直近合格率(平均)
14.8%
勉強時間の目安
500〜700h
受験料
8,800円
注意
1級にネット試験はなく統一試験(年2回・6月と11月)のみ。合格率は日本商工会議所公表の統一試験の値で、直近3回は第171回15.2%・第170回14.0%・第168回15.1%。2月回に1級実施がないため回番号が飛ぶ(第169回は2級・3級のみ)。同じ簿記でも2級・3級とは商業簿記に加え会計学・工業簿記・原価計算が加わり、記述量・計算量が大きく異なる
簿記1級の偏差値(難易度スコア換算)
日商簿記検定1級の偏差値は57.4です。 当サイト収録で難易度スコアを算出できる76資格を母集団として、 平均50・標準偏差10へ統計的定義どおりに換算した値です(偏差値 = 50 + 10 ×(難易度スコア − 母平均)÷ 母標準偏差)。
予備校・個人サイトが公表する主観的な「資格偏差値」の転記ではありません。母集団(収録資格)が変わると値も変わる相対値です。 スコアを算出できる76資格の偏差値一覧と算出式・母集団の定義は資格偏差値一覧で公開しています。
簿記1級の独占業務・設置義務(根拠条文)
日商簿記検定1級には、業務独占・名称独占・必置(設置義務)のいずれの規定も現行条文で確認できませんでした(確認日 2026-07-26)。 日本商工会議所が実施する民間検定で、法令上の業務独占・名称独占・設置義務の規定はありません。
資格がないとできない仕事が法律で定められている資格は業務独占資格の一覧(根拠条文つき)にまとめています。
合格率の推移
| 年度・回 | 合格率 |
|---|---|
| 第171回統一試験(2025年11月) | 15.2% |
| 第170回統一試験(2025年6月) | 14.0% |
| 第168回統一試験(2024年11月) | 15.1% |
図|簿記1級の合格率のレンジ(帯=最小〜最大・縦線=平均)
勉強時間の目安
500〜700時間が目安です(出典: スタディング(通信講座公表値・独学の場合。2級レベルの知識がある前提。講座利用時は400〜600時間))。学習環境や前提知識によって個人差があります。
この目安は、1日に取れる時間で割らないと自分の予定に落ちません。よくあるペースで割ると、かかる期間はこうなります。
| 1日の勉強時間 | かかる期間 | 日数 |
|---|---|---|
| 1時間 | 16.4〜23.0ヶ月 | 500〜700日 |
| 2時間 | 8.2〜11.5ヶ月 | 250〜350日 |
| 3時間 | 5.5〜7.7ヶ月 | 167〜234日 |
毎日休まず進めた場合の単純計算です(1ヶ月=30.4日で換算)。実際には空く日が出るので、この期間より後ろに倒れます。開始日を入れて完了予定日そのものを出すなら勉強時間シミュレーターを開いてください。簿記1級が選ばれた状態で始まります。
受験資格
受験資格の制限なし。どの級からでも受験可(3級・2級に合格していなくても1級を受験できる。出典: 日本商工会議所 検定試験Q&A)。合格すると税理士試験の受験資格が得られる(区分: 誰でも受験可)
同じ事務分野には4件を収録していて、いずれも受験資格の制限がありません。 合格率・勉強時間の目安・受験料を縦に並べて見比べるなら事務分野のデータ表が早く着きます。
簿記1級は入口と本番のどちらで絞る試験か
難易度スコアは合格率・勉強時間・受験資格を1つの数字に合成します。合成すると、受験資格で人を絞ってから易しい試験をする資格と、誰でも受けられるが本番で大量に落とす資格が、同じ点数に並びます。 そこで合成する前の2軸に戻すと、日商簿記検定1級は「本番で絞る」の位置に入ります(本番の重さ=合格率スコア85.2、入口の重さ=受験資格スコア0)。 この2軸としきい値の決め方は難易度スコアの算出式で公開しています。
図|簿記1級の位置(横軸=本番の重さ/縦軸=入口の重さ)
試験日程
統一試験のみ(1級にネット試験はなし)。年2回・例年6月と11月(令和8年度は第173回2026年6月14日・第174回2026年11月15日)。2月回は2〜3級のみで1級は非実施
受験料
8,800円 (税込。2024年4月1日改定後の現行額)
独学 vs 通信講座
独学が向いている人
- 2級に合格済みで、工業簿記・原価計算の計算に抵抗がない
- 勉強時間の目安500〜700時間を、半年に1度の試験日まで自分で割り振れる
- 過去問と答練を自分で採点し、会計学の記述の詰めまで独力で回せる
通信講座が向いている人
- 2級から1級に進むところで範囲が広がり、独学だと500〜700時間の使い道を決めきれない
- 工業簿記・原価計算でつまずいた「なぜ」を人の解説で潰したい
- 年2回しかない試験に照準を合わせ、長い学習期間のペース配分を任せたい
簿記1級は年2回・半年に1度の試験で学習期間も長くなるため、講座を検討する場合も、まず勉強時間の目安と合格率の一次データで「いつの回を狙うか」を先に決めると計画が立てやすくなります。
編集部の見解
簿記1級は回による当たり外れがほとんどない。だから2級と逆に、受ける回を先に決めて逆算してください
ページ上部のスコア内訳バーを見てください。簿記1級は受験資格の寄与がゼロで、合格率と勉強時間の2つだけで62.6まで積み上がっています。誰でも申し込めるのに、これだけ落ちている試験だということです。合格率の低い順に数えると13番目に来ます。そのうえで上の合格率の推移表を見ると、収録している3回がほとんど同じ帯に着地しています。当サイトが公開している合格率の振れ幅の指標でも、簿記1級は振れの小さい側に入ります(算出式ページ)。「今年は難化した」「この回は当たりだった」と語る材料が、この試験にはありません。仕上げた分がそのまま結果に出る、と読んでください。
同じ簿記でも、2級とは打ち手が入れ替わります。2級はネット試験が随時あるので「仕上がった週に申し込む」が実行できました。1級にネット試験はなく、上の試験日程のとおり統一試験の年2回だけです。しかも2月回は1級を実施しないので、落ちたときに次に受けられるのは半年後になります。当サイトの再挑戦インターバルでも、簿記1級は6か月の区分です(算出式ページ)。受験日を自分で選べない以上、順番は逆にするしかありません。先に6月か11月かを固定し、上の期間表で自分が毎日取れる時間の行を見て、その日から逆算してください。
配分の決め方にも、1級だけの縛りがあります。合否は4科目の合計だけで決まらず、1科目ごとにも下限が置かれています(出典: 日本商工会議所/下の税理士との比較ページの出典一覧)。得意な商業簿記で稼いで原価計算の失点を埋める、という組み立てが通りません。前半だけ・後半だけを受けることもできない。だから勉強時間は「合計点を伸ばす」ではなく「取りこぼしている科目を下限の上に乗せる」の順で割り振ってください。上の勉強時間の目安は2級レベルの知識がある前提で公表されている値なので、2級を通っていない人は、ここに2級までの学習が上乗せされます。
取るべきかどうかは、出口で決めてください。簿記1級には法令上の業務独占も設置義務もありません(上の独占業務の欄)。資格そのものが仕事を囲わないので、効くのは中身と、もう1つ、税理士試験の受験資格が付いてくることです。ただしここに落とし穴があります。税理士試験のうち簿記論・財務諸表論には、もともと受験資格の制限がありません(下の税理士との比較ページに出典つきで置いています)。税法の科目まで進む予定があるなら簿記1級は入口として効きますが、会計科目だけを先に受けるつもりなら、1級を経由する理由になりません。勧めないのは、2級の上位版として履歴書の行を厚くしたい人です。半年に1度しか機会がなく、1科目でも下限を割れば落ちる試験を、その動機で走り切るのは難しい。決算を締める側に回る予定があるか、税法まで行くか。どちらかに当てはまるなら、狙う回を今日決めてください。
この見解が寄りかかっているデータ
- 「入口で人を選ばない」の根拠は、上のスコア内訳で受験資格の寄与がゼロであること(受験資格の制限なし・出典: 日本商工会議所 検定試験Q&A)
- 「当たり外れがない」の根拠は、上の合格率の推移表(出典: 日本商工会議所・1級受験者データ)と、当サイトの合格率の振れ幅の指標(収録している回の最大−最小・算出式ページで公開)
- 「受験日を選べない」の根拠は、上の試験日程(統一試験の年2回のみ・1級にネット試験なし・2月回は非実施/出典: 日本商工会議所)と、当サイトの再挑戦インターバル(判定ルールは算出式ページ)
- 「1科目ごとに下限がある」の根拠は、日本商工会議所が公表する1級の合格基準(下の税理士との比較ページの出典一覧に収録)
- 「目安は2級レベル前提」の根拠は、上の勉強時間の欄(出典: スタディング公表値・2級レベルの知識がある前提)
- 「税理士の受験資格になるが会計科目には要らない」の根拠は、日本商工会議所の1級合格者の特典と、国税庁「税理士試験受験資格の概要」(いずれも下の税理士との比較ページの出典一覧に収録)
- 「資格が仕事を囲わない」の根拠は、上の独占業務の欄(法令上の業務独占・名称独占・設置義務の規定なしと分類・条文で確認)
よくある質問
簿記1級(簿記一級)の合格率はどのくらいですか?
統一試験で第171回15.2%・第170回14.0%・第168回15.1%です(出典: 日本商工会議所・1級受験者データ)。3回とも14〜15%台で、受験者の8割以上が落ちています。1級にネット試験はなく、この統一試験の数字が唯一の合格率です。回による振れは2級ほど大きくありません。
簿記2級と1級では、勉強量はどのくらい変わりますか?
勉強時間の目安は1級500〜700時間に対して2級350〜500時間で、難易度スコアも1級62.6・2級58.8と差があります(出典: スタディング公表値ほか)。1級は2級の商業簿記に会計学・工業簿記・原価計算が加わり、範囲そのものが広がります。2級の延長で捉えると計画がずれます。
簿記1級は受験資格が必要ですか。いきなり1級から受けられますか?
受験資格の制限はなく、どの級からでも受験できます(出典: 日本商工会議所 検定試験Q&A)。3級・2級に合格していなくても1級を申し込めます。ただし勉強時間の目安500〜700時間は2級レベルの知識がある前提の公表値なので、簿記が初めての場合はここに2級までの学習が上乗せされます。
簿記1級はいつ受けられますか?年3回ですか?
年2回です。統一試験の6月と11月のみで、2月回は2級・3級だけで1級は実施されません(出典: 日本商工会議所・2026年度試験日程)。2級・3級のように随時受けられるネット試験もないため、受験のチャンスは半年に1度です。この間隔を前提に学習スケジュールを組む必要があります。
難易度スコア62.6は他の資格と比べてどの位置ですか?
スコアを算出できる76資格中16位です。行政書士(63.7)やマンション管理士(63.9)と近い帯で、簿記2級(58.8)よりはっきり上、社労士(76.0)よりは下にいます。合格率が14〜15%(平均14.8%)と低いことがスコアを押し上げています。合格すると税理士試験の受験資格が得られる点も、2級・3級にはない位置づけです。スコアは合格率・勉強時間・受験資格から当サイトが算出した独自指標で、算出式は算出式ページで公開しています。
簿記1級の偏差値はいくつですか?
当サイトの統計換算では偏差値57.4です。スコアを算出できる76資格の難易度スコア(合格率・勉強時間・受験資格から算出し、式を公開)を平均50・標準偏差10へ換算した相対値で、予備校や他サイトが公表する主観的な資格偏差値の転記ではありません。母集団が変わると値も変わります。
簿記1級に独占業務はありますか?
ありません。日本商工会議所が実施する民間検定で、法令上の業務独占・名称独占・設置義務の規定はありません。業務独占・名称独占・必置のいずれの規定も、現行条文では確認できませんでした(確認日 2026-07-26)。
簿記1級と他の資格の難易度比較
出典