する民間検定で、法令上の業務独占・名称独占・設置義務の規定はありません。
資格がないとできない仕事が法律で定められている資格は業務独占資格の一覧(根拠条文つき)にまとめています。
簿記1級を動画で学ぶ(YouTube)
当サイトのYouTubeチャンネル「@shikaku-monosashi」で公開している簿記1級の動画は2本(ショート2本)です。
合格率の推移
直近3回の合格率の平均は14.8%。受かるのはおよそ7人に1人です。回ごとの値は下の表に。
図|簿記1級の平均合格率は、収録資格の分布のどこか
| 年度・回 | 合格率 |
|---|---|
| 第171回統一試験(2025年11月) | 15.2% |
| 第170回統一試験(2025年6月) | 14.0% |
| 第168回統一試験(2024年11月) | 15.1% |
図|簿記1級の合格率のレンジ(帯=最小〜最大・縦線=平均)
勉強時間の目安
目安は500〜700時間です。
図|簿記1級の勉強時間の目安をものさしに置くと
図の詳しい読み方
2級レベルの知識がある前提。講座利用時は400〜600時間)・確認2026-07-07)。目安が取れた77資格の幾何平均を短いほうから数えると58番目で、中央値は245時間、最小は37時間、最大は5,477時間です。
1日2時間なら8〜12か月かかります。1日に取れる時間ごとの期間は下の表のとおりです。
| 1日の勉強時間 | かかる期間 | 日数 |
|---|---|---|
| 1時間 | 16.4〜23.0ヶ月 | 500〜700日 |
| 2時間 | 8.2〜11.5ヶ月 | 250〜350日 |
| 3時間 | 5.5〜7.7ヶ月 | 167〜234日 |
出典: スタディング(通信講座公表値・独学の場合。2級レベルの知識がある前提。講座利用時は400〜600時間)(確認日 )。
換算の前提は算出式ページに、開始日から完了予定日そのものを出す道具は勉強時間シミュレーターにあります(簿記1級が選ばれた状態で開きます)。
簿記1級の試験の形式(一次出典)
前半「商業簿記・会計学」と後半「工業簿記・原価計算」の二部制で、途中に休憩が入ります。合格は7割以上、ただし1科目でも4割を割ると不合格です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 試験科目・時間 | 商業簿記・会計学(90分)と工業簿記・原価計算(90分)。途中、休憩あり |
| 合格基準 | 70%以上。ただし1科目ごとの得点は40%以上 |
| 試験開始時刻 | 9:00。前半のみ・後半のみの受験はできない |
| 計算用紙 | 商業簿記・会計学で1枚、工業簿記・原価計算で1枚の合計2枚(A4サイズ) |
| 合格者の特典 | 税理士試験の受験資格が与えられる。職業能力開発促進法の指導員資格試験で事務科の試験科目の一部が免除される |
| 法令基準日 | 毎年度4月1日現在施行されている法令等に準拠して出題 |
4科目それぞれに4割の足切りがあるので、得意科目で稼いで苦手科目を捨てる作戦が通りません。前半だけ・後半だけを受けることもできず、丸一日を使い切る設計です。1級は後日、試験問題が検定ホームページで公開されます。
出典: 日本商工会議所「簿記1級 試験科目・注意事項」 (確認日 )。
出題形式・科目構成・免除の条件は年度で変わります。申込の前に、実施団体の最新の受験案内で確認してください。
受験資格
受験資格の制限なし。どの級からでも受験可(3級・2級に合格していなくても1級を受験できる。出典: 日本商工会議所 検定試験Q&A)。(区分: 誰でも受験可)
合格すると税理士試験の受験資格が得られる
同じ事務分野には4件を収録していて、いずれも受験資格の制限がありません。 合格率・勉強時間の目安・受験料を縦に並べて見比べるなら事務分野のデータ表が早く着きます。
簿記1級は入口と本番のどちらで絞る試験か
日商簿記検定1級は「本番で絞る」型です。
スコアに合成する前の2軸、本番の重さ(合格率スコア85.2)と入口の重さ(受験資格スコア0)で位置を決めています。 2軸としきい値の決め方は算出式ページに。
図|簿記1級の位置(横軸=本番の重さ/縦軸=入口の重さ)
試験日程
統一試験のみ(1級にネット試験はなし)。
- 年2回・例年6月と11月(令和8年度は第173回2026年6月14日・第174回2026年11月15日)。
- 2月回は2〜3級のみで1級は非実施
同じ時期のほかの試験は、資格試験の日程カレンダー(2026年11月に試験がある資格の一覧)で見られます。
受験料
8,800円
税込。2024年4月1日改定後の現行額
独学 vs 通信講座
独学が向いている人
- 2級に合格済みで、工業簿記・原価計算の計算に抵抗がない
- 勉強時間の目安500〜700時間を、半年に1度の試験日まで自分で割り振れる
- 過去問と答練を自分で採点し、会計学の記述の詰めまで独力で回せる
通信講座が向いている人
- 2級から1級に進むところで範囲が広がり、独学だと500〜700時間の使い道を決めきれない
- 工業簿記・原価計算でつまずいた「なぜ」を人の解説で潰したい
- 年2回しかない試験に照準を合わせ、長い学習期間のペース配分を任せたい
簿記1級は年2回・半年に1度の試験で学習期間も長くなります。講座を検討する場合も、まず勉強時間の目安と合格率の一次データで「いつの回を狙うか」を先に決めると計画が立てやすくなります。
編集部の見解
簿記1級に当たり外れはない。2級と逆に、受ける回を先に決めて逆算する
誰でも申し込めるのに、これだけ落ちる試験です。上の内訳バーで受験資格の寄与はゼロで、合格率と勉強時間の2つだけで59.0まで積み上がっています。合格率の低い順に数えると14番目です。
当たり外れはありません。上の合格率の推移表で、収録している3回はほとんど同じ帯に着地しています。当サイトの振れ幅の指標でも、簿記1級は振れの小さい側です(算出式ページ)。「今年は難化した」と語る材料がなく、仕上げた分がそのまま結果に出ると読んでください。
同じ簿記でも、2級とは打ち手が入れ替わります。2級はネット試験が随時あるので「仕上がった週に申し込む」ができました。1級にネット試験はなく、統一試験の年2回だけ。しかも2月回は実施しないので、落ちたときの次は半年後です(再挑戦インターバルも6か月の区分・算出式ページ)。
受験日を自分で選べない以上、順番は逆にするしかありません。先に6月か11月かを固定し、上の期間表で自分が毎日取れる時間の行を見て、その日から逆算してください。
配分にも1級だけの縛りがあります。合否は4科目の合計だけで決まらず、1科目ごとに下限があります(出典: 日本商工会議所/下の税理士との比較ページの出典一覧)。得意な商業簿記で稼いで原価計算の失点を埋める組み立てが通らず、前半だけ・後半だけの受験もできません。
だから勉強時間は「合計点を伸ばす」でなく「取りこぼしている科目を下限の上に乗せる」順で割り振ってください。上の勉強時間の目安は2級レベルの知識がある前提の公表値なので、2級を通っていない人は、ここに2級までの学習が上乗せされます。
取るべきかどうかは出口で決めてください。簿記1級には法令上の業務独占も設置義務もありません(上の独占業務の欄)。資格が仕事を囲わないので、効くのは中身と、税理士試験の受験資格が付いてくることです。
ここに落とし穴があります。税理士試験のうち簿記論・財務諸表論には、もともと受験資格の制限がありません(下の税理士との比較ページに出典つき)。税法の科目まで進むなら簿記1級は入口として効きますが、会計科目だけを先に受けるつもりなら、1級を経由する理由になりません。
勧めないのは、2級の上位版として履歴書の行を厚くしたい人です。半年に1度しか機会がなく、1科目でも下限を割れば落ちる試験を、その動機で走り切るのは難しい。決算を締める側に回る予定があるか、税法まで行くか。どちらかに当てはまるなら、狙う回を今日決めてください。
この見解が寄りかかっているデータ
- 「入口で人を選ばない」の根拠: 上のスコア内訳で受験資格の寄与がゼロであること(受験資格の制限なし・出典: 日本商工会議所 検定試験Q&A)
- 「当たり外れがない」の根拠: 上の合格率の推移表(出典: 日本商工会議所・1級受験者データ)と、当サイトの合格率の振れ幅の指標(収録している回の最大−最小・算出式ページで公開)
- 「受験日を選べない」の根拠: 上の試験日程(統一試験の年2回のみ・1級にネット試験なし・2月回は非実施/出典: 日本商工会議所)と、当サイトの再挑戦インターバル(算出式ページ)
- 「1科目ごとに下限がある」の根拠: 日本商工会議所が公表する1級の合格基準(下の税理士との比較ページの出典一覧に収録)
- 「目安は2級レベル前提」の根拠: 上の勉強時間の欄(出典: スタディング公表値・2級レベルの知識がある前提)
- 「税理士の受験資格になるが会計科目には要らない」の根拠: 日本商工会議所の1級合格者の特典と、国税庁「税理士試験受験資格の概要」(いずれも下の税理士との比較ページの出典一覧に収録)
- 「資格が仕事を囲わない」の根拠: 上の独占業務の欄(業務独占・名称独占・設置義務の規定なしと分類・条文で確認)
よくある質問
簿記1級(簿記一級)の合格率はどのくらいですか?
受験者の8割以上が落ちます。統一試験の直近3回はいずれも14〜15%台です(出典: 日本商工会議所・1級受験者データ)。1級にネット試験はなく、この統一試験の数字が唯一の合格率です。回ごとの値はページ上の推移表にあります。
簿記2級と1級では、勉強量はどのくらい変わりますか?
2級の延長で捉えると計画がずれます。勉強時間の目安は1級500〜700時間に対して2級350〜500時間(出典: スタディング公表値ほか)。難易度スコアも59.0対54.8と差があります。商業簿記に会計学・工業簿記・原価計算が加わり、範囲そのものが広がります。
簿記1級は受験資格が必要ですか。いきなり1級から受けられますか?
受けられます。受験資格の制限はなく、3級・2級に合格していなくても1級を申し込めます(出典: 日本商工会議所 検定試験Q&A)。ただし勉強時間の目安500〜700時間は2級レベルの知識がある前提の公表値なので、簿記が初めてなら2級までの学習が上乗せされます。
簿記1級はいつ受けられますか?年3回ですか?
年2回です。統一試験の6月と11月だけで、2月回に1級はありません(出典: 日本商工会議所・2026年度試験日程)。随時受けられるネット試験もなく、受験のチャンスは半年ごと。この間隔を前提に学習スケジュールを組みます。
難易度スコア59.0は他の資格と比べてどの位置ですか?
行政書士(60.4)やマンション管理士(60.4)と近い帯です。77資格中17位で、簿記2級(54.8)より上、社労士(72.9)より下。平均合格率14.8%の低さが押し上げています。式は算出式ページで公開しています。
簿記1級の偏差値はいくつですか?
当サイトの統計換算で偏差値57.0です(難易度スコア59.0・スコアを算出できる77資格中17位)。換算式と母集団は算出式ページで公開しています。
簿記1級に独占業務はありますか?
ありません。日本商工会議所が実施する民間検定で、法令上の業務独占・名称独占・設置義務の規定はありません。業務独占・名称独占・必置のいずれの規定も、現行条文では確認できませんでした(確認日 2026-07-26)。
簿記1級と他の資格の難易度比較
出典